竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

南風に吹かれながらー板橋Cityマラソン2019レポート3

2019板橋Cityマラソンのレポート第3段です。
人ごみに流されながら25kmを過ぎたところで、例年にはない味方に気がつきました。
板橋Cityの名物は後半の向かい風で、それは関東の冬に吹く北寄りの風でした。
ところがこの日のレース中は、終始南寄りの風が吹いていました。
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東京地方のアメダスでも、スタートの9時から私がフィニッシュした13時までずっと南風が吹いていることがわかります。
今回はこの風に助けられました。

人ごみに苦しんでいた私ですが、25km過ぎからだいぶ走りやすくなってきました。
まだ人は多いのですが、ペースが似たようなランナーが増えてきて、スピードの維持が楽になってきました。
それから南風です。
この南風、前半は向かい風として吹いていたのですが、折り返したあとも風向きが変わらず、内心しめたと思っていました。
このまま風向きが変わらずにいてくれれば、向かい風と闘わなくてよいわけで、後半がかなり楽になります。
何が一番楽かといえば精神的になのですが、私にとっては苦しいレースになりがちな板橋Cityマラソンにおいて、大きな味方に思えました。
この一年前、2018板橋Cityマラソンでは天気予報では吹くはずだった南風が吹かず※、失速と撃沈に繋がりました。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2018/03/23/122531
今年、南風に吹かれながら走れたのは大きな幸運でした。
シュールな夢のひとつもみたくなりますが、とりあえずはゴールまで走り続けるだけです。

追い風に乗れた25kmから35kmまでの10kmは、30kmの壁も来ずに走ることができました。
この区間は10kmごとの休憩に加えて、エイドステーションごとに10秒程度のストップを入れることことにしました。
調子はいいものの集中力が途切れがちになってきたため、気分転換の目的がありました。
一本調子が苦手な私は、本来フルフラットな板橋Cityマラソンが得意ではありません。
それでも、一本調子にならない工夫ができればなんとかなるのではないかと思い、積極的に止まることにしました。
こうしたストップで精神的に刺激が入り、また新たな気持ちで走り出すことができるような気がします。
今回の試みは結果としては上手く行ったと言えると思います。

35kmからのラップは若干落ちてしまいましたが、これはやはり壁があったとしか言えないような気がします。
この辺りになると、自分のペースよりも目の前のランナーを全員抜いていこう、という気持ちで走りましたが、まあ無理ですね。
調子がよかっただけに調子に乗ってしまったというか、未熟なものです。
私がいつまでも抱える課題なのだと思います。

グロスでのサブフォーを本格的に意識し始めたのは残り2kmほどからでしょうか。
もうこの先失速したとしても、ネットでのサブフォーは確実でした。
まあ、グロスサブフォーはどちらでもいいかなと思いながらも、今走らなきゃいつ走るんだという思いにも駆られ、疾走を続けるしかありませんでした。
つくづく、フルマラソンは気持ちのスポーツだなと思います。
それとも、そもそもスポーツは気持ちなのか。
その答えはわからないものの、会社の同僚が応援してくれているのを見たら、もう走るしかありません。
残り200mでも気を抜けませんでした。
フィニッシュラインを通りすぎたときに見えた時計がまだ3時間台だったところで、ようやく報われた気持ちになりました。
グロスで3時間59分57秒、ネットで3時間50分27秒。
南風に吹かれながら、シュールな夢は見ることができませんでしたが、ゴールを迎えることができたのがこの日一番の幸いでした。
走ってゆけどこまでも、と言われても、さすがにそれもできませんから。