竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

癒しの歩き、癒しのジョグースカイライントレイル菅平2020レポート2

スカイライントレイル菅平2020の参加レポート第2段です。
スタート後およそ2時間で、約13km地点の第2エイドを出発しました。
まずは想定通り、少し飛ばしたペースで入りましたが、ここからのんびりし始めてしまいました。

出発直後のシュナイダー記念塔を目指した登りは、前回スカイマラソンに参加した2017年は極力走っていたと思いますが、なんだか気持ちが乗らずに歩き通してしまいます。
でも、こうした時は気持ちに余裕があるものと割り切って進むしかありません。
登りの途中から望む四阿山根子岳
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太陽も出てきて錦秋の趣。
天気は上々、気分も上々。
なれど、脚が出てこない。
おなじみのシュナイダー記念塔にご挨拶をして、
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スキー場から菅平牧場を目指します。

これまでの大会ではここで1回、菅平牧場の第3エイドに寄ってから、牧場を下ってスカイライントレイルを走るコース設定となっていました。
その第3エイドには、四阿山方面から下山してきたときにもう一度立ち寄るようになっていました。
今回は、外のゲートから直接牧場内のスカイライントレイルに入るように変更されていて、その分距離が短くなっていました。
エイドへの立ち寄りは、四阿山方面から下山してきてからのみとなります。
人と人との接触機会を減らすという新型コロナウイルス対策の一環でしょう。
これによってエイドの間隔が16km程と長くなったので、補給食などの対策が必要でした。

スキー場から林道のようなトレイルに入った後、いったんロードに出て登りながら牧場のゲートに向かいます。
このロードの登りもなんだか走る気持ちが起きずに、歩きが多くなってしまいました。
ゲートから牧場内のトレイルに入って、ようやくやる気が戻ってきました。
牧場のトレイルは、はじめはフラットで、森の中に入っても緩やかなアップダウンを繰り返します。
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基本は森の中ですが、渡渉もあるなど楽しい区間です。
前回までは大体ここでだれて走れなくなっていたのですが、この日は気を抜かずに走りました。

牧場のトレイルを進んでいき、四阿山への登山道にぶつかったところで左に曲がります。
スタートから21kmほど、3時間と10分くらい経っていたでしょうか。
ここから四阿山の中腹に向けた長い登りが始まります。
登り始めてからすぐ、もう既に脚に余力がないことに気がつきました。
まだ全体の半分しか進んでないのに、しかもずっと追い込んでたわけでもないのに、もう脚が売り切れたのでしょうか。
いつもなら走れるような傾斜も、歩きがちになります。
それでも、菅平牧場の牛の群れに癒されながら脚を前に進めます。
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草原に寝そべるの、気持ちいいんだろうな。
歩みは牛のごとく、ペースが上げられません。
それでも、登り始めてから45分弱、スタートから4時間弱で、ようやく四阿山頂に向かう道と分かれる地点にたどり着きました。
分岐を左に曲がり、トラバースを少し登ってから、菅平牧場の第3エイドに向けての下りが始まります。
がまんの時間も終わりかなと、この時は思えていたのですが…。

四阿山の山腹は、この辺りは標高1800〜1900mくらいですが、すっかり紅葉していました。
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黄、赤、緑と、秋の山の色にあふれています。
紅葉に誘われたのか、登山者にもけっこう会いました。
6月開催時にはほとんど登山者に会うことはなかったので、新鮮な体験でした。
この下りでペースを取り戻したかったのですが、身体が思うように動きません。
体調が悪いわけでもなく、むしろ良いくらいなのに、なんだか反応が鈍く、持続力もないのです。
どうしたもんだろと思いながら、とぼとぼ身体を前に進めます。
そんなときに頭に浮かんだのが「癒しの歩き」「癒しのジョグ」という言葉でした。
思うように走れなくていつの間にか歩いてしまうとき、しかたなく歩いているのではなく、積極的に「癒しの歩き」をしているのだ。
思うようなスピードで走れずいつの間にか減速してしまうとき、それは積極的に「癒しのジョグ」に切り替えたのだ。
と、自分を正当化する概念をひねり出していたのです。
癒し自体は必要なものですが、走れない現実はちゃんと受け止めろよとは思います
それでも、一度概念を思い付いてしまったからには、乱用が始まってしまいました。
2分走ったら1分は癒しの歩き、5分走ったら5分は癒しのジョグ、みたいに、随所に癒しを織り混ぜながらでないと進むことができなくなっていました。
ひどいものです。
乱用はダメ、絶対。

そんな四阿山からの下山の道のりでしたが、山道自体は笹の中のシングルトラックから始まり、下山するにしたがって広くなっていきます。
斜面のトラバースで少し狭くて通過に注意が必要な場所もありますが、総じて走りやすいセクションです。
だいぶ下ってからの川(大明神沢)で、オールスポーツのフォトグラファーに出会い、元気を取り戻しました。
このコロナ禍で大会がことごとくなくなってしまい、フォトグラファーの皆さんもオールスポーツコミュニティの運営自体も、大変な状況に陥ったのではないかと思います。
でもまたこうして再会が出来て、心の底から嬉しかったのだと思います。
疲れて無表情な顔してましたが、せっかく撮ってもらった写真、ちゃんと購入しますよ。
これからもよろしくお願いいたします。
そんなこんなで、癒しが過剰な下り道を終えて、第3エイドに到着しました。
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スタートから29kmほど、その道のりに4時間40分かかりました。
なんだかんだ言って、想定タイムでは来ていました。
あんなに身体が動いてなかったのに。
不思議。