竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

大勢に従うー伊豆トレイルジャーニー2019レポート2

伊豆トレイルジャーニー2019の参加レポート第2段です。
ほぼ最後尾からスタートしたレースですが、最序盤のロードからそれなりに登るので、すぐに前に出ることができませんでした。

そのロードは3kmほどで終わってダブルトラックのトレイルに入りますが、断続的に渋滞が発生していました。
私はGPS時計を持っていないので感覚でしかありませんが、この渋滞で2km近くはゆっくり歩くしかなかったように思います。
渋滞のうちに夜が完全に明けました。
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本日は晴天なり。
渋滞はそのうち自然に解消しました。
少しの間走れるトレイルを下りきると、7km地点付近でA1白川方面のロードに入ります。
本来のコースならば、ウォーターステーションが設置される宝蔵院方面に向かうのですが、Faxbisではロードをたどって白川の集落まで下ります。
この下りでは、今いる最後尾近くから少しでも前に出たかったこともあり、無理のない程度にスピードを上げました。
しかし、途中でキロ4分とオーバーペースになっていることがわかり、少し緩めました。
下りとはいえ飛ばしすぎ、先は長いので自分を落ち着かせます。

13.5kmほどのA1白川には、YAMAPの活動データによると、2時間2分で到着しました。
先着していたBさんと、途中で救護を受けていた選手について情報交換をしました。
その選手のその後を知るすべがありませんが、無事であることを祈っています*。
*20191217追記:残念ながらお亡くなりになられたことを、その後の報道等で知りました。御冥福をお祈りいたします。

このエイドでは桜葉餅をいくつかいただいて、フラスコにメダリストを満タンにして、5分ほどの滞在で出発しました。
この先、40.2km地点のA2仁科峠まで水場がありません。
ただ、走りやすいコースなのであまり水分は必要ないかもしれないと予測していました。
そのため、水とメダリスト合わせて1リットルをメインに、予備で200mLと少なめの水分量で走りました。
結果的にちょうど良い分量でした。

A1白川からC1万野の森までは、ほとんどがロードの登りです。
走れるところで走っておこうと思っていたため、20kmを越えるまでは珍しく気合いで走りきりました。
沿道の応援も力になりました。
白川集落の、トレイルランナーなんか恐らく人生で初めて見たであろう方々に拍手を送ってもらえたのは、純粋に嬉しかったです。
コースがFaxbisでなければこの出会いもなかったのだと思うと、人間万事塞翁が馬なんだなとしみじみ思います。
20kmを越えたくらいから傾斜がきつくなり始めたため、歩きが混じるようになりました。
21kmからは1kmごとに歩きと走りを入れ替えます。
C1は22.9km地点で、A1からは9.4kmありますが、到着は3時間13分でした。
この区間1時間6分です。
悪くないペースですが、この頃になるとトラブルの芽が出始めていました。

その芽は、まず右足、内くるぶしの辺りに強めの痛みがあります。
オーバープロネーション気味の私は、長めの距離を走るとその辺りにいつも痛みが出ます。
今回はロードの下りを飛ばしたことで、早めに発症したものと思われます。
次は左足、人差し指の靴擦れとアキレス腱の痛みです。
靴擦れはある程度予想していたことでしたが、やはり出てくるのが早く感じました。
アキレス腱の痛みは、登りで走り続けた代償でしょう。
走れて気持ちよかったので調子に乗りすぎたのかもしれません。
とにかく、トラブルの芽には気がつくことができたので、作戦の立て直しが必要です。

C1から少し先に行った皆伐地帯から、舗装と未舗装を繰り返す林道に入ります。
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振り向けばきれいな稜線も見えます。
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この林道はアップダウンが緩やかで、走ろうと思えば全てを走り通すことはできたのだろうと思いますが、両足が痛み始めていては無理があります。
とりあえずの作戦として、ここからは自分でペースを作ることをやめて、人任せにすることにしました。
周りのランナーが歩いていたら歩くようにして、走り出したら追い越さないように走ってついて行くことにしました。
逆らわずに、大勢に従います。
幸いこの日は周囲にランナーが多く、ボッチ運行となることは終始ありませんでした。
皆様、どこの誰かは存じませぬが、背中を追いかけさせてくださいな。
大勢に従う大作戦の決行条件としては上々です。

さて、前日のブリーフィングでは、A1白川から先は27kmにわたって水場がないと聞いていましたが、それに反してこの林道には小さな滝がいくつかありました。
さすが滝見林道の名前に恥じないなとは思いましたが、前日の雨の影響かもしれないので、いつもあるのかどうかはわかりません。
でも、本当に困った時には利用しない手はないのではないかと思いました。
林道終盤の滝にはうっすらと虹が。
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この辺りからC2滝見林道出口へは下り坂一辺倒となります。
ここも大勢に従い、この長めの下り坂をそれなりに駆け抜けました。
C2は5時間4分で通過、C1からの12.5kmは1時間50分かかりました。
ペースは落ちたものの、ある程度順調に進んで来ることができています。

C2から40.2km地点にあるA2仁科峠へは4.8km、登りのロードと下りのトレイルでした。
ロードははじめのうちは走ってもみましたが、足の痛みもあるため、再び大勢に従うことにしました。
このロードは大体の選手が歩いていたため、大手を振って歩きました。
左手には駿河湾がきれいに見えていました。
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晴れていて良かった、しかも、心配していた強風も吹いておらず、本当に良い日だったなとしみじみ思います。
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立派な看板に感心しつつ、ロードを登りきった先に。
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どーんと富士山。
思わず、小さく叫んでしまいました。
この少し先から1kmほど登山道のトレイルを下ると、A2仁科峠です。
C2から51分、トータルで5時間55分で到着しました。
ここまでは、それなりに順調でした。
ただ、トラブルの芽も順調に育っていて…。