竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感です。藤沢周平が好きです。

坂だー信州戸隠トレイルラン2017レポート3

信州戸隠トレイルラン2017のレースレポート、第3段です。
第1エイドを4時間18分で出発し、戸隠古道を鏡池の第2エイドに向かい、その後、戸隠奥社の森を抜けて戸隠牧場まで行きます。
第1エイドから第3エイドまでの道のりは比較的高低差が小さく、ロードや木道などの整備された路面も多いので、いわゆる「走れる」区間です。
私はトレイルランレースの山岳区間は登りも下りも好き(得意かどうかは別…)なのですが、走れる区間はある意味苦手としています。
走れる区間は、高低差が小さかったり景色の変化が小さかったりと刺激が単調なので、なんだか集中力が保てないのです。
集中力が保てなくなると、平坦な道ですらいつの間にか歩いています。
そんな悪い癖が今回も出てしまいました。

一の鳥居から中社までの戸隠古道は、ダブルからトリプルトラックくらいの広さがあり、登り基調ですが高低差が緩やかで走りやすいトレイルです。
森も美しく、非常に気持ちのよい道です。
しかし、私はいつもと同じく、走っては歩き走っては歩きを繰り返していました。
走らなきゃいけないと思いつつも、いつの間にか歩いてしまっているのです。
ギアがローからセカンドに入らない、もしくはセカンドから勝手にローに戻ってしまう感覚といえばいいでしょうか。
走れるトレイルなのに。
この走れなくなる理由として最大のものは故障による練習不足ですが、とはいえ、今は制限時間を気にしながら行かなくてはなりません。
最低限、キロ10分以上かかることのないよう、スピードを調節しながら歩きました。

信州戸隠トレイルラン名物、宝光社の石段にたどり着いたのは第1エイド出発から50分弱経ってからでした。
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石段手前の私設エイドのリンゴとみそきゅうり、美味しゅうございました。
たしか、前回参加時もいただいた気がします。
宝光社から中社の間は戸隠の町中を通りますが、私設エイドがいくつか出ていて、大変ありがたかったです。
なかでも一番嬉しかったのはあめ玉でした。
あめ玉をかみつぶすことで、だれていた気持ちが少しシャキッとした気がします。

宝光社から中社に向かう途中には、応援ボードもいくつか設置されていましたが、なかでもこのボードは秀逸でした。
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坂だ。
見りゃわかるわい!
でも、強く好感を持ちました。
がんばれっ!ていうような真っ直ぐのメッセージも嬉しいのですが、こういうシュールでありながらもランナーに寄り添う視点から発せられる言葉に、心が踊ります。
坂だ。
おう、坂だ。

坂だの坂を越えてしばらくすると、中社エリアの裏側から山道に入ります。
入り口にある足の神様に頭を下げてから、再入山しました。
ここからまずは小鳥ヶ池に向かいます。
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小鳥ヶ池から鏡池の第2エイドまでは2〜3kmです。
このエリアも信越五岳とかぶる美しい森のトレイルです。
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信越五岳の選手は最終盤にここを通過します。
台風がそれて、かつ明るい時間にここを走れれば、とても気持ちがよいのではないかと思います。
鏡池にはスタートからほぼ6時間で到着しました。
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13:00頃の鏡池は観光客が多く、人気の景勝地であることがわかります。
2015年大会ではたしか曇っていて戸隠山が見えていなかったのですが、この日は薄く雲がかかっているものの、その姿を見ることができました。

第2エイドには7〜8分滞在して出発しました。
そこまでで32.5km来ているそうです。
ここからは木道やコンクリート板の上を走る機会が多くなります。
しかもほぼフラット。
走りやすいはずですが、私はここでも走っては歩き走っては歩きを繰り返していました。
まだ集中力が保てないのです。
名前を知らない花に心引かれ、
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何度も見たことあるのに名前を知らない赤い実にも心引かれ、
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というのを半ば言い訳にしながら、写真を撮りつつゆっくり進んでいました。
やっとまとまった長い距離を走れるようになったのは、戸隠奥社の参道を横切った後です。
それまでは心と身体が繋がっていない感覚が強かったのですが、この付近でやっと繋がり始めました。
心と身体が繋がっていないとは、意思と動作がバラバラになる状態と言えばいいでしょうか。
そういう時は何をしてもうまくいかず、苦しかったり辛かったり、まあ大変な思いをして進んでいるのは、トレイルランナーの皆さんにはおなじみな状況だと思います。
ただ私は、そういう状況から復活して、再び意思と動作が一致する状態に戻ったときの、心と身体が繋がったときの、あの自己一致感がたまらなく好きなのです。
明後日の方向に話が行きそうなので詳細は控えますが、私は産業カウンセラーというカウンセラーの資格を持っています。
そのトレーニングの中で特に重視されるのが、自己一致の感覚です。
平たく言えば、自分が自分でしかなく、確かに自分であると思える感覚、と言えばいいでしょうか。
私がトレイルランニングが好きな理由の多くは、この自己一致を強く感じられるスポーツであることにあります。
自分が自分であり、自分の意思が即、自分の行動であるような。
これは山岳信仰で用いられる身心一如(心身一如)という概念に近いのではないかと、勝手に思っているのですが、よくはわかりません。
後はゾーンとかフローとか呼ばれる感覚も、この自己一致の一種なのかなと考えていますが、これもよくはわかりません。
カウンセラーの資格を取ったのはトレイルランニングにはまった後でしたが、自分がなぜトレイルランニングが好きなのか、そのことを言葉ではっきりつかむことができたのは、カウンセラーのトレーニングを受けたからでした。
要は、私はトレイルランニングを通じて、自己一致あるいは身心一如の感覚を享受したいのだと思います。

話が大きくそれました。
酔って記事を書くと大体話がそれます。
さて戸隠牧場の入り口にある第3エイドに到着したのは、確かな記録がないのですが、記憶では13:45頃だったと思います。
ここからは戸隠牧場をぐるっと回って、再び第3エイドに戻ってきます。
戻ってきた第3エイドは40km地点です。
菅平、美ヶ原、そして戸隠、信州トリプルマスターズのレース全てに共通するのは、この牧場ぐるっと引き回しセクションが必ずあることです。
ここまで菅平に美ヶ原で、回って回って。
トリプルマスターズ最終の戸隠で、また回って。
ということで、回って参りましょう。