竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

低空飛行ーチャレンジ富士五湖100km2019レポート3

世間、というよりもメディアは令和元日などと浮かれムードを醸しているこの日ですが、メディアの末端である竹仙坊日月抄は、相変わらずそんな空気を読む気は一切ありません。
チャレンジ富士五湖ウルトラマラソンのレポートがまだ終わっていない段階で、時代が変わったも何もないのです。
そもそも時代が変わったのではなく、時代の呼称が変わっただけのこと。
同じ時代の呼称の問題ということで言えば、私にとってはチバニアンの方が大きな問題です*。

http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2018/03/10/133807
なんたって地球規模の話ですからね。
そんなところで気を取り直して、チャレンジ富士五湖レポートの第3段です。
レース開始から6時間40分後くらいに、56km過ぎにある足和田のエイドを出発しました。

足和田のエイドは河口湖から西湖に向かう登り坂の途中にあります。
エイドアウトした直後は長い休憩による体の重さと暑さにやられて、全く走ることができませんでした。
この体の重さは、このレース後半の間にずっとつきまとうことになります。
とりあえずパワーウォークで進んでいると、118kmのトップランナー達とすれ違いました。
向こうは下りなので勢いがついているのは割引いても、疲れた様子が見えないのが凄いなーと単純に感心してしまいました。
ファイトー!なんて声援もしたのですが、向こうからしてみれば、お前もな、いや、お前がな!くらいのノロノロペースで前に進みます。
やっとのことで西湖にたどり着いた所で、トイレに行きたくなりました。
チャレンジ富士五湖は観光地を繋ぐコース設定のため、ルート上に公衆トイレが数多くあります。
その点は恵まれていると思います。
トイレ以外で用を足すランナーも多々見かけましたが、少しの我慢で必ずトイレにたどり着くので、絶対に次のトイレまで我慢すべきです。
トイレ以外で用を足すべきではありません。
さて、トイレから出てレースに戻ると、目の前を友人Bさんが走っていました。
15分遅いウェーブでスタートしたBさんには、既に足和田のエイドで追い付かれていたのですが、先にエイドアウトしたため辛うじて先行を取り戻していましたが、この地点で完全に追い抜かれました。
体の重さ、暑さ、加えて足の痛みもありスピードが上げられず、ここは先行してもらうしかありませんでした。

西湖の吉田うどんエイドを過ぎると、3kmくらい軽く登ってから、精進湖に向かう長い橋を下ります。
この橋はUTMF2016でも精進湖民宿村のエイドに向かうために通った道で、若干の懐かしさを感じました。
しかしこの日はスピードに乗ることができず、ただ脚に負担をかけないように下ることだけ考え、ただただ落ちるように脚を前に出していただけでした。
精進湖に着いてからもペースは回復せず、ただ淡々と前に進むことしかできませんでした。
足の痛みも少し強くなってきていて、気持ちはかなり弱っていました。
そんな時は気分転換に限ります。
河口湖と西湖では余裕がなくて写真を一枚も撮れませんでしたが、ここでは無理にでも撮影しました。
そんな精進湖からの富士山です。
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写真を撮ってから気づいたのですが、富士山を見ながら走ると少し元気になれます。
これはわりと大きな発見で、ここまで下り坂でも体が重くて辛かったのが、少し軽くなったような気分になりました。
実際は、相変わらずペースはだれているのですが、前に進む気持ちだけは回復しました。
富士山を見るといつも力が湧いてくるから不思議です。
精進湖の畔にある70kmの計測ポイントを過ぎると、60kmからの10kmは1時間20分かかってしまいましたが、少し気持ちが上向きになっただけでも、幾分かはましな状況になりました。
ペースは落ちたままの低空飛行ですが、それでもいいから、とにかく進み続けるだけだ、という割り切った気持ちにはなりました。

関門のある旧精進小学校のエイドでBさんに追い付きましたが、コース上では追い付いたとはいえ、タイム的には15分のビハインドです。
少しおしゃべりしながら残りの道のりの準備をしました。
私は、気持ちは回復したとはいえ、ペースに反映できるような状況にはまだないと思っていました。
しかし、エイドアウトした後、ターニングポイントは意外とすぐにやってきました。