竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

やらにゃん?ー櫛形ウインドトレイル2022レポート1

2022年7月24日開催のKUSHIGATA WIND TRAIL2022の31kmの部のレポートです。
既に1ヶ月以上経っていますが、記憶をほじくり返して記録としてしたためておきます。
今週末は信越五岳の110kmに出る予定なのですが、それまでに書き終えることができるでしょうか…。

櫛形ウインドトレイルには2017年に参加して、関門タイムオーバーになっています。
当時のレポートへのリンクを、この記事の下にまとめました(★参照)。
さて、5年ぶりに降り立った羽越線中条駅では、胎内市のマスコットキャラクターである「やらにゃん」がお出迎えしてくれました。

やらにゃんに手を引かれているのは子どもなのでしょうか。
5年会わないうちに、やらにゃんにも色々あったのでしょうね。
調べたところ「やらにゃん」とは胎内地方の方言で、「やらないの?やるでしょ?」というややもすれば恫喝に聞こえなくもない意味の言葉、というようなことが公式サイトに書いてありました。
詳しくはこちらをご参照ください。
https://www.yaranyan.com/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB/
ただ、軽い恫喝とはいえ、聞く状況によっては良い声かけになると思います。
例えば今回の私は2017年大会のDNFの雪辱がかかっているため、やらにゃん?と聞かれたら、やるでば!と答えるしかないでしょう。
ゆるキャラに鼓舞されることってなかなかないと思います。
やらにゃん、意外と偉大です。

駅前ロータリーにある板額御前の銅像は、かつて彼女が立て籠った鳥坂(とっさか)城を見はるかしています。

その鳥坂城一帯は櫛形ウインドトレイルのコースでもあります。
板額御前は鎌倉時代の女武者で、兄の城長茂や甥の城資盛鎌倉幕府に対して起こした反乱(建仁の乱)で活躍した弓の名手でした。
印象的なエピソードを持つ人物なので、「鎌倉殿の13人」に出てくるかと思っていたのですが、残念ながら出てきませんでした。
城跡を走る選手は、はたして見守られているのか、見張られているのか。
弓矢を手にした板額さんに「やらにゃん?」とか言われたら、何をおいてもやらざるを得ないでしょう。
ともあれコース上では、弓で射られないように頑張りを見せたいと思います。
ところで、写真ではどんより雲が目立ちますが、レース前日の胎内市は断続的に強めの雨が降る天候でした。

一夜明けて、レース当日は快晴。
道の駅胎内にあるスタート・フィニッシュ会場も、陽光と胎内川からの反射光できらめいています。

こんなにきれいな光に包まれて、I ♥️ Tainai!

しかし、その奥の胎内川は前日の雨のせいか、ごうごうたる濁流でした。

送り梅雨集めてヤバし胎内川 竹仙坊
のんきに一句ひねってはいるものの、先日この地域で豪雨があり隣の村上市で水害が発生したときには、この胎内川が心配でたまらない思いをしました。
会場近くの胎内観音には、昭和時代の羽越豪雨による水害の記録が展示されているそうです。

そういえば、一連の写真には写っていませんが、会場には主催者の松永紘明さんがDJ(しゃべる方の)よろしく、ずっとマイクを握ってしゃべり続けていました。
諸注意やスケジュールの案内かと思って聞いていたら、会場の一般ランナーにインタビューを始めたりなんかしてフリースタイルに楽しんでいました。
これからはトレラン界のDJ松永と呼ばせてもらいます。

私の参加した31kmのカテゴリーは8:00スタートでした。
2017年に参加したときには、黒川中学校の生徒達によるブラスバンド演奏があったのですが、今回はDJ松永のフリートークに送られてのスタートです。
会場の公園を遠回りしながら出て、ロードを3kmくらい走ってから、最初の山である白鳥山に登ります。
ロードはゆるーく下っていて、小さな川沿いの未舗装路を少し入った後、車道に戻って白鳥山の中腹にある公園まで登ります。
公園から先は本格的な山道に入ります。
白鳥山は鳥坂城の一部で、板額御前はこの地に陣取り、押し寄せる幕府の軍勢に百発百中の矢を浴びせかけ、多数を討ち取ったとされます。
山道の傾斜はけっこう急で、片側が切れた狭いスイッチバックがあるなど、なかなか緊張を強いられるトレイルでした。
鎧を着てこんなところを登ったあげくに板額さんに射殺されるような人生でなくてよかったなと、妙な感慨を覚えながら歩きます。
とりあえず討ち取られずにたどり着いた山頂には、立派な城跡の説明看板がありました。

この先からは越後平野の北部が見渡せます。

緑の田んぼからは美味しいお米がいっぱい獲れるのでしょうね。
新米、楽しみに待ってます。
白鳥山の山頂はスタートから36分で通過しました。
恐らく4,5kmの地点だと思いますが、山は登りのみだったものの、ロードが長かった区間としてはペースが遅いような気がします。
このレースにかける思いとしては、5年前のDNFのリベンジもさることながら、信越五岳のトレーニングという意識が強くあります。
課題は、とにかくスピードを維持して走ることでしたが、入りが少しゆっくりになってしまった気がしました。
ここからの下りはペースアップします。
板額さんに討ち取られる前に、山を下りてしまいましょう。

★2017年大会
https://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/05/28/223213
https://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/05/31/124716
https://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/06/06/082116
https://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/06/08/221546
https://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/06/09/193405
https://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/06/09/211617