竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

落とすースカイライントレイル菅平2019レポート3

スカイライントレイル菅平2019のスカイハーフの部のレースレポートの第3段です。
現在地は小根子岳の山頂、スタートから1時間55分ほどでしたでしょうか。
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晴れていなくても、開放感のある風景に心が洗われます。
山頂からジェルを1本補給しながら下り始めると、松本大さんが応援に来ているのを発見しました。
声をかけて手を振って再度下り始めます。

根子岳山頂からの下りは、まずは小根子岳北肩へ向けて笹原を走ります。
この笹原のトレイルでこの日唯一の転倒を決めました。
太陽が出てきたので走りながらサングラスをかけたとたん、笹に足をとられました。
下りを走りながら何か別のことをしてはいけない、とはわかっていながらの凡ミスです。
幸い笹原なので大事には至りませんでした。
それでも、また骨折してしまうようなことは絶対に避けなければなりません。
以後、フィニッシュまでは集中力を切らさないための努力を続けました。
集中力を切らさないためには、私の場合、自分の身体を意識し続けることが手っ取り早いのですが、この日の下りでは、足を「落とす」ことを意識してみました。
チャレンジ富士五湖や成木の森トレイルから、身体の真下に着地するというテーマを持って走っています。
その「下ろす」動作を、力を抜いた「落とす」ような感覚で走りたいというのが、この日の下りのテーマでした。
根子岳からの下りは約6km続くとのこと。
傾斜もそれなりに急なので、筋力を使ってしまうエリアとなっています。
その筋力をなるべく使わずに下りたかったのです。
温存した筋力は、レース最終盤のスキー場の登り下りに取っておこうと思いました。
適宜脱力しながらゆっくり目に走りました。
ゆっくり目に走っているので、山頂から避難小屋の合流点までの間に5人くらいに抜かれました。
以前は下りで抜かれることは少なかったのですが、これもトレランのスタイルが変わったことの影響で、仕方のないことだと割りきることにしました。
足を落とせばスピードも落として、順位も落とします。
登りの選手と合流して対面通行になってからは特に、マイペースで下ります。

そのうちに、スカイライントレイル菅平の最大の難所に到着しました。
牧場脇のガレ場です。
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このガレ場、ガレ場祭と言っても過言ではないくらいガレています。
しかもしつこく長く続きます。
適度な緩斜面で、走りやすい傾斜であるのがよけいたちが悪く、なまじスピードに乗ってしまうから危険なのです。
2017年のスカイマラソンではここで転倒し、膝の長引いた故障に繋がるケガを負いました。
過去のトラウマを引き合いに出して自分を律するしかない私ですが、このガレ場祭を全て歩きで通過しました。
また5人くらいに抜かれてさらに順位を落としましたが、こけるよりは全然ましです。
ここでこけるわけにはいかないのです。

どれくらいの時間をかけてガレ場祭を通過したかは記録も記憶もないのですが、ようやく足場の良い道にたどり着きました。
グラウンド脇の林道とゲレンデの下りでは、ガレ場祭のストレスを発散させるべく飛ばして走りました。
こけるわけにはいかないのはこれまでと同じですが、こけても大事にはならない場所ならスピードに乗りたいものです。
セルフコントロールを効かせられる範囲ではありますが、久しぶりに疾走感を味わうことができました。
特に最後のA2手前のゲレンデの下りは、目の前が開けていて開放感と解放感がたまらなく、本当に気持ちがよかったです。
骨折してから色々と諦めることもありましたが、この疾走感をまた感じることができたことは、素直に嬉しいです。

最後のA2からフィニッシュまでは3km弱、太郎山のスキー場の登り下りを残すばかりです。
正確な記録がないのですが、記憶ではスタートから2時間50分くらいでこのA2に到着しました。
根子岳からは1時間ほどです。
もうフィニッシュは目の前なのですが、レースも終わりだと思うと少し寂しくなってきました。
ここではみすゞ飴、ミニトマト、ブドウをモグモグ、ごちそうさまでした。
名残惜しいので、少しゆっくり過ごしました。
A2リスタート直後、レース最後の登りは全部走ってやるという意気込みだったのですが、さすがに残り300mほどで力が尽きました。
足を落とす感覚で筋力を温存する試みでしたが、すぐには結果に繋がりませんでした。
次回以降も引き続き試行錯誤したいと思います。
ラストの下りは、若草のカーペットを走るような爽快感です。
ここも気持ちいいですよ。
足を落とす感覚がはまって来た感じもします。
本当に気持ちよかったなと思います。

この後、道路を渡ってからリゾートセンターのフィニッシュまでの間に若干もたつきました。
最後のパフォーマンスの仕込みがうまくいかなかったのですが、それでも無事に3時間14分28秒でスカイハーフを完走しました。
終わっちゃったんだなという寂しさと同時に、充実感も込み上げてきます。
でも、フィニッシュゲートはスタートゲート。
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次はどこの山に行こう。