竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

極楽はどこだー信州戸隠トレイルラン2017余録1

信州戸隠トレイルランレース2017の後の月曜と火曜に、夏休みを取りました。
9月中に取らなくてはならなかったのと、新宿~会場間の直行アクセスバスの申し込みに、自分の手違いで失敗してしまい、それならいっそ後泊してしまえ、との開き直りからの夏休みでした。
とはいえ、レース前後を観光気分で過ごせて、よい骨休めになりました。

戸隠入りは新幹線と路線バスを乗り継ぎましたが、これが結果的には当りでした。
何が当りかというと、当たり前のことですが、観光と食事が自由にできることです。
戸隠は戸隠神社門前町で古くからの町であるため、見所がけっこうありますが、直接受付会場まで行ってしまうと、ゆっくり観光する時間をとるのが難しいのです。
また、受付会場の戸隠スキー場には、飲食店がなかったようです。
路線バスならばその点、戸隠内のシャトルバスの時間と相談しながら、自由に予定を組めます。
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スタート会場の戸隠中社にも、前日にお詣りして願掛けすることもできます。
食べるところも、中社エリアをはじめ、路線バスの沿線にたくさんあります。
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くるみペーストで食べる忍者そば、美味しゅうございました。
長野まで高速バスを使えば、料金も直行バスと同じような水準に抑えられます。
遅れるリスクがあるため、行きは新幹線にしましたが、帰りはバスで安く帰ることができました。
戸隠内のシャトルバスが充実していたからというのも大きいのですが、乗り継ぎの旅も悪いものではありませんでした。

後泊は長野の市街地で。
戸隠中社のバス停から最終バスで1時間強で長野駅到着、宿は長野駅近くのアイランドホテルでした。
近くの郷土居酒屋でビールと山賊焼きで心身に栄養を行き渡らせます。
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志賀高原ペールエール、美味しゅうございました。
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大判の山賊焼きでしたが、カレーマヨネーズを付けると食が進みました。
さらにホテルの近くのレッドドラゴンというパブで、野沢温泉の里武士さん(イギリス出身)が造ったビールをいただきました。
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マスターは東京は本所吾妻橋ご出身とのことです。
色々な人が色々な所から集まって来て、色々やってるのは色々楽しいなと、いつもより酔いの回りが早い頭で思っていました。
穏やかな夜でした。

翌日、この夏休み最大の目的、善光寺詣でに向かいました。
ホテルからは2kmほどの道のりでしたが、歩いて行きました。
本当は長野電鉄に乗っていきたかったのですが、時間が合わず、結局帰りも徒歩でした。
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ゆっくり歩いて山門に到着したのは9:20頃。
善光寺には本堂内陣の下の暗闇に本尊と繋がる錠前があり、それに触ると極楽往生できるというのです。
人並みには業の深い人生を送っているトレイルランナーである私なので、極楽往生ができるならば是非お願いしたいのです。
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本堂にはすぐに到着しました。
拝観料500円を払ってから内陣の見学とお詣りを済ませ、いざ本堂下の暗闇に入りました。
普段は観光客が列をなしているそうですが、このタイミングでははたまたま私の前後に人がおらず、暗闇を一人で進むことになりました。
真の暗闇で一人きりになることは、恐怖の一言につきます。
そして、自分が息をするための空気が目の前にあるかどうかすらわからず、息苦しさを感じます。
見えないものの代表である空気ですら、普段は見えてるんだなと実感しました。
息苦しさを感じながらも、右の壁にピタリと身をこすり寄せながら暗闇を進みます。
極楽はどこだ。
早く息がしたい、と思いながら歩いていると、やっと錠前のようなものに触ることができました。
極楽はここか。
こんな私なのに、極楽往生が約束されてしまいました。
ありがたいことです。

善光寺やその周辺は見ごたえのある場所が多く、歩いてて楽しかったです。
特に権堂という商店街の不思議な雰囲気は、他で味わったことがありません。
お暇であれば、ぶらり歩いてみることをお勧めします。
一通り見物してからホテルに戻り、荷物を引き取って昼食に向かいました。
長野で最後の食事は、山小屋のカレーライスです。
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長野駅近くにある「山小屋」というカレー屋さんは、見た目も山小屋。
ここの名物は納豆をトッピングしたカレーです。
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この日はランチセットのヒレカツカレーに、納豆をトッピングしました。
これがまた、美味しゅうございました。
濃いめのカレーに納豆の香りが溶け込む感覚と言えばいいでしょうか。
納豆とカレーがこんなに合うものとは、全く予想してませんでした。
教えてくれた人には感謝です。
お腹を満たして高速バスに乗り込み、ビールで一眠りして帰京しました。

レースの直前直後はどうしてもあわただしくなるので、全てが極楽旅とはいきませんが、やっと取れた夏休みを満喫はできました。
ちなみに、戸隠の一の鳥居から善光寺までは11kmほどだそうです。
ほぼ下り基調でしょうし、自分の足でたどってもいいのかもしれません。
心身ともに元気であればですが…。
いつになるかな。