竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

空と君との間にはー板橋Cityマラソン2017DNF記1

板橋Cityマラソン2017は9時ちょうどに号砲がなりましたが、その頃私はまだスタート地点に到達していませんでした。
号砲と同じタイミングで撮った写真。
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奥の左に向かう列がスタートエリア、手前の右に向かう列がそれぞれのスタートブロックに並びに行く人の流れです。
ここから2分かけて、やっとこ最後尾にたどり着きました。

中島みゆきの名曲では、空と君との間には冷たい雨が降っていましたが、空と板橋Cityマラソン2017の最後尾に立った私との間には、ヘリが飛んでいました。
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そして、後ろの空と私の間には、やはりヘリが飛んでいます。
でも、誰もいません。
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参加者1万8,000人の頂点に立った瞬間でした。
ここに到着した時点でスタート時刻を過ぎていたのですが、私が最後尾に立ったのもつかの間、次から次へと最後尾にランナーがやって来ます。
さっきの写真のように、スタートゲートからほぼ1km遡ったところにある最後尾には、たどり着くのに時間がかかります。
スタート時刻が過ぎても並べていないランナーが、少なくとも1,000人以上はいると思ってよいでしょう。
そこでは最後尾が常に更新され、流転しています。
おごれるものも久しからず、って最後尾の私達は決しておごっていないのですが、おごらないものもまた久しからず、スタートの号砲にはやはり諸行無常の響きがあります。
実はハセツネ2016も体調不良で最後尾に並んだのですが、似たような状況だったことを思い出しました。
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見事にバラバラというか、なぜだか並んでないのです。
さすがに人数が少ない分、ハセツネの方がフリーダムというか、のんびり感があるような気がします。
過酷な「日本山岳耐久レース」のスタート前とは到底思えません。
もしかしたらどんなレースでも、最後尾は基本、ちゃんと並んでないことが多いのではないかと推測できます。

スタートゲートに向けて、ゆっくりと前に進むのですが、そのあいだ板橋区吹奏楽団が演奏してくれる曲がよく頭に残りました。
私が覚えているのは、夏の甲子園の入場曲、栄冠は君に輝く、運動会で流れる行進曲、太陽に吠えろ、嵐の走り出せ!っていう歌、でした。
栄冠は君に輝くと運動会の行進曲の間は、歩いていたのですが、とても勇ましく行進するような状況ではなく、周りの参加者ともども、だらだら歩いてました。
思ったのは、いい大人はシャキッと行進なんてしないものなんだなということ。
フルマラソンに挑むような体育会系な大人でも、だいたいシャキッとしてないと思うと、微笑ましくなりました。
私達大人はだいたいシャキッとしてません!
妙な自己肯定をかみしめることができました。
行進は未成年に任せますが、彼らもシャキッと行進しなくていいのかもしれません。
大人がこうだから、彼らもグデっとしててもよいはず。
曲は太陽に吠えろに変わります。
この日は最高気温が20℃になり、スタートの9時ですら13℃ほどありました。
人いきれの熱もあり、歩いてるだけでも暑くて喉が乾いてしまったほどです。
太陽に吠えるというよりも、あっちいよ…、と太陽にぼやく気分になりました。
太陽にぼやけ!ドラマにならなそう…。
嵐の走り出せが流れてきた当初は、まだ周りが走れるような状況ではありませんでした。
走り出せ!ってまだ走れんわ。
みたいな脳内漫才をしているうちに、ようやくスタートゲートの50m手前くらいまで進みました。
そこからは突然、前のランナー達がスピードアップして、スタートゲートをくぐる頃には巡航速度で走り出すことが出来ていました。
入場曲でたらたら歩いたあとに、一回太陽にぼやいてからの走り出せだったので、本当に丁度いい流れだったなと、今振り返って思います。
板橋区吹奏楽団、グッジョブ♪
ゲート前で、ゲストの増田明美瀬古利彦土佐礼子の各氏と板橋区長とハイタッチを交わし、コースに飛び出しました。
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ゲート通過は号砲から18分42秒後、私のintermissionである選択的DNFの旅が、本格的に始まりました。