竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

ハカマイルは20マイル

先日、久しぶりに練習でロング走をしてきました。
その名もハカマイル。
そうです、ご推察の通り。
走ってお墓参りしてきましたというお話です。
おなじみのオールブラックスのハカとは関係ありませんので悪しからず。
とか言いながら、ハカ前のオールブラックス(ナミビア戦)。
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ハカとか墓とか言ってたら喪服に見えてきました。
この試合のオールブラックスは異次元の強さでした。
ナミビアの序盤の頑張りにも心打たれました。
個人的には、私の大好きなベン・スミスの活躍が嬉しかったです。

話を戻します。
私の家から母方の墓があるお寺まで、片道約16kmであることを知ったのが8月のことでした。
マイルにすると10マイル。
往復で32km=20マイルになる道のりは、ロング走の練習としてちょうどいい距離です。
お彼岸も近いし一度やってみるか、と思いながら、お彼岸も過ぎれば10月も終わり、立冬すら過ぎてからようやく着手した練習です。
ここまで引っ張ったのは天候もさることながら、走る意欲が低下した時期と重なったからでした。
ともあれ、ルークの福音に触れてやっと奮い起こせた意欲をまた失わないうちに、小さいことからやるしかありません*。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2019/11/11/211308

Googleマップを頼りに、住宅街をくぐり抜けて、駅前の雑踏をすり抜けて、ハイソな通りで所在のない思いをして、最後は長い登り坂で激走して、やっとこさ目的地にたどり着きました。
約16kmを1時間56分のタイムでした。
下り基調ながらも、初めて通る道に戸惑いながら走っていたため時間がかかるかなと思っていましたが、想定タイムに近くて逆に想定外でした。
想定通りなのに想定外ってどういうこと、というつっこみもあるかと思います。
たぶん、私の感覚的な速度が実際の速度とずれているところに、想定内なのに想定外となるトリックがあるのだと思います。
まあ、練習不足で感覚が鈍っているのでしょう。

先祖の墓にお線香をあげてから帰路に着きます。
来た道をそのまま戻るため、一転して登り基調となります。
このルートは比較的長い坂が多く、少しずつ体力を削られていきました。
おまけに、寄り道したり平地で歩いたりと集中力を欠いてしまいました。
ロードなのに平地で歩くなんて、いくら練習不足とはいえたるみすぎています。
自宅にたどり着くまで2時間6分、10分も余計にかかってしまいました。
32km=20マイルで合計4時間2分、お寺で過ごした時間も合わせれば4時間30分くらいでしょうか。
ロング走のついでが先祖の供養なのか、供養のついでがロング走なのか、どちらがついでかで罰当たりかそうでないかが変わりそうな気もしますが、やってることはまったく同じです。
ともあれ、一石二鳥のよい練習でした。
また、今回は初めてなのでビビってしまいましたが、次はハイソな通りでも堂々と走れるよう気持ちを上げていきたいと思います。
走る前にハカを踊っていこうかな。

小さいことー福音のルーク

先日の台風19号には正直参ってしまいました。
私自身は直接の被害を受けていませんが、台風が過ぎるまで緊張しっぱなしで、心身ともに万全になるまではそれなりに時間が必要でした。
甚大な被害が出たことに、今も心が痛みます。
立て続けに千葉県で集中豪雨災害も起きました。
被災された皆様に、心よりお見舞い申しあげます。
早く安らかな生活に復帰できますようお祈りいたしております。

そして、ここで一度、タイトルについてお断りをしなければなりません。
キリスト教の信仰を持たない私ですが、大学でカトリックの聖人について勉強したことがあります。
そこで知ったのが福音書の四聖人でした。
浅い知識ではありますが、福音書のルカについては、その音の響きのよさから記憶に残っていました。
ルークとはルカの英語読み(の日本語表記)です。
ところがこの記事は、福音書のルカについてのお話では全くありません。
ルークの名を持つあるラグビー選手の言葉に、私が救われたという趣旨のお話です。
その点、ご承知おきください。

さて、直接的ではないからまだよかったものの、台風19号によって私が被った間接的な被害としては、出場予定だったハセツネとFTR100Kの中止があげられます。
ハセツネは3年ぶり5回目の、FTR100Kは3年ぶり3回目の完走を目指していました。
トレランレースの中止なんぞはこの災害を前にすればとるに足らないことですが、個人的には目標を失ったことにより、完全に道を見失ってしまいました。
ハセツネもFTR100Kも、昨年の骨折以来遠ざかっていたロングディスタンスへの復帰がかかっていたレースでした。
どちらも制限時間が厳しくないので、ゆっくりでもいいから完走して、この距離でもまた行けるんだという自信を回復できればよいなと思っていました。
それなので、かける気持ちが今回は大きかったのだと思います。
この喪失感はかなりの大物で、これをもて余した私は、一月近くろくに走らない日々を過ごしておりました。

走らない間何をしていたかというと、ラグビーワールドカップにはまっていました。
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大学の同好会でラグビーをやっていた私は、人並みよりはラグビー好きです。
今回のワールドカップも、4試合スタジアム観戦しました。
準々決勝の日本vs南アフリカ戦を観に行ける幸運もありました。
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日本代表のプレーには心底感動しました。
ワールドカップの期間中、とても楽しく充実した時を過ごすことができました。
充実してたと思えるのなら走らなかったことくらいなんてこともないのですが、走る意欲を失っていたことに少し恐れがありました。
意欲を失ったまま、楽しみまで失ってしまうのではないかという恐怖心です。
そして意欲を保ち続けることの難しさを実感しました。
そんなこんなのうちに、12月の伊豆トレイルジャーニーが近づいてきてしまいました。
本当はハセツネとFTRを走ってから臨んでいたはずのレースが、ロングディスタンスのトレイルランへの復帰戦となってしまいました。
ちなみに伊豆トレイルジャーニーには、2013年の第1回大会以来の出場となります。
もうおしりに火がついています。
練習を再開しなくてはなりません。
減退している意欲を奮い立たせるのに、この手の切迫感の速効性には大したものがあります。
ただ、それだけではこの重たくなった腰を上げるにはまだ不充分でした。
もう一段ギアを上げなくてはならないのに、なかなかきっかけがつかめずにいました。

そんなときに思い出したのが、あるラグビー選手の言葉でした。
その名はトンプソン ルーク。
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この偉大なラグビー選手については、ググればいくらでも情報が出てくると思いますので、私からの詳しい紹介は省きます。
2015年のワールドカップから彼のファンになり、所属チームの近鉄ライナーズ秩父宮ラグビー場に遠征しに来た際、よく観戦しに行ってました。
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私が好きなのは、彼の全く手を抜かないハードワークです。
そんなトンプソンルークですが、10月13日のスコットランド戦の歴史的な勝利後のインタビューで、台風被害に比べればという文脈で、「ラグビーは小さいこと」と言い切りました。
もちろん圧倒的な自然の力を前にしては、人間の営為など小さいものだというのは、ある意味当然なのかもしれません。
しかし、彼は日本を代表するラグビー選手で、恐らく人生のほとんどをラグビーにかけてきているであろうことは容易に想像がつきます。
また我々一般人にしても、日々の仕事などは簡単に小さいことと言えるほど、小さいことではないと思います。
費やしてきた時間や犠牲にしてきたもの無しでは、その小さいことすら成り立ちません。
しかし、彼はそれを「小さいこと」と言い切りました。
自然の力の前では、自分の成し遂げたことなど小さいことなのだ、そう言い切れるその度量に感服しました。
そして、続く南アフリカとの準々決勝で、彼はその「小さいこと」に全身全霊で打ち込む姿を見せてくれました。
たとえそれが小さいことでも、真摯に取り組まなくては何もならないのだという言わんばかりに。
台風などの災害の被害に比べれば、私の描いていた復帰への道のりが閉ざされたことなんぞ、それがかなわなかった喪失感なんぞは小さいことなのです。
だから、小さいことに必要以上に惑わされるのはやめて、自分にできる小さいことを愚直に積み重ねてゆくしかないのです。
ただ、私がそのことに気がつくには、トンプソン ルークの発言を聞いてから、彼の粉骨砕身のハードワークを実際にこの目で見てからすら、2,3週間が必要でした。
日本代表が負けた相手の南アフリカが優勝し、ワールドカップ自体が閉幕してから、全てを振り返るなかで気がつきました。
福音のような言葉のありがたさに気づくのが、まあ、遅いこと遅いこと。

ということで先週から、10km帰宅ランを二日続けるところから走る練習を再開しました。
そして新たな練習「ハカマイル」にも、構想3ヶ月にしてようやく着手しました。
こうやって、小さいことを、少しずつ積み上げていければよいなと思います。
ちなみに、私にとっての福音のルークは、今シーズンのトップチャレンジリーグを最後に現役を引退します。
196cmの大男は、その全身全霊で小さいことをやり抜こうとしています。
私の最後の観戦機会は、2020年1月19日の秩父宮での試合となります。
その勇姿、目に焼き付けたいと思います。

名物と好物ー信州戸隠トレイルランレース2019余録

信州戸隠トレイルランレース2019の装備等の記録です。

頭:バフ・キャップ(白)
首:手ぬぐい
手袋:サロモン
シャツ:デサント半袖ジップネック
アンダーシャツ:マーモットPP
ズボン:ノースフェイス腹巻き風
タイツ:ゼロフィット
カーフ:CEPグリーン
靴下:ドライマックス
靴:テクニカ・シュプリームマックス

リュック:オスプレー・デューロ6
アームカバー:ファイントラック
雨具上:サロモン・ボナッティ
雨具下:ノースフェイス・ストライク
水分:ソフトフラスク500mL×2、250mL×2(予備)
その他:ライト、ファーストエイドキット

今回は結果的に雨が降らず気温が高くなったため、PP素材のアンダーシャツでは若干暑くなりました。
天気予報が雨だったので疎水性の高いアンダーで安全策をとりましたが、裏目に出てしまいました。
ほぼ同様の理由でアームカバーも不要となり、リュックにしまいっぱなしになりました。
とはいっても、判断は間違えていなかったと思います。
結果がよくなかったことの原因が人為とは違うところにある場合、どこまで人はその結果に介入できるのでしょうか。
図らずも大袈裟な話になりましたが、結果からの検証ってその点が難しいなといつも思います。

今回はテクニカのシュプリームマックスのデビューレースでした。
8月にハセツネの試走で履いたときに、両足の人差し指が擦れてヒリヒリするという事態が起きていたのですが、今回は問題ありませんでした。
走り心地はとてもよかったので、ヘビーローテーションは確定です。
ハセツネで履こうと目論んでました。
中止になりましたね。
詳しくは別の機会に書ければよいかなと思っています。

さてこのレースで戸隠に来るとき、私は前日の昼食は戸隠の地で名物の戸隠蕎麦を食べることにしています。
そういう人は私に限らないとは思いますが。
途中のどこかで食べてもよいのですが、その土地のものを食べることでその土地の力を自分の中に取り込みたい、という土俗的というか人類学的というか、その辺のなにかで表される欲望にとりつかれます。
今回は中社近くの、ゆたかやというお店で食べることにしました。
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好物の舞茸の天ぷら丼も付けてしまいました。
私にしては食べすぎで体重がけっこう重くなりましたが、美味しかったから仕方がありません。
翌日走るための力は充分に取り込むことができ、おかげさまで、それなりの結果でまとめることができました。
今度戸隠に行くときにも、同じように土地のものを食べに行こうと思っています。

それなりー信州戸隠トレイルランレース2019レポート3

信州戸隠トレイルランレース2019ミドルの部33kmの参加レポート、第3段です。
スタートから3時間50分ほどで、23km地点の鏡池にある第2エイドに到着しました。
鏡池戸隠連峰
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幸い天気予報が外れて雨にならなかったため、迫力のある山体がくっきりと見えています。
鏡池から先、ミドルの部にはもうエイドはありません。
ドリンク類の補給とバナナをモグモグなど、最低限のやるべきことだけ済ませて、5分ほどの滞在でエイドアウトしました。
残りは10km、ここまでのペースで走れれば、また1時間30分あればフィニッシュできそうです。
うまくまとめられるか、止まり始めた脚の復活にかかっています。

エイドアウト後、走り出してすぐに、またいつの間にか歩き出していました。
鏡池から戸隠牧場までは、戸隠神社奥社の参道周りの森の中を走るほぼフラットな道のりです。
路面は始めのうちは木道やコンクリート板が多く、余計に走りやすい区間です。
が、ちょっと走っては歩く、ちょっと走っては歩く、を繰り返してしまいました。
走れる区間は走り続ける、という目標は達成できませんでした。
疲れはそこまで感じていなかったので、集中力を切らしてしまっているとしか言いようがありません。
端的に言えば意志の力の問題で、私にとって永遠の課題のようです。
そんなこんなで、戸隠奥社参道にある随神門にたどり着いたのはエイド出発から12,3分後でした。
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この短い間によく歩いたもんだなと、軽く自分に呆れてしまいます。
ただ、こうやって写真を撮るなど前に進む以外のことをすると、私の場合、気分転換になって走りのスイッチが入りやすくなります。
道も戸隠牧場に向けてアップダウンが少しずつ出てくることも幸いしてか、少しずつ走る時間が長くなってきました。
また、エイドアウト後はほぼ一人旅でしたが、このあたりからロングの選手と前後するようになったことが刺激になりました。
まだ先が長いロングの選手がちゃんと走っているのに、残り10kmを切っているミドルの私が歩いているわけにはいきません。
人の目があるって、けっこう大事だよなと思います。

それにしてもこの区間では、エイドでフラスクに詰めたドリンクが美味しくて、大量に飲んでしまいました。
ドリンクはエイドの提供品を適当に混ぜ合わせて作ったのですが、これがうっかり美味しかったのです。
スポーツドリンク2:クエン酸ドリンク2:水1の割合で混ぜたのですが、ほどよい甘味でした。
雨が降らずに想定していたよりも暑さを感じたこともあり、ついつい水分補給のペースが早まってしまいます。
この日は第1エイドまでの山岳区間13kmで250mL、暑くなり始めた第1~2エイドの戸隠古道10kmほどで500mLを飲んでいました。
最近の私にしては飲み過ぎだなと思っていましたが、このフィニッシュまでのラストの区間でも500mLを飲み干すこととなりました。
この消費量の大きさは、ハセツネにおける水分補給計画に影響します。
直前のレースで課題が出たのは、本番でいきなり出るよりも良いことだと思うことにしましょう。
その本番があるかどうかは台風19号の進路にかかっています。

森を抜けて戸隠牧場に出ると、ミドルのランナーは直接瑪瑙山の登り口に向かいます。
ロングとの分岐にいたスタッフから、フィニッシュまで4kmで途中200m登る、という情報を教えてもらいました。
GPSウォッチを持っていない私にとっては、こういう情報は何よりもありがたいものです。
キャンプ場の中を通りすぎ、延々とまっすぐ登るルートに入りました。
この登り、私にとっては、走れるか走れないかギリギリのところを攻めてくる絶妙な斜度でした。
過去2回、ロングの終盤で通った時は走る脚は残っていなかったのですが、今回はミドルなので余力があるはずです。
試みに走ってみましたが、走り出した瞬間にやっぱりやめようと思ってしまいました。
身体のどこかが悪いとか痛いとかはなかったのでもっと攻めてもよかったのですが、なぜだか気持ちが追い付いてきません。
仕方がないので、最大限の早歩きで進むことにしました。
この登山道は落ち葉でふかふかのいわゆる極上トレイルですが、たまに落ちている枝が落ち葉に隠れています。
浮き石なんかもそうですが、落ち葉の下に危険なものが隠れている、秋のトレイルあるあるでもあります。
私はふと注意力を失った瞬間に、そうした枝を踏んでしまい、跳ね上がった枝で左のすねを強く打ちつけてしまいました。
魔が差した瞬間、山の神様が戒めてくれたのだと思います。
痛い思いをしましたが、なんとか長い登りを登りきりました。
最後のロングとの分岐を、フィニッシュ方向に曲がった頃には、スタートから5時間が過ぎようとしていました。
鏡池のエイドからは1時間ちょっと、あとはラストのセクションを残すばかりです。

このレース前に立てていた目標は、調子がよければ5時間切り、悪くても6時間は切る、という大雑把なものでした。
最低限の目標はクリアできましたが、上限にはもう届くことがありません。
ただ、こうしてラストのセクションに入って、5時間切りはないものの、ちょっと走れば5時間台の早めでフィニッシュできるんじゃないか?
少し欲が出て来ました。
幸い、瑪瑙山の登山道から分かれてフィニッシュの戸隠スキー場越水ゲレンデに向かう山道は、緩い下り貴重でとても走りやすいトレイルでした。
この日、序盤は山なりに抑え目で、中盤は私なりに追い込んで来ましたが、終盤でだれてしまう展開となってしまいました。
でも、この最後のセクションを無事に走りきることができれば、それなりのタイムでまとめることはできそうです。
こけるのが怖いのは変わらないのでかっ飛ばすことはできませんが、それなりに速く走ります。
それなりでいいのです。
フィニッシュゲートにたどり着いたのはスタートから5時間12分7秒後、2年ぶりの戸隠をそれなりに走りきりました。

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戸隠を離れる前のフィニッシュ会場、天気予報通りなら雨が降っているはずでした。
予報がよい方に外れてくれて本当によかったです。
今週の台風19号も、誰も傷つけない方向にそれてくれたり、途中で消滅してくれたりしないものでしょうか。
先月の台風15号による千葉の被災地、ラグビーワールドカップ、そしてハセツネ、全てが安泰であることを祈るばかりです。

私なりー信州戸隠トレイルランレース2019レポート2

信州戸隠トレイルランレース2019ミドルの部の参加レポート第2段です。
飯縄山の登り下りを終えて13kmの第1エイドに2時間20分ほどで到着しました。
コーラ、バナナ、飴などをいただき、クエン酸ドリンクをソフトフラスクいっぱいに補充してから出発しました。
滞在は5分くらいでした。
ここから第2エイドまでは10kmほど、その前半は戸隠古道のトレイルを走ります。
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戸隠古道は緩いアップダウンを繰り返す、比較的走りやすいトレイルです。
私はこうした走りやすい区間が苦手*で、ついつい集中力を切らして歩いてしまう癖があります。
*坂だー信州戸隠トレイルラン2017レポート3
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/14/203355
また、このレースは私のなかでハセツネの練習を兼ねています。
ハセツネ序盤の浅間峠までは、選手がベルトコンベアのように連なっていて、歩きたくてもおいそれと足を止められない状況で、暗に走り続けることが求められます。
癖をなんとかするためとハセツネ序盤対策のために、今回は戸隠古道を走り通すことを目標としました。
ペースは落としてもよいので、とにかく歩かないことだけ意識して走りました。
私なりに、軽くではありますが追い込むことにしたのです。
常に意識すればどうにかなるもので、歩かずに走り続けることはできました。
そのうちに宝光社にたどり着きました。
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第1エイドから40分くらい走り続けていたようです。
鳥居の脇にはリンゴの美味しい私設エイドがあり、あまりに美味しかったので3切れもいただいてしまいました。
ここの私設エイドは2015年にも2017年にもお世話になっていて、今回も出ていてくれて本当に嬉しかったです。
毎度ごちそうさまで、ありがとうございます。
リンゴの後は宝光社の名物、石段登りです。
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この登りで、大腿四頭筋が軽く筋肉痛をおこしていることに気がつきました。
飯縄山の下りでスピードを落とした際、前腿に負担をかけすぎたのかもしれません。
筋肉痛というものは気がついてしまうと気になってしまうもので、この後フィニッシュまで気になり続けてしまいました。
気にしても仕方ないのに、そして気づかなきゃよいのに。

宝光社の石段の後も、山道を登り続けると、中社近くの街中に出ます。
ここにもいくつか私設エイドがあり、飴玉をもらったり応援してもらったりと、本当にありがたかったです。
私設エイドって、その善意に心にジンと来るものがあります。
ただ、楽しみにしていた「坂だ」の貼り紙はありませんでした。
仕方のないことですが、少し寂しかったです。

このエリアを抜けると再度山に入ります。
鏡池に向かうトレイルは信越五岳でもコースになっているそうです。
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木漏れ日の気持ちの良い道のりでした。
山に入ってから、気づくと歩いていることが多くなりました。
このエリアは傾斜が緩いので、走れるトレイルであるにもかかわらずです。
筋肉痛の影響もありますが、集中力が切れ始めています。
よくない癖が出て来ました。
タイムはそこそこまとめることができているものの、まだ20kmくらいのところで足が止まり始めるのは、修行が足りていない感じがします。
また、私なりに追い込んだつけもあるのでしょう。
そんな状態でも、硯岩を通りすぎてから少しピッチを上げました。
ここまで来れば鏡池はすぐ近く、できるだけ元気にエイドインして、次の区間で立て直したいと思っていました。
手前のトイレで用を足して、第2エイド23km地点の鏡池にはスタートから3時間50分で到着しました。
第1エイドからは10kmで1時間25分、想定範囲の遅めのタイムです。
そこのところは第1エイド到着時とあまり変わりません。
よくもなければ悪くもないといったところで、2度目の休憩です。
うーん。
私なりに走ったんだけどな。

山なりー信州戸隠トレイルランレース2019レポート1

信州戸隠トレイルランレース2019ミドルの部の参加レポート第1段です。
レースの前日に行われた、ラグビーワールドカップアイルランドvs日本で、日本が金星を上げた興奮が個人的に冷めやらぬ中、8時のスタートを迎えます。
スタートから望む戸隠山高妻山
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朝日を浴びた山肌がきれいでした。
予報では午後から雨とのことでしたが、この時間帯はよく晴れていました。
スタート後は越水ゲレンデから怪無山を目指して登ります。
最初は意識の半分がラグビーのことで占められていて、レースのことはあまり考えずに登っていました。
ラグビー日本代表は、残るサモアスコットランドとの試合に勝つと、予選プールAを1位で通過します。
そうすると、私が観戦に行く準々決勝のカードは日本戦になることに。
これはもうジャージを買ってしまうか、でも高いしな、どうしようかな、てかまだ予選プールを通過できるかもわからないしな、なんて考えているうちに怪無山と思われるピークにたどり着きました。
スタートから20分くらいでした。
怪無山を越えたあたりから再びの戸隠山高妻山
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戸隠山のゴツゴツとした岩肌がくっきり目の前に見えます。
ここから下りに入るので、靴紐を締めなおし、ラグビーのことも頭から追い出し、集中して下り始めます。
この下りは始めのうちは浮き石が多い印象でした。
さほど傾斜はきつくないのですが、とりあえず転倒だけは避けるように、あまりスピードを上げずに走りました。
斜面の角度に合わせて脱力しながら下ると、速くなりすぎずに適度なスピードに乗ることができます。
私はそれを、山に合わせるというくらいの意味合いで、山なりに走ると呼んでいます。
競馬で言うところの馬なりに近い用法です。
追い込むことなく自然に任せます。
今回のレースは序盤に大きな登り下りがありましたが、最初から下りは山なりに走ると決めていました。

下りの途中、中社ゲレンデに出ると、一面のススキ野原に秋を感じました。
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秋だね、秋。
中社ゲレンデを一度下りきってから登り返し、飯縄山登山道に向かう森の中の川沿いの道を走ります。
ここはほぼフラットで森も美しく、とても気持ちよく走れる区間です。
今回は、ここを含めてフラットな区間を走りきるという目標があったこともあり、走り続けてしまったため写真を撮ることができませんでした。
しばらく走ると川を離れて森の中に入っていきます。
その森の先に古びた趣のある鳥居が出てくると、そこが飯縄山の登山道の入り口です。

飯縄山には飯縄権現を祀る飯縄神社があるとのことですが、レースでは山頂には行かず、南登山道分岐というポイントで南登山道を下ります。
山頂には行かないとはいえ、飯縄山の登りは長くて斜度もきつく、ミドルの部にとっては文字通り最大の山場となります。
森林限界までは斜度がきつく眺望もききませんが、森はきれいでした。
森が切れてからも南登山道分岐までは以外と距離があり、きつい道のりは続きます。
この登りは少し追い込むと決めていたので、はじめから飛ばしていたところ、森林限界を越えてからは足も限界が近づき、気持ちもだれて来ていました。
そんなところへ、ごほうびのような絶景が。
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南の方向を望んでいます。
柔らかい色合いの山が幾重にも折り重なり、まるで風景画を観ているようでした。
富士山も遠くに小さく見えています。
遠くに富士山が見える町で生まれ育った私は、遠くに見える富士山にノスタルジーを覚えます*。
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拡大してもこんなくらいなのですが、見えているだけで嬉しくなります。

絶景スポットからそれなりに歩いたところで、南登山道との合流点から南登山道を下ります。
この下りは岩がゴツゴツとしている上に斜度もきつく、はっきり言って苦手なタイプの下りです。
骨折してから下りが怖くなった私ですが、今年いくつかのレースに出て恐怖と向き合う術を求めて来た結果、それなりにやり過ごせるようにはなってきました。
それでも苦手は苦手なのです。
この下りには2015年に大転倒を決めた苦い思い出があることもあり**、おっかなびっくり、なるべく走らずに下ることに決めました。
山なりですらない、ただの早歩きです。
この下りには歩行区間もあればハイカーも多く、ビュンビュン飛ばして走れない事情もあります。
ゆっくり、山なりよりもゆっくりと下りていきました。
ただ早歩きは早歩きで大腿四頭筋に負担がかかってしまったみたいで、レースの後半に響くことになりましたが、それはまた次のお話です。
南登山道を下りきった先の鳥居をくぐり抜けて、山麓のトレイルやロードを少し走ると第1エイドに到着します。
ミドルの部にとっては13km地点、スタートから2時間20分ほどかかりました。
想定の範囲の、かなり遅いほうといった感じでした。

*私にまつわるエトセトラーUTMF2018に向けて1
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/03/06/204417
**転倒考
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/01/22/213441

想定外ー信州戸隠トレイルランレース2019速報

本日9月29日に開催された、信州戸隠トレイルランレース2019のミドルの部33kmを完走しました。
5時間12分7秒のフィニッシュタイムは、ほぼ想定通りでした。
そういえば前日のラグビーワールドカップの日本vsアイルランドの試合は、想定外の日本の勝利で、非常に嬉しかったです。
宿の一人部屋でTVを観ながら感極まってしまいました。
さて、本日の想定外は天気です。
予報は雨でしたが、見事なくらいに大外れで、スパッと晴れました。
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よく見ると富士山も写ってます。
気持ちの良い1日でした。

もうひとつ想定外だったのは、帰りの新幹線の席がなかなか取れず、長野駅の待合室で30分以上待ったこと。
仕方がないので、居酒屋待合室長野店です。
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早く帰りたいな。