竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

厄除けランは18km

2月8日の土曜日に、西新井大師總持寺(そうじじ)にて厄除けの護摩祈願を受けてきました。
私は今年本厄で…、というフレーズは、このブログでも日常生活でもやたらと発していて、はっきり言って自分でも少し飽きてきたのですが、やはりこの厄年への過剰な執着を取り除きたいなと思いました。
そうでないと、何かと言えば本厄であることを言い訳にして、今年一年をつまらなく生きて棒に振ってしまうのではないか、という不安があったからです。
その不安を少しでも和らげるためならば、少しくらいはお金も時間も使っていいのではないか、という気持ちになりました。
そして、決心がついたのなら、次はどこに厄除け・厄祓いをお願いするかということになります。
ちょうど先月の誕生日に、大阪の茨木市にある総持寺(そうじじ)という真言宗のお寺で牛王加持という簡単な厄除けの祈願を受けていました。
ならばここは同じ真言宗で行こう、ということで、候補に上げたのが西新井大師總持寺でした。
真言宗のなかでも宗派は少し違うらしいのですが、お寺の名前も同じ「そうじじ」ということで、これは何かの縁であろうと思いました。
ここはひとつ、真言宗の開祖である弘法大師空海に力を借りたいと思います。

厄除け参りの往復は走りました。
自宅から西新井大師へは約9kmの道のりで、環七沿いに走ればほぼ一本道で行くことができます。
大袈裟な話ではなく、うちから2回曲がれば西新井大師に着いてしまいます。
うちから少し走って左折すると、環七に出ます。
今回初めてまとまった距離を走った環七でしたが、歩行者が歩道橋で渡らなければならない場所が何ヵ所かありました。
私みたいなアップダウンを好む変態にはちょうどいいのですが、そうでない人には少し酷ではないかなと、身体の不自由な人にとってはかなり酷ではないかと思いました。
人の通る道が人道的でないとはこれいかに、みたいな大喜利を繰り広げたくなります。
道路行政をどうにかしないといけないと思います。
うちから西新井大師までの往路は下り基調で、特に埼京線跨線橋から京浜東北線跨線橋へとつながる長い下りは、いい感じのスピードに乗れて気持ちよかったです。
もちろん、復路はそのまま長い登り坂になるわけですが、それはそれでよいトレーニングになりました。
京浜東北線を過ぎると、隅田川を新神谷橋で、荒川を鹿浜橋で渡って行きます。
橋の前後は歩行者は階段を使うことになるため、必然的にアップダウンが発生します。
荒川を越えてからもずっと道なり、およそ3kmほど走りますが、フラットな道のりなのでけっこう長く感じます。
やがて舎人ライナーをくぐると、目的地が近くなります。
少し先の西新井大師参道の交差点を左折すると、仁王門が見えて、西新井大師に到着です。
f:id:CHIKUSENDO:20200211172632j:plain
往路は50分ほど、復路は登り基調となるので55分ほどかかりましたが、よい運動になりました。

13:30からの厄除け護摩祈願の受付後に、門前町で昼食をと済ませ、会場である本堂に向かいました。
f:id:CHIKUSENDO:20200211172721j:plain
大きくて立派な本堂でした。
開始15分くらい前に中に入ると、護摩壇の正面は既にいっぱいで座る余地がありませんでした。
ざっと見て200人ほどの老若男女が集まっています。
護摩の始まる前に、一人の僧侶が簡単な説明をしてくれました。
私はこれまで、浄土宗と浄土真宗の法要に出席した経験はありますが、密教である真言宗の儀式に参加するのは初めてです。
ひととおり説明を聞いているだけでも、楽しみでわくわくしてきます。
やがて、鉦の音とともに、緑、紫、そして一番位が高いと思われる赤の衣を身につけた、総勢16名(見えた範囲で)の僧侶がぞろぞろと登場してきました。
護摩壇には大きな火が焚かれています。
これだけでも壮観でしたが、これだけの数の僧侶が声を揃えた読経には迫力があります。
また、時折聞こえてくる「〜ソワカ」という言葉の響きがかっこよくて、なんとも言えません。
これを聞くことができるだけでも価値はあるなと思いました。
せっかくなので私も、先の説明で一緒に唱えてほしいといわれた「南無大師遍照金剛」という短いお経を声に出して唱えることで読経に参加しました。
平たくいうと、弘法大師の教えを胸に生きていきます、というような意味があるそうです。
唱えたものは仕方ないので、今年は弘法大師の力を信じて生活を充実させていきたいと思います。

以上が本厄の厄除けランの顛末です。
この護摩にかかったお金は5000円、かかった時間は往復のランと昼食も含めてトータルで3時間半弱でした。
そのお金と時間はこの御札に変わりました。
f:id:CHIKUSENDO:20200211172755j:plain
立派です。
厄除けの護摩は、人生で一度でもいいから、経験しておいても悪くないと思います。
私にとっては面白いものでした。
本厄の厄除けは済んだので、今度は後厄をどうするかです。
西新井大師でリピートするかとか、それともお寺の厄除けはもう経験したので次は神社で厄祓いといくかとか、いろいろと今から考えておこうと思います。
でも、できれば走っていける範囲で。