竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

後の祭りは風味爽快ニシテー櫛形ウインドトレイル2017レポート3

櫛形ウインドトレイル2017のレポート第3段です。
今週末は菅平スカイライントレイル2017が控えているため、櫛形の記事を早く書いてしまわないと、ネタの渋滞が始まってしまいます。
急がねば。
苦手だけど。

さて、第2関門でタイムオーバーした後は、羽黒エイドで飲食しながら回送車を待っていました。
回送車といってもチャーターバスではなく、レンタカーやスタッフの自家用車のようでした。
私達が乗ったのは銀のハイエース
ハイエースに乗るのは実に15年ぶりくらいだったと思いますが、リタイア収用車としてのハイエースは初めてでした。
羽黒エイドから谷戸の田んぼを抜けて行くと、最後のトレイルセクションの白鳥山や、最後の最後のロードを横目に会場に戻ります。
コースでは関門を突破したランナー達が、フィニッシュ目指して走ってます。
みんな走ってる、走ってる!
そう思うだけでなんだか感慨深くなります。
私はどうも、トレイルランナーをみると勝手に感動してしまうようになっているようです。
それが何から来ているのかは定かではありませんが、仲間意識の一種であるとは思います。
仲間と言えど、彼らは風の中で汗を流し、私はハイエースの中で汗臭さを振りまいているくらいの違いはあり、そしてほとんど面識もないのですが。
それでも全員無事にフィニッシュすることを願わずにはいられないのです。
私の仲間って、いったいなんなんでしょう。
そのうちにハイエースが会場の道の駅たいないに到着して、ここで本当にレースが終わりました。
最後はあっけなかったですが、櫛形山脈はなかなか気持ちのよい山でした。
近くにあったら通いつめるかもしれません。

さて、レースが終わった後も、おうちに帰るまでがまた一仕事です。
片付け・身支度・移動と、けっこうな大仕事が待ち構えています。
このレース後の一連の作業は、エイドワークにちなんでフィニッシュワークとでも呼べばいいのでしょうか。
私はいつも、トレランの興奮冷めやらぬ混沌とした頭でフィニッシュワークしていますが、正直言って苦手です。
面倒だから帰りたくない…。
ついそう思ってしまいますが、後泊でない限りは帰るしかないのです。
また、この日のフィニッシュワークは、ある意味レースよりもハードでした。

この櫛形ウインドトレイルは会場から最寄り駅までの公共交通や大会バスなどがなく、ホテルの送迎バスに頼るよりほかに手段はありません。
その送迎バスの出発は15:15、残り50分を切っていました。
荷物と参加賞のピックアップ、お風呂に入って荷物をまとめてバスの集合に向かう、という作業を、その間におさめなくてはなりません。
まずは、フィニッシュ会場に向かい、参加賞をピックアップして荷物のありかを尋ねました。
荷物預かりがなかったために本部テントに置いた荷物が、どこかに移動されていたのです。
結局、胎内観音の境内にある建物に移されていることがわかりました。
お風呂への導線としてはまずまずだからよかったものの、置いた場所に荷物がないというのは心臓に悪いものです。
二度とは経験したくありません。

お風呂は、会場と胎内観音に隣接しているクアハウス胎内という施設を利用しました。
バーデゾーンも備えた立派な施設でしたが、ゆっくりする時間はありません。
入場は14:30でしたが15:00には出なければ、送迎バスに乗る前に食事ができません。
私は、苦手な荷物整理と着替えとで前後の25分を使ってしまい、結局5分ほどしか入浴できませんでした。
浴場には海外からの参加者や山中で一緒だった人もいて賑やかでしたが、もちろんゆっくりはできず、カラスの行水でサッと上がります。

お風呂上がりに、ようやく一息つく余裕ができました。
バスの出発まで、10分ちょっとあります。
この日は胎内市の新緑祭も会場である道の駅で開催されており、それなりにお店が出ていました。
しかし、食べるぞと思いきや、お祭りも終盤だったのか、商品がけっこうなくなっていました。
Bさんはお風呂前から狙っていた米粉のたい焼きを食べられませんでした。
胎内の米粉は美味しいので、私も心残りではありましたが、食べられないものは食べられないのです。
この日は始めから終わりまで後の祭りです。
残念。

中条グランドホテルの送迎バスには朝と同じメンバーがそろっていて、海外の方も、行きの電車でも一緒だったなという方々も、揺られてホテルに帰りました。
このバスがなければ、会場から市街地に帰る足はないといっても過言ではないでしょう。
それも含めて、中条グランドホテルには本当にお世話になりました。
レストランも安くて美味しいので、本当におすすめです。

ホテルからは徒歩で15分ほどかけて中条駅に向かいます。
途中で帰りの食料を調達するため、ウオロクというスーパーに立ち寄りました。
ここで「風味爽快ニシテ」という、サッポロの新潟限定「ビイル」の存在を初めて知りました。
500缶を3本調達し、中条駅16:06発の特急いなほで胎内を後にしました。

帰りの新潟県内の車窓は、田んぼと山が目立ちます。
この日、夕方は雨上がりで空気が澄んでいました。
上越新幹線浦佐駅近くから見た、たぶん八海山だと思われる山には、5月も終わりなのに雪が残っていました。
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風味爽快ニシテを飲みながら八海山を眺める。
今度は八海山を飲みながら八海山を眺めてみたいものです。
それはただの飲んべえか。
風味爽快ニシテ気分爽快。
それは森高千里か。

風が強く吹いているー櫛形ウインドトレイル2017レポート2

先週はハセツネのゼロ関門や色々な同級生との飲み会が重なり、なかなか記事が書けないでいました。
行ったことのない店に出入り禁止になった話などのネタを豊富に仕入れてきましたが、それはまた別の機会にということで、おくればせながらの櫛形ウインドトレイル2017のレポート第2段です。

定刻から遅れてスタートした後、雨上がりのロードを2kmほど走り、白鳥山公園を登り詰めると登山道が現れます。
この白鳥山をガツンと登って、山頂の城跡からガツンと下ると、往路の羽黒エイドにたどり着きます。
ここの登山道が急勾配なうえに、先程までの雨の影響でズルズル滑りやすくなっていました。

この日、一緒に出場したBさんは、完走してITRAポイントを獲得することがレースの目標でしたが、私には特に目標があるわけではなかったので、Bさんにくっついて行きました。
羽黒エイドからは櫛形山脈の稜線に向けて一気に登ります。
この登りは斜面が急で、当然のように泥々です。
水分豊富なビチャビャとしたトレイルではなく、粘っこくて靴底にまとわりついてきます。
まるで歯にまとわりつくキャラメルのようです。
先が思いやられます。
どうやら土が粘土質のため、こんな粘っこさになるようです。

登りきった先、櫛形山脈の主稜線は美しいトレイルでした。
条件がよければ非常に快適にトレイルランニングができる場所だと思いました。
ギザギザとしたアップダウンは、いい感じで走れないキツさの斜度で、トレランをゆっくり楽しむには適していそうです。
ただし、この日はその坂が泥々でズルズルになっており、容易にこけてしまう危険がありました。
そのため、登りも下りもまったくペースを上げることができませんでした。
アップダウンは、斜度もそれなりに急ならば長さもそれなりに長く、真面目に追い込んで走ったらかなり鍛えられる感じがします。

稜線上には所々スタッフがいて、給水所も二ヶ所ありました。
標高が低いとはいえ、こんなとこまでまでよく担ぎ上げたなと感心します。
山中のスタッフ体制は非常に充実したレースです。

コース最高点の櫛形山山頂にはスタートから2時間40分後の10:40頃に到着しました。
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雲の中です。
晴れていればこういう風景らしく、
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飯豊連峰を見渡せるそうですが、このときは霧しか見えませんでした。
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霧の中、森林公園の第2エイドに向けて下ります。

櫛形山から第2エイドへの下りはじめは、杉とシダの森です。
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この森を抜ける少し手前に15kmの表示があり、林道に下りてから、少し下って登り返すと第2エイド森林公園です。
ここでトラブル発生です。
Bさんがここまでの下りで膝を痛めてしまい、下りを走れなくなってしまいました。
とりあえずエイドで休みながらマッサージなどしましたが、あまり効果がなかったようです。
私も奥三河パワートレイルで膝を痛めましたが、やはり痛んでからマッサージしても効果はありませんでした。
幸いエイドからすぐに登りだったので、走れる登りは走り、走れないところは急ぎ足で登り、なんとか時間を稼ぐことを意識しました。
第2エイド出発は3時間27分後の11:27だったでしょうか。
フィニッシュ制限の7時間には、なんとか間に合うだろうと思っていました。
しかし、このとき復路の羽黒エイドの関門時刻は完全に意識の外でした。

主稜線に登り返すと霧は大分薄らいでいて、視界が晴れてきました。
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日本海と、遠くに浮かぶ島がうっすら見えます。
佐渡島か粟島でしょうか。
レースコースは厳密にはループ型ですが、櫛形山脈の主稜線はほぼピストンします。
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往路は霧の中でしたが、今は明るくなったトレイルを進んでいきます。

Bさんは走れるところでは一生懸命走っていましたが、やはり下りを走ることができません。
しかも痛みは増しているようでした。
20kmを過ぎてしばらく走ると、主稜線と別れ、往路で登ってきた石切山を経由する尾根に入ります。羽黒エイドに向かっての下りです。
恐らくこの時点でまだ12時50分より前で、フィニッシュの15時は余裕だなと思っていました。
ただ、それはあくまでフィニッシュであり、第2関門羽黒エイドにはまったく余裕がなかったことを知ったのは、その関門時刻の2分ほど前でした。

羽黒エイドまではかなり急な下りなのですが、多くのランナーが踏みつけた後なので、グズグズで、グチャグチャで、柔らかくなったソフトキャンディのような、路面となっていました。
ミュータントのアウトソールでも歯が立ちません。
Bさんは、斜面によっては前向きに下ることができないくらい、痛みが強くなっていたようです。
また、水分と食糧の補給が足りていなかったようで、少し参っていました。
もうこの状態では仕方がないので、ゆっくりゆっくり、と声をかけながら下ります。
時計は13時30分を過ぎていましたが、25km近くは来ています。
このときでも私は、まだフィニッシュには余裕があると思っていました。
しかし、周囲の方々が口々にもう間に合わないと言い出したので、おかしいぞと思い、地図の制限時間を確認したところ、13時40分とあります。
今の今まで、4と3をひっくり返して、14時30分と思い込んでました。
確かに間に合わない、そしてもう急げない。
Bさんの膝も限界に近づいています。
無理はできませんし、する必要がなくなりました。

後は周りの諦めたランナーの方々と一緒に10分ほど山道を下り、復路の羽黒エイド、第2関門に到着しました。
Bさんによれば13時49分頃だったそうです。
関門時刻には、スタートが遅れた分を引いても、7分ほど間に合っていませんでした。
タイムオーバーによるDNFです。
BさんはITRAポイントの獲得ならず、私は2レース連続かつ今年3度目のDNFでした。

まあ、泥々の手を洗ってから、エイドのバナナとトマトをいただいて落ち着きましょう。
帰り道はまた長いのです。
レース中ずっと吹いていた少し強めの風は、麓でも同じように吹いています。
そういえば前日からこの風は吹いているような気がします。
なるほどウインドトレイルか、今さらながらに感慨にひたりながら、二つ目のトマトをいただくかどうか迷っていました。
結局、二つ目は食べませんでしたが、胎内市産のトマトは味がしっかりしていて美味しかったです。

会場へはスタッフが回送してくれるとのことで、飲み食いしながら車を待ちました。
風はまだずっと吹いていますが、ここにいる分には追い風でもなければ向かい風でもありません。
祭りの後に、後の祭りの5月の風が吹いています。

ゼロ関門でリタイアーハセツネ日本山岳耐久レース2017

先ほどハセツネのエントリー合戦に参加しましたが、数分の待ち時間の後、エントリー画面に入れたときにはふるさと納税枠しか残っていませんでした。

ふるさと納税もありかなとは思いましたが、心の準備ができていなかったので、やはり断念しました。

初めてのゼロ関門でしたが、今回は越えないことにしました。

今年はハセツネ30Kのエントリーを忘れたため、午前休をとってのクリック合戦&入力競争への参加となりましたが、休みをとった成果は得られませんでした。

エントリーのためなら手段を選ばないというのであれば、回線ジャックとか白銀ジャックとかジャック・スパローとか、打つ手は色々あったのかもしれませんが、どれも空想の域を出ないので、大人しく引き下がりました。

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あ、でもこの人は現実の人だな。

まあ、休暇に成果がなくても大した問題ではないのですが、仕事に向かう足取りに影響は出るかもしれません。

軽い足取りというわけにはいきません。


秋はFTR100が、メインターゲットのロングトレイルレースになります。

ハセツネは脚作りにちょうどよかったのですが、他を考えてみたいと思います。

また、いつかはボランティアもしてみたいと思っていたので、これを機会にやってみてもよいかもしれません 。 

今まで散々お世話になってきた分、たまには人様のお役に立たないとバチが当たるかもしれませんし。

さあ、仕事に行こ。