竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感です。藤沢周平が好きです。

I will follow you ! ーUTMF2016レポート3

UTMF2016振り返り、第3段です。

やはり、段の方が、続き物語的に書いていく気になれるので、これで推していきたいと思います。
本当は弾だとは思いますが、云々をでんでんと読んでも批判されない時代ですし、お目こぼしいただければ幸いです。
 
レースは足和田山のトレイルを登りきり、W1鳴沢に向けて下ってゆきます。
この日初めての下りトレイルをかっ飛ばし、気持ちが乗ってきます。
鳴沢には想定していたタイムより10分ほど早く到着しました。
17:10頃に到着して5分ほどで出発できたと思います。
水の補給を済ませて出発すると、友人が応援に廻ってきてくれていました。
サポーターを買って出てくれた友人ですが、短縮レースになってサポート行為が出来なくなりました。
それでも、観戦できるところに先回りして応援してくれています。
本当に嬉しかったです。
このとき撮ってもらった動画を見ていると、けっこう足取り軽く、淡々と走れていました。
 
W1からA1の間は、ロードと青木ヶ原樹海の一部を走ります。
アップダウンがほぼなくて基本的に下りなので、快適に走ることができました。
ただ、走らされた感もあります。
周囲もいい調子で走っているので、ペースをゆるめることができません。
でも、レースが短くなった関係で、行けるうちに行ってしまってもいい状況になっていたため、速さはゆるめずに先を急ぎます。
A1精進湖の手前で短いトレイルに入った際、ライトを点灯しました。
17:50頃だったと思います。
秋分の日を過ぎてますが、平野部を走っているうちはこの時間まで問題なく過ごせました。
17:59にA1精進湖に入り、18:07に出発しました。
エイドをこよなく愛するトレイルランナーである私ですが、この日は滞在時間を短くすることをテーマにしました。
食べるものは食べて飲むものは飲んでるのですが、腰を下ろしたりザックを下ろしたりすることなく出発します。
普段は長逗留が当たり前なのですが、この日はフィニッシュで友人が待っていることもあり、一刻も早いエイドアウトを心がけました。
とはいえ8分かかってますが…。
夜に向けた準備は既にしてあったので、ちょっと時間かけすぎだなとは思います。
水の補給となにか食べるくらいだったと思いますが、何に時間かかってるんだろう?
 不思議です。

A1を出てフラットな樹海トレイルを少し行くと、本栖湖周辺トレイルに入ります。
まだ烏帽子岳、パノラマ台への登りに入る前から、真っ暗になりました。
その真っ暗な中をランナーがゾロゾロザクザク、早めのペースで切れ目なく走っていきます。
ハセツネでもこういうシーンは頻繁にありますが、UTMFの場合は国際色の豊かさに驚きます。
前後を海外からの参加者に挟まれることなど当たり前でした。
特別なレースだなとつくづく思います。
私は距離が長くなればなるほど成績が悪くなる、順位が後ろのほうになるトレイルランナーですが、この日は距離が49kmまで縮まっています。
長く走らないのであれば当然ペースは速くなりますが、普段の中距離レースよりも幾分か速い位置につけていたようです。
少し速いかなと思いつつも、サポーターを待たせている、というのもモチベーションになり、それなりに一生懸命、周りについていきました。
本栖湖沿いのトレイルはしばらくは山沿いの平坦な道ですが、烏帽子岳への登り口からアップダウンのある山道に入ります。
この烏帽子岳の登り口付近で、サックスでロッキーのテーマを演奏している方々がいらっしゃいました。
はじめは猪木ボンバイエなのかなと思っていましたが、聞いているうちに、ロッキーだ、階段駆け上がるやつだ!とテンションが高まってきました。
この辺りから渋滞が始まっていてなかなか進めなくなっていたのですが、演奏に心弾ませてもらいました。 
もしリクエストがかなうなら、スタンドバイミーもラインアップに入れてくれれば嬉しいです。
というのも、本栖湖周りのトレイルに入ってからすっかり夜になっていたため、スタンドバイミーの歌い出しWhen the night…を思い出してたら、頭から離れなくなってしまっていました。
夜、山でランナーに取り囲まれている状況も歌詞の感じと合うので、頭のなかで無限ループ再生していました。
ダーリンじゃないけど、そばにいてくれる?人は、渋滞中なので周りにいっぱいいます。
今日のテーマソングはこれかな、と思いつつ、鼻唄混じりにゆっくり登り続けます。
渋滞しつつも烏帽子岳まで登り、軽く荷物を下ろして食糧の詰め替えをしたところ、残りのジェルが乏しいことに気がつきました。
スタートから25km弱、フィニッシュまでは、このときの認識では24kmです。
登りでゼリーなどを消費してしまっていたので、固形物もありません。
次のA2本栖湖までは5km、絶食でもなんとかなるだろ、と腹をくくったのですが、これが高をくくった考えだったことを後で思い知らされました。
烏帽子岳からパノラマ台に登ると、そこからは下り基調になります。
 試走のときには雲の向こうに富士山がきれいに見えていました。

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レース中は夜なのでもちろん見えませんが、そのときの景色を思い出して先に進みます。

パノラマ台までは試走で来ていたのですが、その先は初めてです。

折しも雨が強くなってきました。

コース上は相変わらず、ランナーがベルトコンベア状態につながって走っています。

私の前には香港からのランナーがいましたが、さっと雨具を出して羽織り、雨対策をしていました。

この方の準備の動きや足の運びがとてもスマートでした。

どうせベルトコンベアです。

勉強になるからこの人にくっついていこう、そう決めてぴたっと背中をマークしました。

前の方は登りでは若干ペースが落ちるものの、フラットや下りでは堅実に前との差をキープする走りをしていました。

安定したペース配分で進むことができて、とても楽をさせてもらいました。

そのときに頭のなかに流れてきたのが、赤いスイートピーでした。

スタンドバイミーはずっと流れ続けていたのですが、ふと、I will follow you あなたについていきたい… というくだりが頭に浮かび、そのまま彼の後を追っていきました。

この日のテーマソングはスタンドバイミーから、赤いスイートピーに変更です。

ただ、木々に覆われた山道でしたが、折からの雨が木々をすり抜けて、どんどん濡れてゆき、トレイルのコンディションがみるみるうちに悪化してゆきます。

泥んこトレイルの始まりです。

ベルトコンベアはベルトコンベアのままなのですが、足場の悪さにペースを落とすランナーが続出しました。

私の前の香港の方は、変わらずフラットと下りではペースを維持していましたが、泥んこグチャグチャな急斜面の登りで、私の方を振り返り、先に行くよう促しました。

名残惜しかったのですが、別れのときがきました。 

サンキューと言いながら前に出て、自分のペースで進みはじめました。

勝手に入門して勝手に卒業しましたが、彼の後ろ姿から学んだことは忘れ得ないと思います。

I will follow you !