竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

それなりー信州戸隠トレイルランレース2019レポート3

信州戸隠トレイルランレース2019ミドルの部33kmの参加レポート、第3段です。
スタートから3時間50分ほどで、23km地点の鏡池にある第2エイドに到着しました。
鏡池戸隠連峰
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幸い天気予報が外れて雨にならなかったため、迫力のある山体がくっきりと見えています。
鏡池から先、ミドルの部にはもうエイドはありません。
ドリンク類の補給とバナナをモグモグなど、最低限のやるべきことだけ済ませて、5分ほどの滞在でエイドアウトしました。
残りは10km、ここまでのペースで走れれば、また1時間30分あればフィニッシュできそうです。
うまくまとめられるか、止まり始めた脚の復活にかかっています。

エイドアウト後、走り出してすぐに、またいつの間にか歩き出していました。
鏡池から戸隠牧場までは、戸隠神社奥社の参道周りの森の中を走るほぼフラットな道のりです。
路面は始めのうちは木道やコンクリート板が多く、余計に走りやすい区間です。
が、ちょっと走っては歩く、ちょっと走っては歩く、を繰り返してしまいました。
走れる区間は走り続ける、という目標は達成できませんでした。
疲れはそこまで感じていなかったので、集中力を切らしてしまっているとしか言いようがありません。
端的に言えば意志の力の問題で、私にとって永遠の課題のようです。
そんなこんなで、戸隠奥社参道にある随神門にたどり着いたのはエイド出発から12,3分後でした。
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この短い間によく歩いたもんだなと、軽く自分に呆れてしまいます。
ただ、こうやって写真を撮るなど前に進む以外のことをすると、私の場合、気分転換になって走りのスイッチが入りやすくなります。
道も戸隠牧場に向けてアップダウンが少しずつ出てくることも幸いしてか、少しずつ走る時間が長くなってきました。
また、エイドアウト後はほぼ一人旅でしたが、このあたりからロングの選手と前後するようになったことが刺激になりました。
まだ先が長いロングの選手がちゃんと走っているのに、残り10kmを切っているミドルの私が歩いているわけにはいきません。
人の目があるって、けっこう大事だよなと思います。

それにしてもこの区間では、エイドでフラスクに詰めたドリンクが美味しくて、大量に飲んでしまいました。
ドリンクはエイドの提供品を適当に混ぜ合わせて作ったのですが、これがうっかり美味しかったのです。
スポーツドリンク2:クエン酸ドリンク2:水1の割合で混ぜたのですが、ほどよい甘味でした。
雨が降らずに想定していたよりも暑さを感じたこともあり、ついつい水分補給のペースが早まってしまいます。
この日は第1エイドまでの山岳区間13kmで250mL、暑くなり始めた第1~2エイドの戸隠古道10kmほどで500mLを飲んでいました。
最近の私にしては飲み過ぎだなと思っていましたが、このフィニッシュまでのラストの区間でも500mLを飲み干すこととなりました。
この消費量の大きさは、ハセツネにおける水分補給計画に影響します。
直前のレースで課題が出たのは、本番でいきなり出るよりも良いことだと思うことにしましょう。
その本番があるかどうかは台風19号の進路にかかっています。

森を抜けて戸隠牧場に出ると、ミドルのランナーは直接瑪瑙山の登り口に向かいます。
ロングとの分岐にいたスタッフから、フィニッシュまで4kmで途中200m登る、という情報を教えてもらいました。
GPSウォッチを持っていない私にとっては、こういう情報は何よりもありがたいものです。
キャンプ場の中を通りすぎ、延々とまっすぐ登るルートに入りました。
この登り、私にとっては、走れるか走れないかギリギリのところを攻めてくる絶妙な斜度でした。
過去2回、ロングの終盤で通った時は走る脚は残っていなかったのですが、今回はミドルなので余力があるはずです。
試みに走ってみましたが、走り出した瞬間にやっぱりやめようと思ってしまいました。
身体のどこかが悪いとか痛いとかはなかったのでもっと攻めてもよかったのですが、なぜだか気持ちが追い付いてきません。
仕方がないので、最大限の早歩きで進むことにしました。
この登山道は落ち葉でふかふかのいわゆる極上トレイルですが、たまに落ちている枝が落ち葉に隠れています。
浮き石なんかもそうですが、落ち葉の下に危険なものが隠れている、秋のトレイルあるあるでもあります。
私はふと注意力を失った瞬間に、そうした枝を踏んでしまい、跳ね上がった枝で左のすねを強く打ちつけてしまいました。
魔が差した瞬間、山の神様が戒めてくれたのだと思います。
痛い思いをしましたが、なんとか長い登りを登りきりました。
最後のロングとの分岐を、フィニッシュ方向に曲がった頃には、スタートから5時間が過ぎようとしていました。
鏡池のエイドからは1時間ちょっと、あとはラストのセクションを残すばかりです。

このレース前に立てていた目標は、調子がよければ5時間切り、悪くても6時間は切る、という大雑把なものでした。
最低限の目標はクリアできましたが、上限にはもう届くことがありません。
ただ、こうしてラストのセクションに入って、5時間切りはないものの、ちょっと走れば5時間台の早めでフィニッシュできるんじゃないか?
少し欲が出て来ました。
幸い、瑪瑙山の登山道から分かれてフィニッシュの戸隠スキー場越水ゲレンデに向かう山道は、緩い下り貴重でとても走りやすいトレイルでした。
この日、序盤は山なりに抑え目で、中盤は私なりに追い込んで来ましたが、終盤でだれてしまう展開となってしまいました。
でも、この最後のセクションを無事に走りきることができれば、それなりのタイムでまとめることはできそうです。
こけるのが怖いのは変わらないのでかっ飛ばすことはできませんが、それなりに速く走ります。
それなりでいいのです。
フィニッシュゲートにたどり着いたのはスタートから5時間12分7秒後、2年ぶりの戸隠をそれなりに走りきりました。

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戸隠を離れる前のフィニッシュ会場、天気予報通りなら雨が降っているはずでした。
予報がよい方に外れてくれて本当によかったです。
今週の台風19号も、誰も傷つけない方向にそれてくれたり、途中で消滅してくれたりしないものでしょうか。
先月の台風15号による千葉の被災地、ラグビーワールドカップ、そしてハセツネ、全てが安泰であることを祈るばかりです。