竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

2017初詣山行3ー愛宕山・明智越・唐櫃越

2017年1月2日の初詣トレラン山行レポート、第3弾です。

明智越を越えて、亀岡市保津町の集落に下りてきます。
ここから唐櫃越の登山口へ行くには、まずは南に進路を取って保津川を渡り、JR山陰線の馬堀駅を目指します。
保津町の集落から保津川に出るには、集落の中ほどで左側に曲がって行く必要があります。
今回は写真を撮りそびれましたが、保津川に下りる道はけっこう傾斜が厳しく、保津町の集落が高台にあることがわかります。
保津川に出たら保津小橋を渡ります。
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川向こうに横たわるのが唐櫃越の山々です。
11:45分に到着しました。
保津小橋はいわゆる沈下橋で欄干がなく、若干スリリングです。
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写真中央の流れが集中している辺りは、シーズンには保津川下りの船が通るそうです。
保津小橋を渡りきると、正面に田んぼの中を突っ切る農道が出てきます。
その農道を山陰線の線路に向かって進み、線路をくぐると大きな道に出ます。
そこを左に曲がると、右手に青のローソンが出てきます。
ここで休憩してもよいのですが、唐櫃越の登山口まで行くには馬堀駅に出た方がわかりやすいという情報を得ていたため、駅前に出ることを優先しました。
青ローソンのある交差点で左側に向かうと、山陰線沿いの道路に出ます。
山陰線沿いに右に進んで行くと、目の前に茶色のローソンが現れます。
それが馬堀駅前のローソンで、今回はこちらをエイドに見立てて休憩しました。
到着は12:01、保津川から少しダラダラ走っていたため、平地にしては時間がかかりました。
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奥に見える山々が唐櫃越です。
馬堀駅はすぐそばなので、ドロップアウトもできます。
この日は、13:00までに馬堀駅を出発できなければドロップアウトと決めていましたが、時間の余裕を作れてよかったです。
エイド、もといローソンでは麦茶を購入し、トイレを拝借しました。
事前情報ではこの先トイレもコンビニもないということでしたので、心残りのないよう過ごしました。
店外で座ってレインジャケットを羽織り、持参のどら焼きを食べました。

馬堀駅出発は恐らく12:10ごろで、ここからしばらく歩きで唐櫃越登山口を探しに行きます。
ジャケットは羽織ったままでキョロキョロしながら、ローソンわきの道を真っ直ぐ山に向かって進んでいきます。
この日は亀岡市で12℃、京都市で13℃の最高気温の予報でした。
気温は高めだと思いますが、走ってないときはジャケットなしでは寒かったです。
ローソンからの道の突き当たりに、下のような案内が出てきます。
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登山口まではこの案内にしたがって歩けばたどり着けます。
12:25に到着しました。
下の写真の、中央の奥に見える山道が唐櫃越です。
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山麓の如意寺が目安です。
山道に入ってすぐの獣避けゲートを通ると、急な取りつき斜面が現れます。
尾根筋に出るまでは、ほとんどがつづら折りの急斜面です。
途中で涸れ沢を登る場所もありますが、ルートかどうかが分かりにくいので要注意です。
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分かりにくいですが、写真の中央やや右下に赤テープが見えます。
そこから涸れ沢の道に入りましたが、しばらくはテープが出てこなかったので一度引き返しました。
しかし結局そこしか道がないように見えたので、意を決して進むと、またテープが出てきましたので、先を急ぎました。
私は2015年に2度も、いずれも低山で、道迷い遭難しかけたことがあります。
以来、臆病なくらいルートファインディングに慎重なトレイルランナーになってしまいました。
唐櫃越は初めてのこともあり、行きつ戻りつ、止まりつ歩きつをこの後何度も繰り返しました。

涸れ沢を越えると傾斜がやわらぎ、少し登れば稜線に出て、少し走れば、みすぎ山に到着します。
時計は12:50ごろでした。
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すすきの奥は愛宕山です。
高圧線越しの亀岡側の眺望は見事で、丹波地方の山々も見渡せました。
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このみすぎ山が唐櫃越の最高地点で、この後は緩い登り返しはあるものの、下り基調の山道になります。
ただし、道迷いの多いルートにもなります。
みすぎ山を過ぎてからは、比較的広めの作業道のような道を下って、未舗装の林道に至ります。
途中何ヵ所か分岐がありますので、標識を見落とさないように気を付ける必要があります。
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例えばここは、オレンジ色の火の用心プレートに書き込みがされています。
真っ直ぐ進むと鉄塔に突き当たってしまうので、フェンス沿いに下っていきます。
気持ちよく走ってしまったので写真を撮りそびれましたが、フェンス越しに保津峡の絶景が望めます。
下りきった先に、未舗装林道が現れます。
13:00ちょうどごろの到着でした。
ここを右の方向に下っていきます。
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そしてここから、唐櫃越の核心に入ってゆきます。
この先、けっこうハードな体験をすることになりましたが、それはまた次回のお話に。

2017初詣山行2ー愛宕山・明智越・唐櫃越

2017年1月2日の初詣トレラン山行のレポート第2弾です。

愛宕山から水尾の里に下山し、明智越のトレイルを目指します。
水尾の里に下りて舗装路を進み、下の写真の地点で左に曲がります。
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左にしばらくロードを走ると、右側に下りて進行方向に進む道があるので、そこでトレイルに入ります。
写真を撮り忘れましたが、清和神社への分岐を越えて少し行ったところです。
ちなみにこの地点を逃しても、数百メートル先に行けば標識があって明智越に入れます。
どちらで行っても下の写真の地点に着きます。
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最初の地点を逃すと、進行方向反対側から同じところに出ます。
ここには10:53、清滝から2時間20分強でたどり着きました。
明智越の入り口は木々がまばらで、山道がどこか分かりにくいところもありますので、踏み跡を見極めてゆくと安心して進めます。
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しばらく真っ直ぐ進むと標識が出てきます。
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この標識の指す左方向が明智越です。
右の方が道が立派なのでそちらにひかれますが、左で間違いありません。
数年前、初めてここに来たときに右側に行ってしまい、 大変な思いをしたことがあります。
くどいようですが、絶対に左です。
最初の登りは、基本的に涸れ沢沿いの山道で、所々涸れ沢自体が山道になります。
急傾斜は少なく、少し登れば尾根沿いの緩やかな登りに出ます。
鉄塔を過ぎると、いわゆる走りやすいトレイルが始まります。
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ここからの道程は、分岐には必ず標識があると思って進んで間違いないと思います。
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途中間違えやすいのは、左側に入って保津峡方面に下ってしまう道、右側に行って愛宕山方面に戻ってしまう道の2つです。
スピードのあるランナーの方は標識を見落とさないように気を付ける必要があります。
大してスピードのないトレイルランナーである私は、ちょっとデレデレしながらも先を急ぎます。
明智越の尾根沿いのフラットな道は、非常に快適に走れるトレイルです。
落ち葉も脚にやさしくフカフカ、おすすめのトレイルです。
とはいえ、いくつか難点もあります。
特に今年は倒木が目立ちました。
2年くらい前から、京都市から亀岡市に掛けての地域は台風の被害を強く受けてきました。
嵐山の渡月橋が浸水していた映像は記憶に新しい方も多いと思いますが、この山域は嵐山を流れる桂川の上流域、保津川に隣接しています。
写真を撮っていないのですが、おそらく10本以上の倒木が山道をふさいでいました。
スピードに乗ってくると倒木が前に現れる感じです。
単純に走るだけではなく、前に注意しながら進むことが求められます。
関連して、尾根沿いの道ではあるものの、谷地形の源頭部である箇所もあるのですが、崩壊が目立ちます。
そうした場所ではトレイルが痩せ細ってますので、気を付けて迂回しなければなりません。
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台風の爪痕を強く意識させられるトレイル状態です。

とはいえ、尾根沿いの道であるため、時おり美しい眺めに出会うことができます。
水尾方面から入山すると左側に、亀岡方面から来ると右側に、保津峡を囲む山々がきれいに重なっています。
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こういう眺めを見ると、日本はつくづく山の国なんだなと思わされます。

「土用の霊泉」を過ぎると、トレイルは亀岡に向けて下り基調に入ります。
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ちなみに先程の崩落箇所の写真はこの写真のすぐ左です。
ここから先は、左右が掘り込まれた山道を下ってゆきます。
足元は粘土質だったり岩ベースだったり、変化に富んでいます。
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所々落ち葉にこぶし大の石が隠されていて、踏みつけるとバランスを崩したり滑ったり、けっこう危険でした。
走れるセクションなだけに注意が必要です。


下りはさほど長くなく、しばらく走ると道が二股に分かれて、明智越の出口が見えてきます。
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矢印の方向に行かなかったとしても、すぐにトレイルが終わりますので大丈夫ではあります。
矢印の方向に下りると明智越の亀岡側出口、保津町の簾戸口(すどぐち)に出ます。
簾戸口から明智越を振り返るとこんな感じです。
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11:37、明智越を抜けました。
清滝から3時間強かかりました。
酒屋さんの裏手に出るので、酒瓶を目印にするのもよいかもしれませんが、瓶があるかどうかは日によりそうですね。
保津町の町並みは、どことなく水尾に似ていて、家の作りも似かよったものがあります。
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明智越を通じて古来関係が深いのかもしれません。

明智越のトレイルは総じて走りやすい山道で、しかも人通りがほとんどありません。
今回は、というか今回も、誰一人会うことはありませんでした。
もう4回ほどこのトレイルを走っているのですが、今まで会ったことがあるのはハイカーが一人だけです。
この日は新しいマウンテンバイクのタイヤ痕があったので、先客がいたことは間違いなさそうですが、お会いすることはありませんでした。
そういう意味で、スピードトレーニングにはもってこいです。
倒木に遮られることは多いと思いますが、気持ちよくかっ飛ばすには最適でお勧めのトレイルです。

ただ、今回は天候に恵まれましたが、2年前だと思いますが、明智越の山道で吹雪にあったことがあります。
その時も水尾から亀岡に向かっていたのですが、尾根沿いの道に出たところで、横殴りの雪にみまわれました。
亀岡側に向かうにつれ、高度は下がるも雪の勢いは止まず、寒さで半泣きになりながら下山した記憶があります。
同じ京都府でも、亀岡市までは日本海側の気候の影響が強く、冬型気圧配置の日は雪が降りやすいです。
京都市内では降ってなくても、亀岡では真っ白ということもよくあります。
その点は頭に入れておいた方がよいと思います。

この日はまだまだ。
保津川を渡った先、唐櫃越に向かいます。

2017初詣山行1ー愛宕山・明智越・唐櫃越

2017年1月2日、京都の愛宕山から明智越で亀岡に抜け、唐櫃越から京都に戻る、初詣を兼ねたトレラン山行をしました。

清滝~月輪寺

8:30頃に愛宕山登山口の清滝に京都バスにて到着、発着所で身支度とトイレを済ませ、山行開始です。
ちなみ、この少し先の登山道入り口近くに、清滝公衆トイレという立派なトイレもあります。
今回の登りは月輪寺(つきのわでら)コースを選びました。
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こちらは表参道の登り口で、月輪寺コースはここから右の方向へ、東海自然歩道・京都一周トレイル方面に進路をとります。
ロードを2kmほど愛宕山に沿って月輪寺コースの登山口を目指します。
途中で高雄方面に向かう東海自然歩道・京都一周トレイルと別れます。
愛宕山には左方向のロードを道なりに進みます。
高雄方面との分岐から少し進むと、大杉谷コースの登山口が左側に出てきます。
月輪寺コースは、さらに山沿い・川沿いにロードを走って行きます。
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この登山口から月輪寺コースの始まりです。
写真には写ってませんが、ロードを走っていると左からの沢と小さな納屋のようなものが目印になります。
空也滝という空也上人ゆかりの滝には、この登山口にある沢沿いに登って行きます。
時間に余裕があれば見に行くのもよいでしょう。
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この日は行者さんがふんどし一丁で滝行をしていました。
10分程で往復できると思います。
9:06、月輪寺コースの登山口に戻って登り始めます。
急ではあるものの、走れるか走れないか、ギリギリくらいの斜面が続きます。
登山道はきれいに整備されていてとても快適です。
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シダの生い茂る斜面をつづら折りに登って行きます。
後で行く明智越も唐櫃越も、シダが目立ちました。
この辺りの山域の特徴なのかもしれません。
何度か登りとトラバースを繰り返すと、切り開かれた狭い平地に月輪寺が現れます。
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9:30の到着でした。
ここで本年の初詣をします。
ここ月輪寺では台風災害復興のために募金活動をしています。
登山道がきれいに整備されているのも、このお寺が永く続いてきたからとも言えます。
一口200円ですので、コースを利用する際には小銭を用意しておくとよいでしょう。
月輪寺もまた法然親鸞の師弟コンビが修行し、明智光秀にもゆかりのある名刹です。
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本堂わきの銅像親鸞上人。
興味のある方はぜひ訪れてみてください。

月輪寺愛宕山

月輪寺を出てしばらく登ると、京都の市街地を展望できる場所に出ます。
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この付近で大杉谷コースに合流します。
少し進むと尾根沿いの道に出て、少し傾斜が緩くなります。
稜線のトレイルもきれいで走りやすいです。
やがて、愛宕山山頂回りの道に突き当たりますので、左に進むと、神社の石段に出会います。
石段を登り詰めると、愛宕山山頂、愛宕神社に到着します。
ちょうど10:00でした。
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愛宕山は、江戸時代までは愛宕権現として、京都における山岳信仰の一大センターでした。
山岳信仰の山には天狗伝説が付き物ですが、太郎坊という非常に強力な霊力を持った大天狗の拠点とされてもいます。
また、愛宕神社は火避けの神様としても有名ですが、ここが日本中の愛宕神社の総本山で、火避けの御札などもあります。

愛宕山頂~水尾

参拝を済ませて、社務所わきの待合室で暖をとりながら補給と身支度を整えます。
コンビニ調達の一本満足(レモン風味のやつ、とても美味しかったです)とくるみ餅をモグモグしながら、地図の入れ換えなどを済ませます。
ここにはストーブがあり、体を冷やさずに休むことができ、非常にありがたいです。
支度を整えて、10:20に表参道を下り始めます。
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さっき登ったこの石段は標高900m前後の地点にあり、この季節は大体雪に覆われて凍結しているため、注意が必要です。
この日はたまたま気温が高く、雪は残っていませんでした。
表参道はハイカーや初詣客が多いのですが、道が広いので十分間隔をとることができます。
ただ、神域であるので、スピードは緩めで下ってゆきます。
黒門という門を過ぎるとやや道が狭くなるので、気を付けながら下ります。
すれ違ったり追い越したりするハイカーや初詣客には、積極的に挨拶をします。
正月なせいか「おめでとうございます」という挨拶を受けることが多いのですが、これは他の山域の初詣山行でも一緒なのでしょうか。
私は普通に「こんにちは。失礼します」なのですが、ちょっと興味深いものがあります。
また、この山では今まで、トレイルランナーに対して否定的な反応をする方には会ったことがありません。
普段この山や、京都周辺でトレランをしているランナーのマナーや行いが良いのでしょう。
おかげさまで、気持ちよく走ることができます。

黒門を過ぎてからは、日によっては雪でグチャグチャのこともあります。
少し下ると、水尾分かれという分岐にたどり着きます。
ここを右に折れると、水尾の集落に下りることができます。
ちなみに左は、表参道を清滝に戻る道です。
右の水尾方面に向かい、ひたすら下ってゆきます。
登山道は広めできれいに整備されています。
傾斜はやや急で、細かい砂利を敷きつめたところが散在していて、そこは若干滑りやすいです。
つづら折りの道を下り続けると、コンクリート舗装された道に出るので、そこで右側に下ると水尾の里です。
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10:42の到着でした。
山行開始から2時間10分くらいで、愛宕山を下山しました。

水尾の里

水尾は京都では柚子の産地として知られ、至るところで育てられています。
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また、源平合戦でおなじみ、清和源氏の祖である清和天皇陵と神社があります。
清和神社付近からは車力道という古道のトレイルがあり、それをたどれば清滝まで帰ることができます。
また、保津峡駅までバスか徒歩で行き、JRに乗ることもできます。

この里から明智越の山道が始まります。