竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

地蔵じゃないぞー小仏城山20200815

アジア太平洋戦争が終わって75年が経った2020年8月15日は、久しぶりに高尾山周辺に走りに行きました。
この辺りは2018年の春に来て以来となります。
そのときは友人Bさんと北高尾山稜から堂所山を回り込んで小仏城山まで行き、そこから南高尾山稜を走って高尾山口に下山しました。
今回もBさんと一緒ですが、コースは大幅に短く、高尾山口から稲荷山コースで高尾山頂を経由し、小仏城山までのピストンをしてきました。

この日もこの夏のスタンダードな暑さとなり、高尾山のある八王子市の最高気温は36.8℃まで上がったようです。
私たちが走り終えたのは11時半ぐらいでしたが、その頃でも34℃を超えていたそうで、汗で全身ずぶ濡れになりました。
ちょっと度を越した汗かきな私の場合、靴までびしょびしょになります。
でも、これも快晴だったから。
久しぶりに晴れた山に行くことができて、本当に気持ちよかったです。
高尾山頂からはうっすら富士山が。
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本当にうっすらなので見えるかどうか…。

高尾山頂から小仏城山までの道のりはこれまで通ったことがなく、今回が初めてでした。
これが結構な階段地獄で、なかなかハードに感じました。
ただこれも、最近山に入る機会が減っていて、垂直方向の刺激に慣れていないことから来る感覚なのかもしれません。
例年だったらどうだったんだろうとは思うものの、この日は暑さもあってキツさを感じました。
そんなこんなでやっとたどり着いた小仏城山では、おなじみの天狗にご挨拶。
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ん?
なんか、違和感を覚えます。
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ていうか、赤いよだれかけしてますよね。
よだれかけは地蔵菩薩の専売特許というのは、神仏界の一般常識だと思いますが、ていうか、あなた天狗でしょ。
お地蔵さんじゃないでしょ…。
ちなみに、Bさんが2月頃にナイトランした時には、まだよだれかけはしていなかったとのことです。
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写真もご提供いただきましたが、この頃は立派にただの天狗です。
高尾山の昔話といえば天狗伝説というくらい、高尾山は天狗の山なのですが、なにゆえ地蔵に寄せたのでしょうか。
雑な言い方ですが、これも時代の流れなのでしょうか。
ちょっと理解に苦しみますが、これを機にあれこれ考察するのもまた一興かもしれません。
いつの日か『地蔵化する天狗ー高尾山の天狗から紐解く山岳信仰表象文化論』なる本が出版されたら、著者は恐らく私です。
はからずもライフワークができたかも。

饗宴ーCOVID-19徒然18

新型コロナウイルス感染症COVID-19の蔓延により、私の勤めている会社は在宅勤務体制を再度強化し、この8月は原則週1回の出社となりました。
ただ、現実のところ週1回で済むことはあまりなく、本日8月14日(金)は午後から会社に行き、今週3回目の出社となりました。
もともとお盆休みがない(自由にとれる夏休みはあります)会社なので、人込みがないこの時期の出勤は快適で好きなのです。

最近は出社すると、必ず行きつけの中華料理屋さんで昼食をとることにしています。
広東料理のお店なのですが、味付けが上品なのでどんな料理も飽きずに食べることができます。
美味しいイタリア料理店(マスターも面白い)と交互に通っていましたが、最近は中華料理屋さん一本に絞っています。
このコロナ禍でかなり売り上げが落ちてしまったとのことで、こちらに私の乏しい資本を集中させることにしました。
そんな事情で、なるべく夜もこのお店で食べるようにしています。
ただ、夜に開けていてもお客が全く入らない日が続いたため、予約のある晩にしか営業しなくなっていて、今月は昨日まで夜の営業がありませんでした。
今日もいつものようにお昼ごはんを食べてから会社に行き、小一時間ほど仕事をしていたら、店主からのSMSに気がつきました。
「今夜、予約、入りましたよ!」
間髪入れず、
「承知しました!」
と返事をして、終業後に来店しました。
一通り食べて、もうお腹はいっぱいです。
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今は4杯目のお酒を飲んでいて、そろそろ帰ろうかと思っています。

予約を入れたお客さんは、近くの大学の研究室の面々らしく、以前からの常連さんのようです。
私は学生時代は文学部でしたが、理系の研究室で実験のアルバイトをしていたことがあり、聞こえてくる彼らの会話から「同業(過去だけど…)だな」と一人ほくそ笑んでいます。
10名くらいですが、この規模の宴会を見るのは久しぶりで、緊急事態宣言以降、初めて見ました。
でもね、本当ににぎやかで、本当に楽しそうです。
飛沫だかなんだか知らないけど、飛びまくっているとは思います。
気になる人には気になるでしょう。
でもでもでもでも、そんなの関係ねえ、オッパッピー!
とか、酔った頭に響いています。
ただ見ているだけで、ただ聞いているだけですが、そんな空間にいることが私は本当に楽しいのです。
COVID-19がいくら猖獗を極めようとも、この楽しみを人間から奪うことはできないのだよ。
というところで、今晩はごちそうさま。
また来週。

いつもと同じ夏ーCOVID-19徒然17

昨日、2020年8月5日は水曜日でしたが、在宅勤務だった私は昼食の買い出しでお昼時に外出しました。
今年は長梅雨だったので、晴れた空の下、近所を歩くのは久しぶりでした。
道端の百日紅もふわふわもっさり。
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私が偏愛する百日紅*、陽の光に包まれています。
いつもと同じ夏が来たみたいです。

夕方になってからは散歩に出かけました。
在宅勤務後の日課にしています。
少し歩いたところにある大きな公園では、セミの大合唱が聞こえてきます。
これを聞かないと夏が来たことが実感できません。
やはり、いつもと同じ夏が来ています。
この公園の散策道は土なので、足下にはセミの幼虫が地下から地上に出てきた時の穴がたくさん空いていました。
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セミは、地下にいる幼虫時代も木の根っこから樹液を吸って生活しているそうです。
この木、樹種はわかりませんが人気物件で、数えるのも面倒なくらいの幼虫が住んでいたようです。
対して、こちらは不人気物件。
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どっしりとした立派なイチョウの大木だったのですが、セミには人気がないようです。
ひょっとして、樹液が銀杏臭いから嫌いなんだよね、みたいな事情があるのでしょうか。
とか言いつつ、イチョウの樹液が銀杏臭いかどうかは知らないのですが…。

ところで、この公園は「平和公園」という名で、シンボルとして広島市平和記念公園内の「平和の灯(ともしび)」と長崎市平和公園内の「誓いの火」とを合わせた「平和の灯(ひ)」が設置されています。
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夕焼けの方が目立ってしまいますが、写真を拡大すると小さな灯火が見えるかもしれません。
本日2020年8月6日は広島、来る8月9日は長崎に原爆が落とされてから75年が経つ日となります。
どちらも今年は、新型コロナウイルス感染症COVID-19のパンデミックに影響され、存在感が薄く感じるかもしれません。
それでも、原爆だけではなく戦争によって絶たれた生命のことを、記憶にとどめて考え続けるきっかけとなる季節が、また巡って来ています。
特別ではない、いつもと同じ夏が来ています。

百日紅
https://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/08/08/125132