竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

どこまで帰れるのかー2019年振り返り

本日、2019年の大晦日は京都の愛宕山で山納め、走り納めをしてきました。
月輪寺で出会った鹿。
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愛宕山で鹿に遭遇したのは初めてでした。
軽く緊張しましたが、猪に出くわすよりは数百倍ましで、以前、近くの山域で猪と鉢合わせてパニクった経緯は以下にまとめてあります。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/01/19/234901
亥年の締めくくりが鹿で済んだのは幸運でした。

今年は一言で言えば「復帰」の1年でした。
2018年は4月の骨折以降、トレランを控えていましたが、今年になって少しずつ短い距離からトレランに戻ってくることができました。
本当は初詣の愛宕山山行から山に復帰する予定でしたが、ちょっとした負傷でキャンセルしました。
その結果、2月のおんじゅくオーシャントレイルが山とレースへの本格的な復帰の機会となりました。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2019/02/03/165310
復帰できたことは純粋に嬉しかったです。
一度退場しかけた世界に、再び戻ることができた喜び。
人生で初めてでした。

ただ、復帰できたことはできたのですが、骨折の契機となった下りでの転倒に対する恐怖は、克服できていないのが正直なところです。
以前の私は下りでスピードに乗るのが好きなタイプのトレイルランナーでしたが、今では恐怖心が勝って、下りはほどほどの速さで走るようになりました。
ほどほどといっても気を抜いているわけではなく、こけないように体重の真下着地を意識して全身全霊をこめて下っているため、疲労感は半端ないものがあります。
でも、また大ケガをしないためには仕方ないのです。
今後もおっかなびっくり、転ばないように丁寧に下りを走りたいと思います。

もうひとつ、こちらは克服できた恐怖心のお話ですが、骨折したときに履いていた靴で、また走ることができました。
今まで明かしていませんでしたが、私が骨折したときに履いていたのはスポルティバのアカシャでした。
靴が悪いわけではないのに、見るたびに事故のことが思い出されて、なかなか山で履くことができませんでした。
とても足に合う靴で気に入っていただけに、辛いものがありました。
それを克服できたのは、スカイライントレイル菅平のスカイハーフでした。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2019/06/18/184257
菅平といえば赤備えが大きなテーマではありますが、密かにアカシャのトレランへの復帰も企図していました。
アカシャのためにも無事に完走できてよかったです。

復帰後は、成木の森、先の菅平のスカイハーフ、野沢トレイルフェス、信州戸隠のミドルと、順調に距離を伸ばしながら、トレイルランニングを楽しむことができていました。
でも、昨シーズンのブランクは大きいもので、ロングディスタンスのレース経験が1年分まるっと抜けてしまっているのです。
これは、UTMFや信越五岳やFTR100Kなどのレース参加資格に響くため、なるべく早めにロングディスタンスにも復帰したいと考えていました。
というわけで、ハセツネとFTR100Kに昨年のボランティア優先枠でエントリーしたものの、台風の影響で中止となりました。
ロングディスタンスへの復帰レースは、軽い気持ちで2次募集に応募した、12月の伊豆トレイルジャーニー(ITJ)となりました。
ITJの2013年大会は私の初ロングレースでしたが、奇しくも、トレイルランニングへの復帰後初のロングレースが、またITJとなりました。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2019/12/06/205215
巡り合わせの妙を感じざるを得ませんでした。
無事に完走できたことで、今年のうちに帰れるところまでは帰ってこれたんだなと感慨深く思います。

ロードのランニングでは、4月のチャレンジ富士五湖100kmの部への文字通りのチャレンジが、大きな出来事でした。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2019/04/21/230836
トレイルで100km走るのとはまた全然違う経験で、ショボい結果であるにもかかわらず、新しい世界が開けた気がします。
こちらの道もなかなか楽しいなと思いましたが、まだ次の扉をノックしようという気にはなっていません。
でもいつかまた走ってみたいと思います

ロードでの復帰といえば、ここ数年故障や不調で達成できていなかったフルマラソンサブフォーを、4年ぶりに記録することができました。
サブフォーランナーへの復帰です。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2019/03/17/174947
これも純粋に嬉しいことですが、ロードの場合は記録との闘いに際限がないのが新たなストレスになります。
次の復帰は、5年ほど記録していないサブ3.5への復帰となってしまうところに、頭が痛くなります。
すぐにそこまでは帰らなくていいのかな。

こうしてみると、ほとんどの力を「復帰」に費やした1年でした。
そして、無事に帰ってこれた、その点は大満足です。
トレイルランニングもロードのランニングも、ただの遊びに過ぎませんが、いくら歳を重ねてきても、遊びのなかで成長することの楽しみを知ってしまったら、むしろ歳を重ねたから知ってしまったのかもしれませんが、その楽しみを手離すことはできません。
私は、手離しかけた楽しみを取り戻すことができたことが嬉しくてなりません。
ただ、どこまで帰れるのか。
帰ってきたら帰ってきたで、自分がこれまで到達した地点が新しい復帰点として立ち現れてきます。
成長することの楽しみは、同時に欲望でもあるようです。
どこまで帰れるのか。
その課題は2020年に先送りします。

末筆ではありますが、来年もまたよろしくお願いいたします。