竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

ここに帰りたいーUTMF/STY2018応援感想記

STY2018に参加した友人Bさんの応援で、ULTRA-TRAIL Mt.FUJIのフィニッシュ会場、河口湖の大池公園に行ってきました。
本来ならばサポーターとして各エイドを回る予定でしたが、3週間前に左上腕骨を骨折してしまったため、サポートができなくなってしまいました。
それなので、フィニッシュの応援のみしてきました。

この4月28日、大池公園はよく晴れていました。
ラストストレートから見える富士山。
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選手は富士山に迎えられた後に、右折してフィニッシュゲートへのビクトリーロードに入ります。
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このフィニッシュゲートを見ると、UTMF2016で雨の朝霧高原にフィニッシュしたときのことを思い出します。
感慨深いものがありました。
Bさんは8:00のSTY制限時刻ギリギリフィニッシュというレースプランを組んでいました。
しかし、この日は順調に関門を突破しながら記録を伸ばし、大池公園には40分ほどの余裕を持って到着しました。
Bさんはロングディスタンスのトレイルレースには初挑戦でしたが、地道に練習を積んだ成果で、見事に完走しました。
その過程も含めて、純粋に素晴らしいと思います。
そして、羨ましいなと思いました。

私がUTMF2016でフィニッシュした朝霧高原道の駅は、荒天短縮の結果、急きょ設けられたフィニッシュでした。
急きょにしてはフィニッシュ後の飲食ブースが充実していて、とても快適なフィニッシュ地点となっていました。
そのことには感心しています。
UTMF2016が短縮になったこと自体にも、不満があるわけではありません。
ただ、荒天でスタートした判断については疑問を持っています。
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/08/18/203242
それでも、荒天短縮UTMFという特殊状況を乗り切ることができたという、サバイバーとしての満足感を覚えていました。
そして、無事にレースを終えるために全力を尽くした実行委員会には感謝しています。

ただこの日、この大池公園で繰り広げられていたフィニッシュの光景を目にしたことで、自分の中で押さえこんでいた感情が甦りました。
それは、本当はここに帰ってくるはずだったのに、という悲しみに似た思いです。
翌日にUTMFのフィニッシュの応援もしたことで、より強いものになりました。
色々なレースで出会った方々のフィニッシュを迎えて、自分のことのように嬉しくて喜ばしい気持ちと抱き合わせに、ちょっと悲しかったのです。
やはり私は、私のUTMFをこの大池公園でフィニッシュしたかったのです。
願わくば、この日のようによく晴れて、富士山のきれいな大池公園に帰ってきたかったのです。
次があるじゃないかとは思うのですが、骨折してしまったため、次があるかがわかりません。
いつ心身ともに快復して、トレイルランニングに復帰できるかが全くわかりません。
でもやはりいつかは、UTMFのフィニッシュをこの大池公園で迎えないことには、一生の心残りになるのでしょう。
そんな気持ちに気がついてしまいました。
まだ終わらないのだなとか、まだ終われないのだなとか。
悲しくもあり楽しくもあります。

Dylan Bowman選手の、連覇へのビクトリーラン。
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祝福する富士山。
今年は28日のSTYのテールエンダーやUTMFトップのフィニッシュの時も、翌29日のUTMFのテールエンダーのフィニッシュの時も快晴で、富士山は誰をも等しく祝福していました。
いつか私も、よく晴れた大池公園で富士山に祝福されたいなと思います。
やっぱり、ここに帰りたいんだな。