竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

逃げるが勝ちだが身に余るー高尾山天狗トレイル2018レポート2

高尾山天狗トレイルのレポート第2段です。
18kmのレースも残り4,5kmとなった小仏峠への登り返しで、天狗ゼッケンにステッカーを貼られた選手に抜かされました。
ヤバイ、捕まる…。
と思った私は、その方に事情を聞きました。
すると、序盤に脚がつって止まっていたところで捕まってしまった、ということでした。
その後、脚が復活して走れるようになったそうで、天狗はたぶんずっと後ろにいるとのことでした。
この方はとても速い選手で、相当数抜き返しているようなハイペースでした。
復活後のナイスランに敬意を覚えます。

さて「天狗はたぶんずっと後ろ」とのことではありましたが、状況がどう変化しているかは全くわかりません。
やはり急ぐことにしました。
景信山の下りでこけたときの痛みもほとんど影響がなくなってきたので、できる範囲でスピードアップしました。
小仏峠から小仏城山までの軽い登り返しもできるだけ走りましたが、まだハイカーが多い時間帯で、走っては歩き歩いては走り、を繰り返していました。
巻き道ですれ違った小学生くらいの団体の子供が、なぜか私のゼッケン番号を連呼してはしゃいでいました。
私も子供の頃に似たようなことをした記憶がありますが、これも応援の一種なんだと思います。
まあ、疲れた頭には伝わりにくいのですが。
それでも応援されたおじさんとしては「そうだよ!1048番だよ!」なんて愛想を振りまきながら、手を振って歩きます。
逃走中ではありますが、つかの間の楽しいひとときでした。

小仏城山からは日影沢林道の下りに入ります。
ロード部分は陽が当たっていて暖かくも感じるのですが、砂利道まで下ってくると日影沢の面目躍如で極寒となります。
往路で確認した凍結箇所は、依然として氷が張っています。
この状況では安全第一で走るしかありませんが、気がかりなのは追跡者の天狗です。
後からの足音に振り向いては、その主が人間であることに安堵する、そんなことを何度か繰り返しました。
相手が人間ならばいくら抜かれてもかまいません。
結局、逃げ切りを確信できたのは残り500mくらいからでしょうか。
最後は少し足を速め、2時間37分14秒でフィニッシュしました。
このコースに変わった2013年大会以来、ワースト2の記録でした。
目標は2時間30分切りというところでしたが、景信山の下りで転倒したのが影響しました。
まあ、こけなくても厳しかったかもしれません。
2018年の初レースは2年連続のこけ初めとなり、結果もイマイチでしたが、大きなケガにならなかっただけでも御の字です。
幸先は悪くはないです。

さて、パフォーマンスは悪くとも、天狗との勝負には勝ちました。
私のフィニッシュ後、10分も経たないうちに緑の烏天狗が、さらに10分くらい後に赤の大天狗が帰ってきたようです。
転倒後比較的速やかに回復できていなかったら、捕まっていたかもしれませんが、勝ちは勝ちなのです。
先にフィニッシュしたAさんと合流すると、景品の入った段ボール箱のところでこんなことを言われました。
「これ全部持ってるんじゃない?」
何のことだろうと思って箱を覗くと、過去の高尾山天狗トレイルの参加賞Tシャツが、どかんと詰め込まれていたのです。
えーと、全部持っています。
そういえば去年も同様に大放出していましたが、その残りと去年の参加賞が景品になったようです。
このTシャツは綿で長袖なので普段着として重宝しますが、同じものは要らないよな…。
なんて思っていましたが、着替えの間に気持ちを整理して、やはり1枚もらうことにしました。
選んだのは2013年大会、伝説の「TORAIL」誤植のシャツ(写真右)です。
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誤植だけは残念ですが、デザインは非常に気に入っていて、色々なところでよく着ています。
そのため、前のがへたった時の交代要員として、たんすに控えていてもらおうかと思っています。

それにしてもこの日は、今大会の参加賞(写真中央)はもちろん、クイズ大会で勝ち進んだ景品として、パタゴニア製の半袖Tシャツ(写真左)までもらってしまいました。
1日で3枚も持って帰ることになるとはまったく想像していませんでした
着る身体は1つしかないのに。
勝ち取ったはいいのですが、身に余るのです。
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伝説の誤植がツインズになりました。
身に余るけど、着倒したいと思います。