竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

計画通りにいかないことがたくさんある

4月21日開催のチャレンジ富士五湖ウルトラマラソンの100kmの部にエントリーしていますが、3月17日の2019板橋Cityマラソンを完走してから、ろくに走れない日々が続いております。
本当は板橋Cityの翌週に60km走をしなければならなかったのですが、会社を早退するほどの大風邪を引いて寝込んでしまい、走ることができませんでした。
その後も体調不良や行事(大体お花見)などが続き、練習時間を確保できませんでした。
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こうして夜桜にうつつを抜かしていたら、板橋City以降の走行距離はトータル20km、体重も増えていて、こんな状態で100kmなんて走れるのか、非常に不安です。

とはいえ、開き直ってしまえば、そもそも私は計画通りに物事を進めるのが苦手な人間です。
そもそものそもそも、計画を立てること自体が大の苦手なのです。
そういう意味でいえば、計画通りにいかないことは、むしろ通常運行
日常的に慣れたものです。
不安な気持ちになる必要など、本来はどこにもありません。
なぜ今回不安になるのかというと、100kmのロードランニングをしたことがないからです。
経験のない長距離には不安を覚えて当然です。
それでも、私はこれまでの人生で、それまで経験したことのないものをどれくらい経験してきているのか。
そう考えたら、特に不安を覚えることもないような気がしてきました。
たぶん人生は、大体において、経験のないものを経験あるものに変える過程であるのだと思います。

昨年4月7日に私は、人生で初めての骨折をしました。
ちょうど1年が経ちましたが、これもまた、経験のないものを経験のあるものに変えた事例です。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2018/04/08/175630
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2018/04/22/063505
まあ骨折なんて通常は意図してやるものではないので、意図せずに経験のあるものに「変わってしまった」のですが。
でも、この「変わってしまった」こともまた人生では大切であると思います。
恐らく人生とは、意図して変えるものと意図せずに変わってしまうことをごちゃ混ぜにしながら進んでいく過程であると言えます。
端的には、未経験を経験するのが人生であると、言えなくもないのです。
意図した経験も意図しなかった経験も、それが人生の構成要素であることには変わりません。
もちろん経験には、耐え難い苦しみや捨て去りたい痛みを伴うものがあることは重々承知しています。
それに苦悩する時間の長さもまた、重々実感してきました。
それでも、それら全ては人生において必要なものであると、肯定的に受容したいと私は思うのです。

ウルトラマラソンの練習が計画通りにいかないことの言い訳をくどくど述べるために人生を安易に語ってしまいましたが、まあ、これはこれで計画通りなのかもしれません。
こんなたわごとを書くのが計画通りでもウルトラマラソンの役には立ちませんが、私の精神衛生を保つためには充分に役立つと思います。
そんな言い訳ではございましたが、さすがにそろそろ走ろうかな。
さすがに…。

愛用品は廃盤品2ー板橋Cityマラソン2019余録

2019板橋Cityマラソンの装備等の記録です。

帽子:ノースフェイス・スワローテイル
サングラス:スワンズ富士山マラソン参加賞
シャツ:ノースフェイス・クルーネック半袖
アンダーシャツ:オンヨネ・ブレステックPPノースリーブ
アームスリーブ:スキンズ
ズボン:ノースフェイス・腹巻き風パンツ
腹巻き:モンベル・ジオライン薄手
タイツ:ゼロフィット
カーフスリーブ:CEP・レース
靴下:インジンジ
靴:アシックス・ヌーサFF

今回履いたヌーサFFは2シーズン前のモデルで、最新盤はFF2となっていますが、どうやらこのヌーサというシリーズが廃盤になってしまったようです。
私はこのヌーサが好きで、フルマラソンや長距離のランニングの際は、第一選択というか、唯一の選択肢です※。

http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2018/03/27/000007
板橋City2019では二足目(写真下)を履きましたが、2018で履いた一足目(写真上)もまだ現役です。
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一足目は来月のチャレンジ富士五湖でお役ごめんとなるかもしれませんが、まだしばらくは付き合ってもらいたいと思っています。
クッションと反発性のバランスが私好みで、フルでもウルトラでも、高速レースでなければ常にこの一択でいきたいと思っていました。

ところが、このヌーサFFは既に現行盤ではないので、ダメになったときには最新盤を買えばよいと思っていたところ、アシックスのラインアップからヌーサというシリーズがなくなってしまったのです。
最新のFF2ですら、公式オンラインショップからも消えています。
私は自分の愛用品が廃盤になる経験が多く、その原因が自分にあることもよくわかっているのですが※※、これにはやはり参りました。
※※
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2018/12/04/224553
現行の体制であと1年は持つとは思いますが、そのあと後継者を探す作業に入るのが、楽しみではありますが、ずいぶん億劫でもあります。
ヌーサの復活を祈ります。
祈りがどこかに通じて、廃盤品の神様が降臨してくれればよいのですが。
捨てる神あればなんとやらとはなりませんかね…。

南風に吹かれながらー板橋Cityマラソン2019レポート3

2019板橋Cityマラソンのレポート第3段です。
人ごみに流されながら25kmを過ぎたところで、例年にはない味方に気がつきました。
板橋Cityの名物は後半の向かい風で、それは関東の冬に吹く北寄りの風でした。
ところがこの日のレース中は、終始南寄りの風が吹いていました。
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東京地方のアメダスでも、スタートの9時から私がフィニッシュした13時までずっと南風が吹いていることがわかります。
今回はこの風に助けられました。

人ごみに苦しんでいた私ですが、25km過ぎからだいぶ走りやすくなってきました。
まだ人は多いのですが、ペースが似たようなランナーが増えてきて、スピードの維持が楽になってきました。
それから南風です。
この南風、前半は向かい風として吹いていたのですが、折り返したあとも風向きが変わらず、内心しめたと思っていました。
このまま風向きが変わらずにいてくれれば、向かい風と闘わなくてよいわけで、後半がかなり楽になります。
何が一番楽かといえば精神的になのですが、私にとっては苦しいレースになりがちな板橋Cityマラソンにおいて、大きな味方に思えました。
この一年前、2018板橋Cityマラソンでは天気予報では吹くはずだった南風が吹かず※、失速と撃沈に繋がりました。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2018/03/23/122531
今年、南風に吹かれながら走れたのは大きな幸運でした。
シュールな夢のひとつもみたくなりますが、とりあえずはゴールまで走り続けるだけです。

追い風に乗れた25kmから35kmまでの10kmは、30kmの壁も来ずに走ることができました。
この区間は10kmごとの休憩に加えて、エイドステーションごとに10秒程度のストップを入れることことにしました。
調子はいいものの集中力が途切れがちになってきたため、気分転換の目的がありました。
一本調子が苦手な私は、本来フルフラットな板橋Cityマラソンが得意ではありません。
それでも、一本調子にならない工夫ができればなんとかなるのではないかと思い、積極的に止まることにしました。
こうしたストップで精神的に刺激が入り、また新たな気持ちで走り出すことができるような気がします。
今回の試みは結果としては上手く行ったと言えると思います。

35kmからのラップは若干落ちてしまいましたが、これはやはり壁があったとしか言えないような気がします。
この辺りになると、自分のペースよりも目の前のランナーを全員抜いていこう、という気持ちで走りましたが、まあ無理ですね。
調子がよかっただけに調子に乗ってしまったというか、未熟なものです。
私がいつまでも抱える課題なのだと思います。

グロスでのサブフォーを本格的に意識し始めたのは残り2kmほどからでしょうか。
もうこの先失速したとしても、ネットでのサブフォーは確実でした。
まあ、グロスサブフォーはどちらでもいいかなと思いながらも、今走らなきゃいつ走るんだという思いにも駆られ、疾走を続けるしかありませんでした。
つくづく、フルマラソンは気持ちのスポーツだなと思います。
それとも、そもそもスポーツは気持ちなのか。
その答えはわからないものの、会社の同僚が応援してくれているのを見たら、もう走るしかありません。
残り200mでも気を抜けませんでした。
フィニッシュラインを通りすぎたときに見えた時計がまだ3時間台だったところで、ようやく報われた気持ちになりました。
グロスで3時間59分57秒、ネットで3時間50分27秒。
南風に吹かれながら、シュールな夢は見ることができませんでしたが、ゴールを迎えることができたのがこの日一番の幸いでした。
走ってゆけどこまでも、と言われても、さすがにそれもできませんから。