竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

やるでば!ー櫛形ウインドトレイル2022レポート2

2022年7月24日に開催されたKUSHIGATA WIND TRAIL2022の31kmの部のレポート、第2段です。

もう1年が経過してしまったのですね。

今回より大会名が変更され「トレイルランナーズカップ櫛形31K 2023」となったと聞き及びました。

その大会が明日とのことなので、ここで記録を終えたいと思います。

今さらですが、参加者の参考になれば幸いです。

前回記事は以下にリンクを貼りました。

やらにゃん?ー櫛形ウインドトレイル2022レポート1 - 竹仙坊日月抄

また、2017年大会でDNFした当時のレポートへのリンクは、この記事の最後にまとめました(★参照)。

 

レース序盤、往路の白鳥山の下りに差し掛かりました。

下りきった先には羽黒エイドがあります。

ここの山道は少し急な所がありますが、下るにつれて走りやすくなります。

ただし、前日までの雨で途中から山道が川になっていました。

シューズのアウトソールが浸るくらいの浅い川ですが、踏み込めばシューズ全体が濡れるのは必定です。

前日までの雨の影響が残りまくっていました。

恐らく水の通り道に人間の道がつけられた場所なのでしょう。

この道を下りきった先の羽黒エイドを過ぎてから、櫛形山脈の主稜線に登る山道に入ります。

櫛形山脈は標高は低いものの、里から一気に登り詰めるコース設定のため、のっけからの急登で力を使います。

登り詰めた先の主稜線では、夏の森が緑に染まっていました。

トレランでも登山でも、山の何が楽しいのか?と人に訊かれることは多々あり、私はその都度、こうした緑の草木に囲まれているだけで楽しいというような主旨の言葉で応えますが、あまり支持を得たことはありません。

もっとドラスティックでドラマティックな回答が期待されているのはわかっているのですが、それは私でない誰かに訊いてくれ、なんて思ったりなんかしちゃったります。

ただし、この櫛形山脈は、ただ楽しいだけではなく、細かいアップダウンが繰り返されて走りごたえのあるプチドラスティックなコースです。

東京近郊でいうと東高尾山稜とか南高尾山稜くらいのアップダウンの感覚でしょうか。

アップダウンの一つひとつは大きくないものの、それなりの数を往復にわたって通過するため、ダメージはそこそこ貯まっていきます。

また、天候によってはロープが必要な急坂も1箇所あり、そこは復路が下りとなるので、復路ではよりいっそうの注意が必要です。

ただ、この日は前日までの大雨にもかかわらず、櫛形山脈主稜線の登山道は悪くないコンディションでした。

この稜線を櫛形山の山頂まで走ると、その先でエイドに向かって里に下ります。

櫛形山頂には10:19に到着。

8:00にスタートしてから2時間19分かかりました。

実際の飯豊連峰はこんな感じに見えていました。

今年は晴れてもっときれいな景色が観られるといいですね。

山頂からは急な山道を一気に山麓まで下り、少し林道を登り返すと関沢森林公園のエイドに到着します。

10:50に到着、山頂からは30分ほど、スタートからは2時間50分かかりました。

かぶり水と水分補給、トイレも済ませて、一息つきます。

なお、2022年大会では各エイドでエナジージェルが提供されていました。

ここから再び主稜線へ向けて、登り返します。

気温が上がり始めている上に湿度も高く、なかなか脚が進みません。

木漏れ日の森にも暑さを感じるようになります。

よく見ると濃い緑色って、ジャングル感があって濃密な湿度も感じる色ですね。

ただ、主稜線への復帰までは40分以上かかったものの、登りきってしまえば後は知っている道を戻るだけ。

と思ってスピードを上げながら走っていると、往路で気付かなかった熊剥ぎ(?)が目に飛び込んできました。

熊、いるんですかね?

皆様、お気をつけください。

気温を上げていく櫛形山脈主稜線を走りきり、急な山道を下り切って里に下りると、再びの羽黒エイドに到着します。

時刻は12:50、先のエイドからは2時間かかりました。

2017年大会でここの関門でタイムアウトになったことがあり(◇)、そのときより今回は大幅に早く走れています。

ここではかぶり水と水分補給をさっと済ませて、ラストの登り、復路の白鳥山に取りかかります。

里は暑いです。

往路で見た昨日の雨を集めた川は、まだ山道を流れていました。

一度雨が降るとなかなか水が引かない地形のようです。

復路の白鳥山を木漏れ日が美しく照らします。

身体は暑さに苦しみつつも、心は癒されながら登っていきます。

二度目の白鳥山山頂からは青い日本海

晴れていて良い景色でした。

この山には城氏が鎌倉幕府に対して起こした建仁の乱の激戦地であった山城があり、防御施設の遺構がレースコースにもなっています。

これは空堀跡。

空堀とはなんぞや、ということが書かれた説明板。

空堀はなんと四重に巡らされていたようです。

 

夏草や兵どもが夢の跡

 

とはよく言ったものですね。

詠んだ場所は違えど、夏の古戦場の情景が浮かびます。

普遍的な表現なのでしょう。

空堀を過ぎてからは公園に向かって登山道を下りますが、その途中で文字通りひっくり返っている選手がいました。

板額御前に射倒されたわけではないと思いますが、シングルトラックで片側が切れている登山道を目一杯ふさいで寝っ転がっています。

とりあえず踏んでしまわないように気を付けて通過しながら事情を聴くと、多分熱中症で全身が攣ってしまっていて、痛みで座っていることもできないとのことでした。

すでに救護のスタッフが向かってきているとのことだったので、塩分タブレットを数個渡しただけで現場を離れます。

山道を下りきった先の公園からフィニッシュまではほとんどロードです。

日陰もなくなるので、公園の水道でかぶり水をして体を冷やしてから走りだします。

下りの途中からは朝日連峰なのか出羽三山なのか。

姿の良い山々がよく見えていました。

公園からフィニッシュまでのロードは緩やかな登り基調で、ラストの1㎞くらいから傾斜がきつくなっていきます。

沿道の住民の方々や先にフィニッシュしたランナーからの応援に力をもらって走ります。

そして時刻は13:53、31㎞を5時間53分でフィニッシュしました。

2017年大会でDNFしてから5年以上が経過していますが、やっとのことで辿り着いたフィニッシュゲートでした。

やらにゃん?の声に、やるでば!と、やっと応えられたかな。

 

★2017年大会レポート

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