竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感です。藤沢周平が好きです。

花は高く低いー先生と山2017夏5

7月17日の天狗岳山行記、第5段です。

中山峠からどれだけ時間をかけたか忘れましたが、シラビソの森を下り続けてついに、にゅうにたどり着きました。
9:50頃でした。
「にゅう」は山頂というかなんというか、中山峠から小海町方面に下りる稜線上にある岩峰です。
稜線からはけっこう突き出ているので、山頂と言っても良さそうですが、その辺、国土地理院的な解釈が気になります。
にゅうから北を見ると、白駒池の向こうに緑の海が北横岳に続いています。
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縞枯山、茶臼岳、北横岳には冬に訪れたことはありますが、緑の季節もなかなかよさそうです。
にゅうから来し方を振り返ると、硫黄と天狗が。
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このときは雲が高く上がっていて、西天狗もバッチリ見えていました。
しかし、硫黄岳方面に下から這い上がってくる雲があり、やがて硫黄岳を覆い隠すようになります。
硫黄と天狗の揃い踏みも長くは続きませんでした。
景色は一瞬で変わります。
この岩峰は居心地がよく、ボケッと景色を眺めていました。
私は30年近く前、両親と一緒にこのにゅうに登ったことがあるはずですが、景色を見ても記憶がよみがえってきませんでした。
記憶違いか、記憶喪失か…。
いつか両親に確かめてみたいと思います。

にゅうからはシラビソの深い森を下っていきます。
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傾斜はけっこう急でした。
この北八ヶ岳は苔の王国と呼ばれていますが、王様たちがまさしく群雄割拠しています。
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コマクサ女王陛下は強風の稜線に根を張り、苔の王様たちは暗く湿った森で繁茂します。
至るところ苔むした山道を、ひたひたと下ります。
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下山道に選んだシャクナゲ尾根には、途中の四ツ辻から入ります。
道標がしっかりしているので、間違った道に踏み込むことはないと思います。
しかし、このシャクナゲ尾根、可憐で優雅な名前が付いていますが、ある意味難所といってもおかしくないくらい、テクニカルな道でした。
上部は尾根に乗るまでのトラバースがメインで、傾斜が急で道が狭く、おまけに倒木が多いのです。
写真を撮っていないのですが、倒木を越えるとまた倒木が現れるような倒木銀座でした。
トラバースが終わり尾根に乗るところに涸れ沢があるのですが、ここにかかる橋がまた、元倒木と最近の倒木が合わさって橋になっているのです。
シャクナゲにはこの時点でまだ出会っていませんでした。
シャクナゲ尾根じゃなくて倒木尾根ですね、なんてブーブー言いながら沢を渡りきると、そこにシャクナゲの木が生えていました。
分岐の四ツ辻から1時間は下っていたと思いますが、ようやくここから本格的にシャクナゲの森に入るようです。
少し気分が落ち着いたところで、早めの昼食をとりました。

昼食は根石岳山荘で準備してもらったお弁当です。
山小屋のお弁当にしては品数も多くしっかりしていました。
根石岳山荘は麓で自家栽培した野菜を使うなど、食事にこだわりがあるようで、実際、夕飯も品数豊富で美味しかったです。
お風呂もそうですが、トイレも一部ウォシュレットがあり、非常にきれいでした。
快適な山行を求める方にはお勧めです。

さて、本日のお楽しみであったはずのシャクナゲ尾根のシャクナゲですが、季節が過ぎていたのか、咲き誇るという感じではなく、所々咲いているような状態でした。
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花はきれいでしたが、高山帯の木よりも背が高く育っているため、花の位置が高いのです。
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そのため、アップで撮るのに一苦労です。
ここでは頭上の花を仰ぎ見て楽しむのが流儀のようです。
高山帯であれば目線より低い位置に咲く花も、下界に近くなれば高い所に咲いています。
高い所では低くて低い所では高いものなあに、まるで謎々のようです。
答えはたくさんありそうですが。

この道標に出ると、シャクナゲ尾根の終点は近いです。
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ここから未舗装林道を少しだけ歩き、再び山道を下りるとすぐに、みどり池入口登山口(唐沢橋)の駐車場に到着します。
その林道にまた倒木が二本もあり、流石の先生もあきれていました。
やっぱ倒木尾根かな。
とか言いながら、13:00ごろ、山行を終えました。
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木漏れ日が緩やかです。

私のアキレス腱は下りでも痛み出していましたが、無事に帰って来れただけよしとしましょう。
先生も足首と膝に痛みはあるものの、増悪しているわけではなさそうです。
二人とも早く治して、次の目標に向かえればよいと思います。