竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感です。藤沢周平が好きです。

つらつらとSTYーUTMF2016余録4

UTMF余録も第4段です。
思い起こせば起こすほど書きたいことが出てきて、私自身の自己顕示欲と相まって筆が止まりません。
でもさすがにもう終わらせます。
STYには結局出場しなかったものの、当日富士山周辺にいたので動向は気にしていました。
そんな私にとってのSTY2016について、出てないけど、記しておきたいと思います。

前夜に短縮の短縮UTMF2016を完走したため、STY2016へのオープン参加資格を得ました。
UTMFのフィニッシュ後、サポーターの友人とも相談しましたが、心身ともに、また装備的にも走る準備が整ってないということで参加を断念しました。
心の面では、いきなりそんなの言われても…みたいな気持ちの準備不足と、フィニッシュしたことで一定の達成感があったことで、次の日にまたレースをする気になれませんでした。
身の面では、44kmしか走ってないとはいえ、その距離を精一杯走った疲れがあり、翌日に70km走れる自信がありませんでした。
また、心身双方、大雨による消耗が激しく、走れる状況になかったのでした。
装備面では、アンダータイツとカーフスリーブの替えがありませんでした。
他はドロップバッグに入れていたのでなんとかなったのですが、レースを通じて変える気がなかったその2点の替えはありません。
これが決定的でした。
洗えばいいだけの話なのですが、泥々でジャブジャブのトレイルを走ったカーフスリーブは、火山灰の真っ黒な砂でジャリジャリです。
アンダータイツも翌朝までには乾かないでしょう。
心身の準備が整わず、装備も充分でない、3ストライクアウト。
参加できる状態ではありませんでした。

翌日の午前中は、サポーターの友人がふじてんリゾートで開催されたトレラン大会に参加するというので、応援しに行きました。
短縮されてなければUTMF真っ最中でした。
友人はサポーターの合間に出る計画だったとのことで、そのタフさに感服します。
大会中は雨が断続的に降っていて、観戦したりランニングカメラマンの真似事をしたりしていた私は、雨具を上下着込んでました。
ふじてんリゾートは河口湖に近いので、この時点では、まさか、富士山の反対側まで激しい雨に見舞われているとは思ってもいませんでした。

その後、大池公園の会場に戻り、一通り見物と買い物を終えて、昼食、お風呂と、のんびりすごしていると、SMSに下記のような入電がありました。

「荒天の為15:02現在選手が到着した各エイドで一時中断します」15:07

回復すれば再開かななんて会話をして帰路に着いてすぐに、再度の入電です。

「大雨により、安全なコースの確保出来ない為、STY及びUTMFを中止します。
サポーターは選手と連絡を取り、エイドへ迎えに行って下さい。」15:55

この時点では、やはり出ないでよかった、という感想が強かったのです。
2日続けてどしゃ降りの中を走っていたら、やわなトレイルランナーである私は、しばらく社会復帰出来なかったことでしょう。
そんなことを車中で話しているうちに、だんだん、UTMFからオープン参加したランナー達はどんな思いでこの決定を聞いたのだろうと思うようになりました。
彼らにとっては、前日のUTMFが短縮で終わり、代替措置とも言えるSTYはスタート後の中止で、2日続けて天候に泣かされたことになります。
STY参加者にとっても、レースが成立しないで中止というのは、いくら天候のせいとはいえ、どんなに無念だっただろうかと思います。
でも、2日続けてあの悪天候のレースに挑んだランナーは、UTMF史上一番の猛者であると思います。
同じく、中止になるほどの悪条件を乗り越えたSTY参加者もまた猛者であると思います。
そんな猛者達が無事でよかった、本当に思います。

この記事を書いているうちに、先行予約で注文していたUTMF2016のDVDが届きました。
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映像は雄弁で、STYのコースが私の想像以上にひどい状況だったことがわかりました。
「マラソンジャンキー」の小野さんが撮った映像では、山肌を濁流が流れてコースを横切っていたり、コース自体が沢のように水の通り道になっていたりと、とてもじゃないけど、安全に走れる状況になかったことが見てとれます。
そんななかでも、レース後からYoutubeに上がっていましたが、涸れ沢が激しい濁流と化している衝撃的な映像は、そのひどく危険なレースを象徴していたと思います。
しかし、こんなに危険な状況に直面しても、それを乗り越え無事に帰還できた全てのランナーに、心からの敬意を覚えます。

私もトレランを続けていく限りは、いつかこうした悪天候に対峙しなくてはならない日が来るのかもしれません。
でも、どんなときも無事に帰ってくることができるように、自律した登山者かつ強いトレイルランナーでありたいと思いを新たにしました。
精進です。