竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

愛用品は廃盤品ー2018FTR100/FT50ボランティアスタッフ余録

どうもこんばんは。
あるちょっとした不作為で夕飯を食べられなくなった腹いせに、ハイボールを飲みながら記事を書くほどには呑兵衛な竹仙坊です。
カキフライに舌鼓を打った後、一人二次会で日本酒をキメたあたりで今日のところは勘弁してやりましょう。
明日はFTRのボランティアスタッフの打ち上げ会もあることですし。
ということで、ボランティアスタッフの個人装備の記録です。

衣服
インナー上下:アイスブレーカーアナトミカ上下(ともにロング)
シャツ:アイスブレーカー極厚長袖ジップネック
ズボン:フェニックス裏地付
防寒具(夜間):モンベルウルトラライトダウン
防寒具(日中):ティートンブロスフーディーフリース
帽子(夜間):アイスブレーカーキャップ
帽子(日中):ノースフェイスゴアテックスキャップ
雨具上下:ロウアルパイン上下

寝具
シュラフ:イスカピルグリム370
マット:ノルディス
シート:SOLサバイバルシート

着衣のコントロールではひとつ失敗をしました。
大会2日目の18日の日中、秩父の最高気温は13.1℃まで上がりましたが、武甲山から下ろしてくる風が思いの外冷たく、だいぶ体を冷やしてしまいました。
フリースでは寒かったのです。
ちょうど雨具などの上着を片付けてしまっていたため、冷たい風を遮ることができませんでした。
早まった判断で、大きな反省点です。

寝具については、概ね正解だったと言えるでしょう。
まずは一晩目、前泊した16日の夜から起床した17日の深夜2時過ぎにかけて、秩父アメダスの記録では、概ね7℃台で推移していました。
「宿」は後に選手更衣室となった大テントで、宿泊客は私一人でした。
まだむき出しだったアスファルトにサバイバルシートを敷いて、その上にマットを置いてシュラフに潜り込みました。
シュラフは愛用のピルグリム370です。
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サバイバルシートの上なので直にアスファルトに寝るよりはましでしたが、やはり寒くて、途中からシートでシュラフをくるんで何とかしのぎました。
起床時にはシュラフがしっとり濡れてしまいましたが、ピルグリム370は化繊なので、特に不快ではありませんでした。

大会初日の17日の秩父は、最高気温が19.3℃まで上がりましたが、日が落ちてからは気温の下がりかたが著しく、22時には9℃台まで下がりました。
その後明け方までは概ね9℃台で推移します。
二晩目は市街地で野宿でした。
店舗の軒先を借りてサバイバルシートを敷き、スタッフ仲間のマットと、ピルグリム370で仮眠です。
前夜に少し濡らしてしまいましたが、化繊のシュラフなのですでに乾いており、その点は問題ありませんでした。
そして、この日は前日よりも気温が高かったこともあり、シートにくるまらなくても快適に寝ることができました。
業務の疲れからかぐっすり眠り込んでしまい、危なく寝過ごすところでしたが、仲間に起こしてもらい事なきを得ました。
起こしてくれてありがたかったです。

残念なことに、このピルグリム370は廃盤になっているらしいのです。
私は愛用品が廃盤になることが多くいつも悲しい気持ちになっていたのですが、どうやら私の消費行動に原因があるのではないかと最近気がつきました。
あまり定価でものを買わないことにしている私が購入する機会はたいていセールです。
そうなると、商品はたいていカタ落ちのものなので、後継品がなくそのまま廃盤になるものが数多く含まれています。
このピルグリム370も、確かさかいやスポーツで大安売りしてたものを購入した記憶があります。
もしかしたら、その時点で廃盤が決まっていたのかもしれません。
もちろん廃盤品だからといって悪いということは全くなく、私にとってはむしろ、なぜか気に入ってしまってヘビーユースするものが多いのです。
そしてそのように愛用してしまうと、次に同じものを手に入れることができないのが悲しくてならなくなります。
そういう意味で、廃盤品はかけがえがないのです。
長く大事にし続けたいと思います。
復活も望んでますけどね。

平熱と高熱の間ー2018FTR100/FT50ボランティアスタッフ雑感

少し前になりましたが、2018年11月17~18日に開催されたFTR100/FT50に、ボランティアスタッフ=キャストとして参加してきました。
実は12月5日にキャストの打ち上げを控えていて、楽しみにしているところではあるのです。
が、こんなタイミングで言うのもなんですが、キャスト体験中の気持ちを体温に例えると、初っぱなに氷水をぶっかけられたように冷え込んで、あわや低体温症かというくらいまで下がりました。
しかし、大会終盤にようやく平熱と高熱の間くらいまで上がってきた、そんな感覚でした。
要は、微熱を帯びたあたりで会場を後にしたということなのです。
その微熱を保って、打ち上げに臨めればよいなと思います。

初っぱなに何があったかというと、抽象的にいえば、連絡の不手際と不適切な人員配置といったところでしょうか。
当事者としては大変な状況となりましたが、とりあえず仲間の手助けもあって乗りきることができました。
でも、その手助けがなければ選手に大迷惑がかかるような、致命的な手違いだと思います。
とりあえず無事でしたが、結果がよければよいわけではないのです。
あまりの混乱ぶりに、気持ちが完全に冷えきってしまいました。
充分に検証して再発を防いでもらいたいと思います。

ただ、いつまでも冷えきった気持ちのままでいる訳にもいきません。
キャストの業務は始まったばかりで、残りはまだ30時間ほどある状況でした。
FTR100の制限時間である18日の14時までは、何があっても持ちこたえなくてはなりません。
気持ちの低体温症で動けなくなってしまったら、選手に迷惑をかけてしまうかもしれません。
回復に至ることができたのは、誘導スタッフの仲間と選手のおかげでした。
スタッフ仲間は気持ちのいい親切な方ばかりで、愚痴をこぼしつつも明るく楽しく過ごすことができました。
寒さの中に野宿しながらの誘導は本当に楽しかったです。
仲間の皆さんには心より感謝しています。

誘導業務の間、今年はコースから外れた武甲山が、一緒に選手を見守ってくれました。
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大会期間は雨の予報が出ていたのですが、いざ当日は晴れました。
選手は武甲山に迎えられてフィニッシュへと進んで行きます。
その、それぞれの選手が前進する姿に、強く心が動かされました。
私はFTR100に過去三回出場しているため、どうしてもレース中の選手に自分の過去を重ね合わせて見てしまっている節がありました。
でも、見ず知らずの他人に感情移入できてしまうほどに、トレイルランニングというスポーツは私にとって特別なものであるとしか言いようがありません。
私は勝手に、全てのトレイルランナーは私の仲間であると思っています。
仲間が力を振り絞りながら前へ前へと進んで行く姿を目の前で見れること、それが私の喜びでした。
仲間の情熱を目の当たりにして、私自身の熱も徐々に高まっていきました。

そうした選手の熱が地域住民の皆さんに伝わっていたようで、大会中に住民の方々が選手にも我々キャストにも、暖かい声をかけてくれました。
特に暖かかったのは、私が夜に一人で誘導しているときに、ご近所の方が暖かい紅茶を差し入れてくれたことでした。
スタッフも大変そうですよね、その一言に報われました。
もちろん、選手達のありがとうの言葉にもぐっとくるものがありました。
キャスト仲間にも選手にも、そして地域の方にも暖めてもらえた私は、幸せ者だったのかもしれません。

低体温症かと思うくらいの気持ちで始まったキャスト業務は、こうして色々な人に暖められたおかげで、微熱程度まで回復して終了しました。
でも、微熱くらいが一番心地よいのかもしれません。
怪我を克服できたらの話ですが、来年は選手としてこのゲートをくぐりたいと思います。
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微熱を帯びて。

猫の手はチタンー2018FTR100/FT50予報

今日、11月17~18日に開催されるFTR100/FT50 2018のボランティアスタッフ=キャストのシフト表やマニュアル類が送られてきました。
FTR100には第1回大会の2015年から昨年まで3年連続出場していましたが、今年は骨折でトレランができないためエントリーを見合わせました。
それでも思い入れの深い大会であるため、今回はキャストとして参加することにしました。

100km超のFTR100にしか私は出場したことがないのですが、魅力あふれるレースだと思います。
エイドが充実とか、コースが適度に厳しく走りごたえがあるだとか、レースに関わることは色々な人が様々に発信しているのでここでは控えますが、レースとして完成度の高い大会だと思います。
本当にいい大会です。
私がここで推したいのは紅葉です。
それも黄葉の方が特に楽しみでした。
コース上の黄色の葉っぱがきれいで、見ていて飽きませんでした。
特に、薄暗い山の中で黄色の葉っぱが明るく浮かび上がっているのを見ると、気持ちまで明るくなります。
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木全体が黄葉していると行く手が照らされているようで、気分が高揚します。
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選手の皆さんには、こんな黄葉を堪能してきてもらいたいと思います。
本当は私自身が見れるとよかったのですが。

正直なところ、今年は、それどころかもう金輪際、FTR100/FT50は開催されないものだと思っていました。
昨年の事故で、同じレースに臨んだ仲間を亡くした悲しみを強く覚えました。
そして、同じトレランの愛好者として、他人事ではなく自分の事として受け止めた出来事でした*。
また今年は自分自身が山の事故で骨折し、トレランから離れざるを得なくなりました。
それだけに、この第4回大会が開催されることの喜びは大きいものがあります。
選手として参加できなくても、猫の手程度ではあるものの、手を貸すことが出きるのは嬉しいのです。
私の左腕には、折れた上腕骨を補強するためのチタンプレートが入っています。
チタンの猫の手、この大会のために力になれればよいと思います。
そして選手の皆さん、無事に帰ってくることを祈っています。


自分の事として
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/11/19/182753

**他のFTR100K2017関係記事
当日の天候について
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/11/21/215251

レポート1
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/11/30/191853

レポート2
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/12/06/194946

レポート3
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/12/12/193956

レポート4
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/12/14/201711

余録
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/12/15/125450