竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

つるつるつるー野沢トレイルフェス2019レポート3

野沢トレイルフェス2019ロング27kmの部の参加レポート第3段です。
前半のダウンヒルを終え、北竜湖を経て小菅山の登り下りに向かいます。

ダウンヒルが終わったウォーターステーションからは、短い激登りを経て、林道やロードをつなぎながら約13km地点のエイドステーションに向かいます。
下ってきたので大分暑くなってきていましたが、ウォーターステーションでずぶ濡れになっていたので、しばらくは暑さを感じずに走ることができていました。
エイドステーションには1時間25分ほどで到着。
この頃にはずぶ濡れの効果も薄れて、身体に熱を感じるようになって来ていました。
エイドでは水分を補給し、冷え冷えのネクタリンをいただきました。
このネクタリン、人生で一番と言っても過言ではないくらい、美味しく感じました。
ごちそうさまでした。
5分ほどの滞在でエイドを後にして、小菅山を目指します。

エイドから小菅山までも林道がメインで、比較的アップダウンの少ない走りやすい道のりです。
ただし日向では、すぐに暑さで身体がだれてきてしまいました。
時刻は既に13時前後、太陽が一番ギラついている時間帯です。
木陰に入ると若干涼しくなるため、涼しさを享受しようとして思わず速度を緩めてしまっていました。
とくに北竜湖に着いてからのフラットな林道では足が止まり勝ちになり、木陰では歩き出してしまっていました。
暑さに弱いトレイルランナーである私は、この日は頭のどこかで「走ると危険」というように思っていた節があります。

この日の野沢温泉村の気温と日照時間の推移は以下の通りです。
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最高気温は31℃と、このところの猛暑に比べればマシではありますが、よく晴れて陽射しが強かったせいで、体感としてはもっと高く感じました。
とてもトレランのようなエンデュランス系のスポーツをする環境ではありません。

2015年5月の比叡山インターナショナルは、最高気温が33℃まで上がった酷暑のレースとなりました。
この大会に参加していた私は、あまりの暑さでフラフラになってしまい、コースの半分あたり約25km地点でリタイアしました。
それが人生初のリタイアでしたが、今回の状況はその時に似ていました。
その時に比べれば頭はしっかりしていますが、走れない感覚はほぼ同じです。
それでも、ショートレースなのでフィニッシュにはたどり着こう、リタイアするならフィニッシュで、と思い直し、とぼとぼとではありますが、歩みを進めます。

北竜湖を回り込む林道を終えると、小菅山の登山道を登り始めます。
他のランナーさんとおしゃべりして気を紛らわしながら歩いていると、小菅神社の奥社に通じる石段道にたどり着きます。
ここからは標高差で500m登らなくてはなりません。
500mと聞いたときには、このくらいはよくあるなと思っていたのですが、いざ登り始めるときついのなんの。
前半のダウンヒルで足を使っているのと、しつこいようですがこの暑さにやられてペースが上がりません。
それでもレースはもうすぐ終盤にさしかかります。
とにかく、リタイアするならフィニッシュで。
辛いことこの上ないのですが、苦しみながら進むしかありませんでした。

そのうちにこの登りの核心部である鎖場にたどり着きました。
それまでゆっくりながらも進み続けてきましたが、ここで小さな行列ができていたので、足を止めて休みました。
どうもこの休みも影響しているのではないかと思いますが、このあと鎖を使って岩を登っている最中に、両脚のふくらはぎがつりかけました。
突然の痛みに戸惑いながらも、とりあえずはエイヤッと登りきり、目の前にいたラン×スマの取材カメラに愛想を振りまいてその場を離れました。
しかし、一度つりかけたふくらはぎは、その後も隙あらば何度もつろうとしようとしました。
奥社を過ぎて登りが比較的なだらかになっても収まることなく、突然痛みが走り出します。
そのたびに「つる、つる、つる!」と頭のなかで絶叫していたわけなのですが、そうしたからといって治るわけではありません。
ふくらはぎをだましだまし進み、ようやく登りを終えることができました。
目の前にはきれいなブナ林のトレイルが続いていますが、油断して走り出すと途端に「つる、つる、つる!」と激痛が走ってしまいます。
勘弁してくれないかな…。
半ば泣きそうになりながら、小菅山を下り始めました。