竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

癒しの歩き、癒しのジョグースカイライントレイル菅平2020レポート2

スカイライントレイル菅平2020の参加レポート第2段です。
スタート後およそ2時間で、約13km地点の第2エイドを出発しました。
まずは想定通り、少し飛ばしたペースで入りましたが、ここからのんびりし始めてしまいました。

出発直後のシュナイダー記念塔を目指した登りは、前回スカイマラソンに参加した2017年は極力走っていたと思いますが、なんだか気持ちが乗らずに歩き通してしまいます。
でも、こうした時は気持ちに余裕があるものと割り切って進むしかありません。
登りの途中から望む四阿山根子岳
f:id:CHIKUSENDO:20201019184205j:plain
太陽も出てきて錦秋の趣。
天気は上々、気分も上々。
なれど、脚が出てこない。
おなじみのシュナイダー記念塔にご挨拶をして、
f:id:CHIKUSENDO:20201019184342j:plain
スキー場から菅平牧場を目指します。

これまでの大会ではここで1回、菅平牧場の第3エイドに寄ってから、牧場を下ってスカイライントレイルを走るコース設定となっていました。
その第3エイドには、四阿山方面から下山してきたときにもう一度立ち寄るようになっていました。
今回は、外のゲートから直接牧場内のスカイライントレイルに入るように変更されていて、その分距離が短くなっていました。
エイドへの立ち寄りは、四阿山方面から下山してきてからのみとなります。
人と人との接触機会を減らすという新型コロナウイルス対策の一環でしょう。
これによってエイドの間隔が16km程と長くなったので、補給食などの対策が必要でした。

スキー場から林道のようなトレイルに入った後、いったんロードに出て登りながら牧場のゲートに向かいます。
このロードの登りもなんだか走る気持ちが起きずに、歩きが多くなってしまいました。
ゲートから牧場内のトレイルに入って、ようやくやる気が戻ってきました。
牧場のトレイルは、はじめはフラットで、森の中に入っても緩やかなアップダウンを繰り返します。
f:id:CHIKUSENDO:20201019184628j:plain
基本は森の中ですが、渡渉もあるなど楽しい区間です。
前回までは大体ここでだれて走れなくなっていたのですが、この日は気を抜かずに走りました。

牧場のトレイルを進んでいき、四阿山への登山道にぶつかったところで左に曲がります。
スタートから21kmほど、3時間と10分くらい経っていたでしょうか。
ここから四阿山の中腹に向けた長い登りが始まります。
登り始めてからすぐ、もう既に脚に余力がないことに気がつきました。
まだ全体の半分しか進んでないのに、しかもずっと追い込んでたわけでもないのに、もう脚が売り切れたのでしょうか。
いつもなら走れるような傾斜も、歩きがちになります。
それでも、菅平牧場の牛の群れに癒されながら脚を前に進めます。
f:id:CHIKUSENDO:20201019184748j:plain
草原に寝そべるの、気持ちいいんだろうな。
歩みは牛のごとく、ペースが上げられません。
それでも、登り始めてから45分弱、スタートから4時間弱で、ようやく四阿山頂に向かう道と分かれる地点にたどり着きました。
分岐を左に曲がり、トラバースを少し登ってから、菅平牧場の第3エイドに向けての下りが始まります。
がまんの時間も終わりかなと、この時は思えていたのですが…。

四阿山の山腹は、この辺りは標高1800〜1900mくらいですが、すっかり紅葉していました。
f:id:CHIKUSENDO:20201019185033j:plain
黄、赤、緑と、秋の山の色にあふれています。
紅葉に誘われたのか、登山者にもけっこう会いました。
6月開催時にはほとんど登山者に会うことはなかったので、新鮮な体験でした。
この下りでペースを取り戻したかったのですが、身体が思うように動きません。
体調が悪いわけでもなく、むしろ良いくらいなのに、なんだか反応が鈍く、持続力もないのです。
どうしたもんだろと思いながら、とぼとぼ身体を前に進めます。
そんなときに頭に浮かんだのが「癒しの歩き」「癒しのジョグ」という言葉でした。
思うように走れなくていつの間にか歩いてしまうとき、しかたなく歩いているのではなく、積極的に「癒しの歩き」をしているのだ。
思うようなスピードで走れずいつの間にか減速してしまうとき、それは積極的に「癒しのジョグ」に切り替えたのだ。
と、自分を正当化する概念をひねり出していたのです。
癒し自体は必要なものですが、走れない現実はちゃんと受け止めろよとは思います
それでも、一度概念を思い付いてしまったからには、乱用が始まってしまいました。
2分走ったら1分は癒しの歩き、5分走ったら5分は癒しのジョグ、みたいに、随所に癒しを織り混ぜながらでないと進むことができなくなっていました。
ひどいものです。
乱用はダメ、絶対。

そんな四阿山からの下山の道のりでしたが、山道自体は笹の中のシングルトラックから始まり、下山するにしたがって広くなっていきます。
斜面のトラバースで少し狭くて通過に注意が必要な場所もありますが、総じて走りやすいセクションです。
だいぶ下ってからの川(大明神沢)で、オールスポーツのフォトグラファーに出会い、元気を取り戻しました。
このコロナ禍で大会がことごとくなくなってしまい、フォトグラファーの皆さんもオールスポーツコミュニティの運営自体も、大変な状況に陥ったのではないかと思います。
でもまたこうして再会が出来て、心の底から嬉しかったのだと思います。
疲れて無表情な顔してましたが、せっかく撮ってもらった写真、ちゃんと購入しますよ。
これからもよろしくお願いいたします。
そんなこんなで、癒しが過剰な下り道を終えて、第3エイドに到着しました。
f:id:CHIKUSENDO:20201019185235j:plain
スタートから29kmほど、その道のりに4時間40分かかりました。
なんだかんだ言って、想定タイムでは来ていました。
あんなに身体が動いてなかったのに。
不思議。

初めての眺めースカイライントレイル菅平2020レポート1

10月11日に開催されたスカイライントレイル菅平2020のレポート第1段です。
昨年はスカイハーフ23kmに参加しましたが、今年はスカイマラソン43kmに出走しました。
菅平のスカイマラソンには過去2回、2016年と2017年に参加して完走しています。
昨年も含めるとこれまで3回、6月開催のレースに出ていましたが、10月のレースは今年が初めてでした。
20年ほど前、ラグビーの合宿で来ていた頃は8月終わりから9月初めの1週間だったので、10月の菅平自体が初めてです。
山は色づいているのかな、台風の影響はどれくらいなんだろうなと、楽しみでもあり不安でもありました。

前泊した菅平ホテルは会場の目の前です。
朝5:00過ぎに起きてすぐ会場に向かって受付を済ませ、ホテルに戻ってゆっくり支度することができました。
朝食のそぼろご飯弁当の量が多いなと感じたのですが、レースが終わった後から考えると、あのぐらいの量を食べておいてよかったなと思います。
今回初めて宿泊しましたが、菅平ホテルの食事は量が多くて、しかも美味しかったです。
トレラン界の食いしん坊の皆さま、菅平ホテル、おすすめです。

支度を済ませてから、スタート10分前からの開会式に間に合うように宿を出ました。
天気は曇りで、予報では午後から晴れるとのことでした。
f:id:CHIKUSENDO:20201014122233j:plain
赤備えがバキバキにキマッている選手とともに、Fieldsの野々山代表の話に耳を傾けます。
私にとっては2月のおんじゅくオーシャントレイル以来のトレランのレースで、それもFieldsの大会です。
いつもお世話になっているとともに、このCOVID-19の蔓延する世の中で開催にこぎつけた努力に頭が下がります。
菅平の実行委員会にも感謝の念を覚えます。
また次もよろしくお願いいたします。

開会式の後、お互いのブログの読者である先輩ランナーさんと、初めてお話しすることができました。
この方には昨年参加したチャレンジ富士五湖100kmのレース中に応援していただき、いつか直接お礼をしたいと思っていましたが、この日その願いがかないました。
なんと先輩ランナーさんは1週間前に100kmのロードのウルトラマラソンを完走したばかりなのに、中6日で43kmのトレイルレースへの出場です。
ブログで公開される普段の練習にも敬意を覚えていましたが、そのタフさに感服します。
今後ともよろしくお願いいたします。

スタートはウェーブスタートで、先輩ランナーさんと私は同じ第2ウェーブで、ちょっとおしゃべりしながらお互いの位置に着きました。
久しぶりのスタートゲートは、Fieldsおなじみのイエローゲート。
f:id:CHIKUSENDO:20201014122314j:plain
気分は上々です。
スタートエリアは、三角コーンを使ってディスタンスを取ることができるように設計されていました。
f:id:CHIKUSENDO:20201014122357j:plain
スタートは同じウェーブの中でもさらに人数を絞った小ウェーブごとのスタートでした。
10~15秒ごとに10人ずつスタートするといった感じだったと思います。
その小ウェーブの整列が済んだら、ゼッケンのQRコードをスタッフに読み取ってもらってからスタートします。
こんなスタートは初めてでした。
結構大変な手間がかかると思いますが、こうした対策のもとにレースが開催できるんですね。
他にはどんなやり方があるのか、今後また大会に出るときに、見て学びたいと思います。

7:10からスタートが始まるブロックにいた私ですが、前のブロックの進行が早かったのか、同じブロックの後方にいた私のスタートがちょうど7:10でした。
最初の登りの頂上から根子岳四阿山を望みます。
f:id:CHIKUSENDO:20201014123822j:plain
草が色づいています。
もう一度ゲレンデを登りきると、菅平スカイライントレイルと名付けられた程よいアップダウンの山道を走ります。
スカイライントレイルも紅葉しています。
f:id:CHIKUSENDO:20201014124159j:plain
いつもの6月開催時とは違った、秋の色に包まれて走ります。

この日は台風の雨上がり直後で路面状況が心配でしたが、グチャグチャ泥々ということはなく、少し湿っている程度でした。
このエリアは樹林帯で、しかも落ち葉が道をおおっている場所が多く、雨水が土に直接当たることが少なかったのでしょう。
濡れ落ち葉で滑ることさえ注意していれば、走りやすい路面コンディションでした。

レースとしては序盤をハイペースで入る計画でいたため、8.5km地点の第1エイドでは何もせずに通過しました。
13.5km地点の第2エイドには、スタートから1時間55分程で到着です。
f:id:CHIKUSENDO:20201014124328j:plain
この時点で既に少し飛ばし過ぎたという感覚があり、後の行程に影響しましたが、それは後の祭。
追々振り返りたいと思います。
今回はエイドでの水分提供は水のみ、1人1本のペットボトルでの提供でした。
食べ物は個包装のまんじゅう、チョコ、あめ、ゼリーなど。
いつもはコーラにバナナ、ブドウやミニトマトなんかを楽しみにしていて、エイドの滞在時間が10分を超えることはざらでした。
でも、今回はCOVID-19対策の一環でエイドが簡素化されています。
あまりやることがなく、水分の補充と持参の固形物を食べたくらいで、4分程の滞在で出発しました。
残りは約30km、四阿山根子岳へと向かいます。

こけなかったのでよしースカイライントレイル菅平2020速報

スカイライントレイル菅平2020のスカイマラソン43kmを完走しました。
タイムは多分7時間34分くらいだと思いますが、記録証がまだないので、はっきりしたことはわかりません。
菅平では終盤にガレ場祭があり、スカイマラソンで参加するときは、いつもここでこけていました。
人の生き血をすする凶悪なガレ場。
f:id:CHIKUSENDO:20201011185855j:plain
今回はこけずに通過できました。
二度あることは三度あるとかいうけど、とりあえず三度目を回避しました。
無事に帰れるのが一番。