竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

プッシュースカイライントレイル菅平2019レポート2

スカイライントレイル菅平2019のスカイハーフの部レースレポート第2段です。
8km地点にあるA3菅平牧場を出発して、小根子岳への登りに向かいます。
A3で折り返してしばらくは、後続のランナーとの対面通行となります。
こういうところで選手同士声を掛け合う習慣というか文化というか、とても良いものだと私はいつも思っています。
一緒に出場した友人Bさんともすれ違いざまにハイタッチ、こういうのは本当に楽しいです。

根子岳の山頂へは、A3からだと4km強はあるでしょうか。
牧場から登山道の分岐に戻ると、そこからは私のレベルではほぼ走れないような傾斜の登りになります。
私の今回のテーマは登りを走ることでしたが、さすがにそろそろ無理です。
避難小屋を過ぎるまではなんとか走る努力をしましたが、熊鈴の音で自分を鼓舞するのにも限界が来てしまいました。
とりあえずパワーウォークに切り替えますが、すぐにパワーダウンしてただのウォークになる始末。
どうにかしないといけません。
骨折のトラウマが多少残っている私にとっては、この先に待ち受ける下りでスピードを出すことができません。
代わりに山頂までの登りでスピードアップをしなくてはならず、そのためにはただ歩いているわけにはいかないのです。
どうしたもんだろ。
そこでまた小川壮太さんのランニングメソッドの登場です。
シンプルに、重心の真下に足を下ろすことを意識して、なるべく前のめりにならないように身体をコントロールしました。
お尻周りとハムストリングといった、身体の後ろ側についている筋肉を意識して動かすようにしました。
身体の後から押し上げるイメージと言えばいいでしょうか。
脚を大きく前に下ろせば、大腿四頭筋のような身体の前側の筋肉で、身体を前から引き上げるようなイメージになります。
これまでの私は大腿四頭筋をガンガン使って引っ張り上げることが大の得意でしたが、この日は真下から押される身体というものを意識しました。
唱える呪文は「プッシュ、プッシュ」。
ここで小錦を想像した方は、往年の相撲好きなのでしょう。
そういう私の保育園時代のアイドルは小錦でした。
本気でお相撲さんになりたかったな。
それはおいといて、押し上げる方が楽に身体を運べる感覚があったのですが、スピードがついているかどうかはわかりませんでした。
それでも小根子岳への登りで5,6人パスしたような記憶がありますので、ある程度はスピードに乗れていたのかもしれません。
今後の検証が必要だと思われます。
次回以降も、走れないような登りはこの押し上げる感覚で登りたいと思いますが、引き上げる感覚との比較もいつかしてみたいなと思います。

それにしてもこの小根子岳への登りというのは、何度登っても辛いものです。
今回は2016と2017のスカイマラソンを含めて3回目でしたが、まあ、飽きること飽きること。
基本直登なので、つづら折りのように進む角度が変わることがないので、それにつれて見えるものが変わるということがありません。
また、草原を進む道のりのため、森の中のように色とりどりの木々を眺めて楽しむこともできません。
また、今年はぱらついた程度でしたが、ひとたび雨が降れば雨ざらしになることは必定です。
雷も怖いはずです。
また、過去2回は晴れのレースで!太陽に背中をこんがり焼かれて、暑い熱い思いをさせられました。
菅平のこのレースは総じて好きというか、大好きなのですが、この登りではいつも辛い思いをしています。
修行の趣をここには感じます。

そんな感じで、身体を押し上げることを意識しながら、単調な登りに飽きながら、それでも止まらずには進みながら、やっとのことで小根子岳の山頂に到着しました。
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10時55分、スタートからは2時間弱、A3からも1時間を切っての到着でした。
出来は上々です。
怖いくらいに。
そして、ごほうびの絶景が目の前に。
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