竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感です。藤沢周平が好きです。

海に帰るー若狭路トレイルラン2017速報

若狭路トレイルラン2017のショート15kmの部に参加して、2時間27分51秒で完走しました。
暑くて辛かったですが、楽しい山でした。
今は会場で、ロングの部43kmに参加している友人のフィニッシュを待っています。
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「フィニッシュは海です!」のアナウンスが会場に響いてます。
その通り、海に帰ってきます。

初上陸ー若狭路トレイルラン2017予報

9月24日に開催される若狭路トレイルラン2017の15kmの部に参加します。

会場は三方五湖のある福井県若狭町です。

福井県はこれまで列車で通過した経験しかない私ですが、今回初上陸することとなります。

そういえば「経県値」と称して、都道府県の滞在経験をスコア化できるサイトがあります。

けっこう面白いもので、何年も前から旅行や出張の度にスコアを出して、こっそりほくそ笑んでいます。

今回は前泊するので経県値が上がることになります。

またほくそ笑むのだと思いますが、それがなくとも、初めての場所に行くワクワク感をまた享受したいと思います。


東京から参加する友人Bさんと、帰省先の京都から参加する私との同行二人です。

Bさんは43kmの部にエントリーしていて、ITRAポイント獲得を目指します。

滋賀県米原駅で待ち合わせて北陸線に乗り、福井県敦賀小浜線に乗り換えて、前日受付のある三方駅まで行きます。

受付会場では福田六花さんのライブもあるそうです。


レースは、日本海に面した食見海岸をスタート・フィニッシュとするラウンド型のコースです。

私は15kmの部にエントリーしています。

今回は短い距離なので、いつものデューロ6ではなく、4月の青梅高水の参加賞でもらった小さなリュックで参加します。

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初めての土地で初めて使う道具というのも、また趣があると思います。

でも、よく考えたらトレランなんて、そういう初めてに初めてを重ねることばかりのような気がします。

だからワクワクするのかも。

ハイドレデューロー信州戸隠トレイルラン2017余録2

信州戸隠トレイルラン2017の装備などの備忘録です。

夏休みの残りを取得して両親の住む京都に来ています。

京都には進々堂というパン屋さんのチェーンがありますが、私はそこの四条烏丸にある店舗が好きで、京都に来ると大体そこで昼食をとって、コーヒーを飲みながらぼんやりしています。

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ランチはタルティーヌセットが美味しく、パンも美味しく、コーヒーも美味しく、美味しい以外に言うことないお店です。

観光客も多くなくて入りやすいです。

比叡山インターナショナルなどで京都に行かれる方に、ぜひおすすめします。

私のイメージの中でのおしゃれなOLみたいなことを言ってしまいましたが、私自身はしがないサラリーマントレイルランナーです。

本題に入ります。

 

トレランリュックのオスプレー・デューロ6は、今年の4月に購入してから全てのレースで背負っています。

重心が高いため、背負っていて重みを感じにくいのが一番気に入っているポイントです。

特に最初の3レースはフロントポケットのボトルのみで出場したため、背中に水分の重みがない分、余計に軽さを感じていました。

これがハイドレーションを背負ってたらどうなんだろう?

ずり落ちてこないかな?

という疑問があったのですが、なかなか検証できずにいました。

7月の美ヶ原で1度付属のハイドレを使っているのですが、このときは雨でリュックの上からジャケットを着ている時間が長く、背中とリュックとの密着度が高かったので、あまり参考にはなりません。

一般的には背中との密着度が高いと、リュックの重みを感じることはほとんどありません。

美ヶ原のときもジャケットを着込んでいるときは背中の重みを感じず、脱いだ後は後で足の痛みが気になっていたため、背中のことはほとんど意識の外でした。

今回初めて、ハイドレを搭載したデューロ6の印象がつかめたので、ちょっと記録しておきたいと思います。

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信州戸隠トレイルランの50kmの部は、スタートから第1エイドまでが長く、コース高低図に従うならば25km弱あります。

25kmの間隔というのは、エイドがあるレースでは稀に見る長さだと思います。

しかも50kmのレースなのに。

私は、エイドの間隔が15kmを超えるレースではハイドレを使うことにしているため、今回は1Lの水を背負って走りました。

重みやずり落ちを感じるかどうか、ある程度意識していましたが、特に問題はありませんでした。

やはり高い位置に重心がきて、それが安定してキープされています。

重心が下がることによる重みを感じることは、ほとんどありませんでした。

ただし、背負った容量が水の分だけ増えているため、チェストストラップの回りがきつくなっていました。

それで重心が落ちて来ないのかもしれませんが、ちょっと締め付けが厳しく、ほんの少しだけですが息苦しさを感じました。

ストラップを最大に長くしていてもそうなので、構造の限界のようです。

締め付けられてリュックが落ちない分、重くは感じないのですが、少しだけ気になりました。

でも、この重心の高さは魅力的です。

使いはじめの2レース続けてDNFしたときはどうしたものかと思いましたが、私としては、やはり、今まで使ってきたトレランリュックの中で一番かなと思っています。

容量的に100kmを超えるレースでは厳しいかもしれませんが、これからも色々と活躍してほしいと思います。

 

装備

サングラス:スワンズのイエローレンズ

帽子:イノベイト

頭:Haloバンド

首:手ぬぐい

シャツ:デサントジップ半袖

インナー:ゼロフィット旧型

アームスリーブ:ファイントラック

手袋:サロモン

ズボン:ノースフェイス腹巻きパンツ

タイツ:C3fit

カーフスリーブ:CEP

靴下:ドライマックス

靴:テクニカ・インフェルノ

リュック:オスプレー・デューロ6

水分:ソフトフラスク500mL×2、オスプレー付属のハイドレーション(水1L)、予備ソフトフラスク250mL

雨具

上:サロモン・ボナッティ

下:ノースフェイス・ストライク

テーピング:ニューハレ・Xテープ×4、Vテープ×2、Iテープ30cm×2、ゴンテックス・足裏貼足

極楽はどこだー信州戸隠トレイルラン2017余録1

信州戸隠トレイルランレース2017の後の月曜と火曜に、夏休みを取りました。
9月中に取らなくてはならなかったのと、新宿~会場間の直行アクセスバスの申し込みに、自分の手違いで失敗してしまい、それならいっそ後泊してしまえ、との開き直りからの夏休みでした。
とはいえ、レース前後を観光気分で過ごせて、よい骨休めになりました。

戸隠入りは新幹線と路線バスを乗り継ぎましたが、これが結果的には当りでした。
何が当りかというと、当たり前のことですが、観光と食事が自由にできることです。
戸隠は戸隠神社門前町で古くからの町であるため、見所がけっこうありますが、直接受付会場まで行ってしまうと、ゆっくり観光する時間をとるのが難しいのです。
また、受付会場の戸隠スキー場には、飲食店がなかったようです。
路線バスならばその点、戸隠内のシャトルバスの時間と相談しながら、自由に予定を組めます。
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スタート会場の戸隠中社にも、前日にお詣りして願掛けすることもできます。
食べるところも、中社エリアをはじめ、路線バスの沿線にたくさんあります。
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くるみペーストで食べる忍者そば、美味しゅうございました。
長野まで高速バスを使えば、料金も直行バスと同じような水準に抑えられます。
遅れるリスクがあるため、行きは新幹線にしましたが、帰りはバスで安く帰ることができました。
戸隠内のシャトルバスが充実していたからというのも大きいのですが、乗り継ぎの旅も悪いものではありませんでした。

後泊は長野の市街地で。
戸隠中社のバス停から最終バスで1時間強で長野駅到着、宿は長野駅近くのアイランドホテルでした。
近くの郷土居酒屋でビールと山賊焼きで心身に栄養を行き渡らせます。
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志賀高原ペールエール、美味しゅうございました。
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大判の山賊焼きでしたが、カレーマヨネーズを付けると食が進みました。
さらにホテルの近くのレッドドラゴンというパブで、野沢温泉の里武士さん(イギリス出身)が造ったビールをいただきました。
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マスターは東京は本所吾妻橋ご出身とのことです。
色々な人が色々な所から集まって来て、色々やってるのは色々楽しいなと、いつもより酔いの回りが早い頭で思っていました。
穏やかな夜でした。

翌日、この夏休み最大の目的、善光寺詣でに向かいました。
ホテルからは2kmほどの道のりでしたが、歩いて行きました。
本当は長野電鉄に乗っていきたかったのですが、時間が合わず、結局帰りも徒歩でした。
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ゆっくり歩いて山門に到着したのは9:20頃。
善光寺には本堂内陣の下の暗闇に本尊と繋がる錠前があり、それに触ると極楽往生できるというのです。
人並みには業の深い人生を送っているトレイルランナーである私なので、極楽往生ができるならば是非お願いしたいのです。
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本堂にはすぐに到着しました。
拝観料500円を払ってから内陣の見学とお詣りを済ませ、いざ本堂下の暗闇に入りました。
普段は観光客が列をなしているそうですが、このタイミングでははたまたま私の前後に人がおらず、暗闇を一人で進むことになりました。
真の暗闇で一人きりになることは、恐怖の一言につきます。
そして、自分が息をするための空気が目の前にあるかどうかすらわからず、息苦しさを感じます。
見えないものの代表である空気ですら、普段は見えてるんだなと実感しました。
息苦しさを感じながらも、右の壁にピタリと身をこすり寄せながら暗闇を進みます。
極楽はどこだ。
早く息がしたい、と思いながら歩いていると、やっと錠前のようなものに触ることができました。
極楽はここか。
こんな私なのに、極楽往生が約束されてしまいました。
ありがたいことです。

善光寺やその周辺は見ごたえのある場所が多く、歩いてて楽しかったです。
特に権堂という商店街の不思議な雰囲気は、他で味わったことがありません。
お暇であれば、ぶらり歩いてみることをお勧めします。
一通り見物してからホテルに戻り、荷物を引き取って昼食に向かいました。
長野で最後の食事は、山小屋のカレーライスです。
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長野駅近くにある「山小屋」というカレー屋さんは、見た目も山小屋。
ここの名物は納豆をトッピングしたカレーです。
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この日はランチセットのヒレカツカレーに、納豆をトッピングしました。
これがまた、美味しゅうございました。
濃いめのカレーに納豆の香りが溶け込む感覚と言えばいいでしょうか。
納豆とカレーがこんなに合うものとは、全く予想してませんでした。
教えてくれた人には感謝です。
お腹を満たして高速バスに乗り込み、ビールで一眠りして帰京しました。

レースの直前直後はどうしてもあわただしくなるので、全てが極楽旅とはいきませんが、やっと取れた夏休みを満喫はできました。
ちなみに、戸隠の一の鳥居から善光寺までは11kmほどだそうです。
ほぼ下り基調でしょうし、自分の足でたどってもいいのかもしれません。
心身ともに元気であればですが…。
いつになるかな。

やっぱり歩いて帰ろうー信州戸隠トレイルラン2017レポート4

信州戸隠トレイルラン2017のレースレポート第4段です。
この台風の中、権現岳~赤岳の縦走の拠点まで行って引き返してきました。
それで更新できなかったのですが、その話はまた後日できればよいと思います。
いい加減フィニッシュします。
戸隠奥社の森を抜けて第3エイドに到着しました。
ここから牧場をループする「引き回し」コースに向かい、戻ってきた再度の第3エイドは40km地点になります。
そこからフィニッシュまでの10kmは、瑪瑙山への長くてだらだらした登りが特徴的で、残りはゲレンデを下ります。

晴れた戸隠牧場は緑色が柔らかく、本当に気持ちよかったです。
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コースはいったん牧場を登りきってから、下りに入ります。
ループが2つあるような形状のコースで、1度下りきって左に曲がると、2つめのループに入ります。
2つめのループは初めは下りで、下りきるといったん牧場の外に出るようです。
この牧場の外エリアは飛び石のない渡渉が2回、避けられない泥沼のようなぬかるみが2回と、なかなかハードです。
それまでどんなにきれいに走れても、ここで必ず靴を濡らすことになります。
むしろここまでたどり着いたら、足は絶対にびしょ濡れになると覚悟したほうがよいでしょう。
それはある意味、完走のための必須条件です。

足をビショビショにして牧場内に戻り、牧草地を登り返して左に曲がると、一つ目のループに戻ります。
ここでは牛の親子が出迎えてくれます。
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黒毛短角和牛でしょうか。
いつか、もしかしたら食卓でいただくことになるのかもしれません。
そのときはよろしくお願いいたします。
少し行くと馬の親子も。
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牧歌的とはこのことでしょうか。
ただ、その先の車道の真ん中で車にひかれたかランナーに蹴られたか何かで蛇が死んでいて、野生で生きていくのは厳しいなと思わざるを得ませんでした。
戸隠牧場のループは極力走るように、登りも急ぐように心がけました。
時間に余裕がなくなってきたため、頭とからだがバラバラだから走れません、とか言ってられなくなりました。
走らなくてはならないときには走る、当たり前のことですが、自分が納得してそれをやれるのなら、それに伴う苦しみは楽しみにもなります。

2度目の第3エイドは40km地点になり、関門時刻(出発関門)は15:00です。
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14:30前に到着しましたが、想定より30分遅いタイムです。
牧場だけは走っていても、それまでゆっくりしすぎていました。
ただ、このエイドからの残り10kmを2時間30分で進むことができれば完走のフィニッシュです。
フィニッシュできるかどうかある選手に聞かれたので、だらだらした長い登りで気持ちが切れなければ、と答えました。
私にしては珍しく、この日は周りのランナーとあまりおしゃべりしていませんでした。
1度目と2度目の第3エイドで少し話した以外、まとまった会話をした記憶がありません。
図らずも内省的なレースとなっていたようです。

最後のセクションです。
朝に登った瑪瑙山へ、朝とは違う登山道から登って行きます。
キャンプ場の中から登って行く道ですが、ここも信越五岳と同じコースになっています。
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ビニールをかぶって準備万端でしたが、今年は台風でコースが短縮になったため、選手がここを通過することはありませんでした。
しっかり準備されている姿を見ていただけに、残念な思いがひとしおです。
それでも、安全に運営するためには致し方のないものだと思いますし、今のところ適切な判断であるとも思います。
そして、私としてはどうしても、UTMF2016を思い出してしまいます。

瑪瑙山への登りは2段構えが2回続きます。
まず最初のイースタンキャンプ場からの登りは、樹林帯をダラダラと長く、斜度を変えて2段構えで待ち受けています。
比較的緩いけど長い登りを終えて右にトラバースすると、左側に急斜面の登りが見えます。
この急斜面は長くないのですが、樹林帯を抜ける手前に避けようのないぬかるみがあり、そこにかけてある木道も踏むと傾きます。
なんかのトラップでしょうか。
傾いた瞬間、思わずワー!っと悲鳴をあげてしまいました。
大人げないなと思ってましたが、通過後に背後から他の誰かが同様に悲鳴をあげているのが聞こえてきて、一人じゃないなと安心しました。
ただ、悲鳴をあげた方が怪我などしてなければよいのですが…。
そこを抜けると樹林帯が終わり、瑪瑙山への登りの第1段が終わります。

樹林帯を抜けると、1度下りに入ります。
私は2015年に出たときの記憶が曖昧になっていたので、これでもうあとは下りかと思っていましたが、そうは問屋が卸さないのです。
下った後に登り返しがあります。
それも急斜面の。
瑪瑙山への登り2段構えの、第2段です。
朝に登ったコースに途中から合流して、さらに斜度が上がります。
最後の登りです。
この登りはスキー場のコースになっているため、太陽が身体をじりじり焼いてきます。
この日はサングラスが必携でした。
この瑪瑙山への最後の登りは、最終盤の46km地点にあたります。
いい加減力も残っていないのですが、とにかく進むしかないのです。
歩みは止めず、でものろく、とにかく登りきりました。

瑪瑙山の山頂手前のリフトからは、おなじみとなった戸隠連峰高妻山
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少し行った先の瑪瑙山山頂からも。
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霞がかかったような、柔らかい景色が印象的でした。
下り始めもこのコンビが。
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ここまで来たか。
しっかり走れよ、と言われているようです。
ここに見えているゲレンデの下りは足下が土や草で、斜度は急なものの走りやすく、気持ちがよかったです。
戸隠連峰高妻山に向かって吸い込まれるような感覚です。

このゲレンデを下りきると右折します。
スタッフが「あと2km!」と声をかけてくれます。
あと2kmか、このとき時計を確認したら9時間8分でした。
制限時間10時間には余裕があります。
ゆるりと行ってもいいかなと思って右折すると、砂利道が始まりました。
左のアキレス腱に故障を抱えていた私ですが、このレース中は追い込んだり無理をしなかったりした甲斐があって、痛みの再発がなく済んでいました。
ただし、瑪瑙山への登りで若干違和感が出てきているのはわかりました。
同様に直前の下りで、6月に痛めた右膝にも違和感が出始めていました。
砂利道は硬い上に不整地で、足首や膝に細かいぐらつきを与えます。
ぐらつきが腱や関節に悪影響を与えるかもしれない。
あと、6月の菅平でフィニッシュまで5kmのところの岩だらけの道でこけちゃって、それで右膝を痛めています。
フィニッシュ前の集中力が切れやすい時間帯に、上の空で走っていたために起きたケガでした。
それもあったため、ここで走るのを避けました。
もうケガはしたくない。
もう歩いたって間に合う。
もう大丈夫。
歩こう。
2kmの砂利道をジャリジャリ言わせながら歩いて下ります。
走りません。
抜かれても気にしません。
がんばりません。
歩いて帰ります。

やがてフィニッシュが見えてきました。
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戸隠連峰高妻山も出迎えてくれています。
会場のMCも聞こえ出しています。
いったん砂利が切れるところがあったのでそこは少し走りましたが、すぐにまた歩き出します。
ゲレンデを下りきって、フィニッシュゲートへのストレートに入ります。
歩きながらMCのラッチさんの声にこたえて手を振ると、「自分のペースで来ていいから!」と声をかけてくれました。
走るつもりは毛頭ないのですが、ならば歩くよと、最後まで歩きながらフィニッシュしました。
9時間26分36秒、2015年のレースより2時間近く余計にかかりましたが、これが今の私なのです。

不思議なことに、この2ヶ月悩んでいた左足アキレス腱の痛みは、その後収まっています。
なんのセラピーか全くわかりませんが、50km走ったにもかかわらず快復に向かっているのです。
歩いて帰ったのがよかったのでしょうか。
トリプルマスターも嬉しいのですが、痛みが引いたことのほうが嬉しいと思っています。
戸隠の奇跡。
ちょっと言い過ぎましたか。
でも、あると思います!

坂だー信州戸隠トレイルラン2017レポート3

信州戸隠トレイルラン2017のレースレポート、第3段です。
第1エイドを4時間18分で出発し、戸隠古道を鏡池の第2エイドに向かい、その後、戸隠奥社の森を抜けて戸隠牧場まで行きます。
第1エイドから第3エイドまでの道のりは比較的高低差が小さく、ロードや木道などの整備された路面も多いので、いわゆる「走れる」区間です。
私はトレイルランレースの山岳区間は登りも下りも好き(得意かどうかは別…)なのですが、走れる区間はある意味苦手としています。
走れる区間は、高低差が小さかったり景色の変化が小さかったりと刺激が単調なので、なんだか集中力が保てないのです。
集中力が保てなくなると、平坦な道ですらいつの間にか歩いています。
そんな悪い癖が今回も出てしまいました。

一の鳥居から中社までの戸隠古道は、ダブルからトリプルトラックくらいの広さがあり、登り基調ですが高低差が緩やかで走りやすいトレイルです。
森も美しく、非常に気持ちのよい道です。
しかし、私はいつもと同じく、走っては歩き走っては歩きを繰り返していました。
走らなきゃいけないと思いつつも、いつの間にか歩いてしまっているのです。
ギアがローからセカンドに入らない、もしくはセカンドから勝手にローに戻ってしまう感覚といえばいいでしょうか。
走れるトレイルなのに。
この走れなくなる理由として最大のものは故障による練習不足ですが、とはいえ、今は制限時間を気にしながら行かなくてはなりません。
最低限、キロ10分以上かかることのないよう、スピードを調節しながら歩きました。

信州戸隠トレイルラン名物、宝光社の石段にたどり着いたのは第1エイド出発から50分弱経ってからでした。
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石段手前の私設エイドのリンゴとみそきゅうり、美味しゅうございました。
たしか、前回参加時もいただいた気がします。
宝光社から中社の間は戸隠の町中を通りますが、私設エイドがいくつか出ていて、大変ありがたかったです。
なかでも一番嬉しかったのはあめ玉でした。
あめ玉をかみつぶすことで、だれていた気持ちが少しシャキッとした気がします。

宝光社から中社に向かう途中には、応援ボードもいくつか設置されていましたが、なかでもこのボードは秀逸でした。
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坂だ。
見りゃわかるわい!
でも、強く好感を持ちました。
がんばれっ!ていうような真っ直ぐのメッセージも嬉しいのですが、こういうシュールでありながらもランナーに寄り添う視点から発せられる言葉に、心が踊ります。
坂だ。
おう、坂だ。

坂だの坂を越えてしばらくすると、中社エリアの裏側から山道に入ります。
入り口にある足の神様に頭を下げてから、再入山しました。
ここからまずは小鳥ヶ池に向かいます。
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小鳥ヶ池から鏡池の第2エイドまでは2〜3kmです。
このエリアも信越五岳とかぶる美しい森のトレイルです。
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信越五岳の選手は最終盤にここを通過します。
台風がそれて、かつ明るい時間にここを走れれば、とても気持ちがよいのではないかと思います。
鏡池にはスタートからほぼ6時間で到着しました。
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13:00頃の鏡池は観光客が多く、人気の景勝地であることがわかります。
2015年大会ではたしか曇っていて戸隠山が見えていなかったのですが、この日は薄く雲がかかっているものの、その姿を見ることができました。

第2エイドには7〜8分滞在して出発しました。
そこまでで32.5km来ているそうです。
ここからは木道やコンクリート板の上を走る機会が多くなります。
しかもほぼフラット。
走りやすいはずですが、私はここでも走っては歩き走っては歩きを繰り返していました。
まだ集中力が保てないのです。
名前を知らない花に心引かれ、
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何度も見たことあるのに名前を知らない赤い実にも心引かれ、
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というのを半ば言い訳にしながら、写真を撮りつつゆっくり進んでいました。
やっとまとまった長い距離を走れるようになったのは、戸隠奥社の参道を横切った後です。
それまでは心と身体が繋がっていない感覚が強かったのですが、この付近でやっと繋がり始めました。
心と身体が繋がっていないとは、意思と動作がバラバラになる状態と言えばいいでしょうか。
そういう時は何をしてもうまくいかず、苦しかったり辛かったり、まあ大変な思いをして進んでいるのは、トレイルランナーの皆さんにはおなじみな状況だと思います。
ただ私は、そういう状況から復活して、再び意思と動作が一致する状態に戻ったときの、心と身体が繋がったときの、あの自己一致感がたまらなく好きなのです。
明後日の方向に話が行きそうなので詳細は控えますが、私は産業カウンセラーというカウンセラーの資格を持っています。
そのトレーニングの中で特に重視されるのが、自己一致の感覚です。
平たく言えば、自分が自分でしかなく、確かに自分であると思える感覚、と言えばいいでしょうか。
私がトレイルランニングが好きな理由の多くは、この自己一致を強く感じられるスポーツであることにあります。
自分が自分であり、自分の意思が即、自分の行動であるような。
これは山岳信仰で用いられる身心一如(心身一如)という概念に近いのではないかと、勝手に思っているのですが、よくはわかりません。
後はゾーンとかフローとか呼ばれる感覚も、この自己一致の一種なのかなと考えていますが、これもよくはわかりません。
カウンセラーの資格を取ったのはトレイルランニングにはまった後でしたが、自分がなぜトレイルランニングが好きなのか、そのことを言葉ではっきりつかむことができたのは、カウンセラーのトレーニングを受けたからでした。
要は、私はトレイルランニングを通じて、自己一致あるいは身心一如の感覚を享受したいのだと思います。

話が大きくそれました。
酔って記事を書くと大体話がそれます。
さて戸隠牧場の入り口にある第3エイドに到着したのは、確かな記録がないのですが、記憶では13:45頃だったと思います。
ここからは戸隠牧場をぐるっと回って、再び第3エイドに戻ってきます。
戻ってきた第3エイドは40km地点です。
菅平、美ヶ原、そして戸隠、信州トリプルマスターズのレース全てに共通するのは、この牧場ぐるっと引き回しセクションが必ずあることです。
ここまで菅平に美ヶ原で、回って回って。
トリプルマスターズ最終の戸隠で、また回って。
ということで、回って参りましょう。

それで済むのならー信州戸隠トレイルラン2017レポート2

信州戸隠トレイルラン2017のレポート第2段です。
瑪瑙山の登りを終え、飯縄山に向かいます。

瑪瑙山を過ぎると、飯縄山の登山口に向かって下ります。
怪無山の小さな登り返しはあり、また少し急ではあるものの走りやすい下りです。
この日は水蒸気で若干モヤってはいるものの、快晴で視界がよく、それも気持ちがよかったです。
若干右膝に痛みのような強い違和感のようなものを覚えたため、スピードを緩めて着地の衝撃を和らげます。

下り切って飯縄山に向かう森の中もまた気持ちよいトレイルです。
ここは信越五岳と同じコースを使う場所で、ポイントには信越五岳で使う看板が設置されていました。
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準備播但線、じゃない準備万端。
信越五岳と信州戸隠はコースが重なる場所が多く、この戸隠エリアでは、両レースの関係者が一緒に整備作業をしていたとのことです。
関係者といえば、もちろんあの方も。

この、瑪瑙山を下山してから飯縄山に向かうトラバースは、美しい森の中を川に沿って走る幻想的なトレイルです。
森が深くあまり日が射さないところのようですが、
たまに射す場所に来ると、別の幻想的な景色となります。
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よく晴れた日の木漏れ日は力強いです。

飯縄山の登山道は古い鳥居から始まりますが、最初は森の中を登ります。
結構な急斜面です。
やがて森を抜けても、しばらくは登りが続きます。
森の中は涼しいのですが、森を抜けた後は直射日光にさらされて、暑さというよりは熱さを感じます。
少しもうろうとしかけながら一歩一歩進みますが、この日のレースではここが一番きつかったかもしれません。
なんとかレース最高点である南登山道分岐まで登りきると、そこになんとあの方が。
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石川弘樹さんがスタッフとして仕事をされていました。
前日の説明会で石川さんがサプライズスタッフとしてどこかで待ってる、という話はアナウンスされていました。
そこで言っちゃったらサプライズじゃないでしょ、という脳内突っ込みを入れていた方は多いと思いますが、それを聞いたとき会場は盛り上がっていましたし、私も楽しみにしていました。
石川さんはここが17kmほどの地点であること、南登山道はハイカーが多いのですれ違いや追い抜きに注意することと、先にある歩行区間について案内していました。
自分主催のレースでなくとも、同じトレイルを共有する仲間に力を貸している姿に敬意を覚えます。
信越五岳も無事に成功するよう祈っています。

石川さんのいる南登山道分岐からは、長い下りに入ります。
下り始めたのは9:45頃、スタートから2時間45分が経過していました。
私は2015年大会で、周囲がドン引きするほどの大転倒をこの飯縄山南登山道で決めましたが、今回は最上部で軽い尻餅をつくにとどまりました。
まだ森にはいる手前の笹原の中の道で、乾きかけた泥にうっすら覆われている岩で何度となく滑り、ついに1度、派手に滑って尻餅をつきました。
この日履いていたインフェルノはラグが浅くなりつつあり、こうした岩への噛み付きが弱くなっていたのです。
前日の説明会でぬかるみが多いと聞いたときに、インフェルノで大丈夫か不安がよぎったので、アディダスブースのレンタルシューズを試したりもしました。
しかし、アキレス腱への当りの柔らかさやクッション性への信頼など、総合的に判断してインフェルノで出走しました。
少しグリップへの不安が残りますが、岩で滑るのはしかたないと割りきります。
尻餅だけで済むのなら、それで御の字です。
2015年大会では、文字にすれば前方1回転半捻り右側面落下みたいな、アクロバティックな大転倒を決めてました。
今回はこの尻餅1回です。
それで済むのならそれでよいのです。

南登山道は、下り坂としては急ではあるものの、スピードにも乗れる絶妙な斜度の山道です。
ハイカーがいるときは歩きますが、無理をせず、山の斜度に身を任せて下ることができました。
ただ、若干スピードを緩めすぎて前腿に負担がかかっていたようで、後々に響きました。

飯縄山を下り切った後、林道やロードを2〜3km経てから戸隠古道に入ります。
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この戸隠古道は、善光寺と戸隠奥社をつなぐ山道で、かつての参詣の道です。
現在の車道は、この古道に並行するようにつけられています。
レースはここから、この古道に沿って走ることになります。

第1エイドは戸隠神社の一の鳥居に設けられていました。
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エイドの手前にいくつか常設の立派なトイレがあるため、そちらを利用してから、4時間8分で到着しました。
ここの関門時間はスタートから5時間なので、余裕はあります。
目標は4時間だったため多少遅れましたが、ここは25km地点が近いので、ほぼ半分まで来ることができました。
給水、ゴミ捨て、コーラにバナナ、マッサージ…。
やることをやった後、椅子に座ってしばしボケーっとします。
そばの救護テントには、体調不良でリタイアした選手が寝ています。
やはり熱中症なのでしょうか。
元気になっていてほしいものです。

第1エイドには10分ほど滞在して出発しました。
時刻は11時を過ぎてどんどん気温が上がる中、戸隠古道をひた進みます。