竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感です。藤沢周平が好きです。

雲の下へー先生と山2017夏4

7月17日の北八ヶ岳天狗岳山行記第4段です。
東天狗で大休止をする予定でしたが、雲がまったく晴れる気配がなく、気温も低いままでした。
同行した先生は雲が晴れるのを待ちたいようでしたが、西から雲が吹き付けてくる状況は変わりません。
本来ならば西天狗がある辺りも完全に雲に覆われて、シルエットすら見えません。
数百メートルしか離れていないのに。
さらにこの日の我々は、足に故障を抱えた身でもあります。
そのときは口に出しませんでしたが、ここまでの登りで1時間も歩いていないにもかかわらず、左足のアキレス腱が結構なレベルで痛んでいました。
天気予報も下り坂で、下山前に雨に捕まると行動速度を速めることができないため、厄介なことになります。
そんなこんなで、天狗岳を早々に後にし、中山峠まで下ることにしました。

東天狗から中山峠までは岩の稜線をたどる道で、所々両手両足を使うような場所もあり、なかなか楽しい下りです。
昨年は東天狗から黒百合平に下りたのですが、今年は中山峠に下るため、佐久側の絶壁に臨む方の道を行きました。
今回の山行ではストックを使っていたのですが、この区間は使わずに下りました。
ストックを使うのは苦手な私ですが、自分の手で地面を感じながら進むのは楽しいものです。
不必要なまでに岩を手でつかみながら、ヒョコヒョコと下っていきます。
このエリアでは昨年ホシガラスを見かけましたが、今年は見当たりませんでした。

黒百合平への分岐を過ぎて、天狗の奥庭を左手に、佐久側の絶壁を右手に見る辺りに差し掛かると、雲が晴れてきました。
正確には雲の下に入ったようで、行く手を見通せるようになりました。
ここで先ほどできなかった大休止をします。
天狗の奥庭や稲子岳を眺めながら、足を休めます。
下りでは左アキレス腱は痛まないのですが、打撲傷のある右膝が少々うずきます。
休んでも回復はしないのですが、しばし痛みから離れることは重要です。

再び歩き始めるとすぐに岩場が終わり、天狗の奥庭を囲む樹林に沿って進むと、中山峠にたどり着きます。
ここで先生と小会議です。
エスケープしてみどり池から下山するか、それとも予定通り、にゅうを経由してシャクナゲ尾根を下りるか。
先生の膝の痛みはおさまったようで、私の膝も悪くはない状態です。
アキレス腱の痛みは、下る分には大きな問題にはなっていなかったので、予定通りに行動することにしました。
にゅうまでは樹林帯の下りです。
再びストックをセットして歩き出します。

中山峠までの稜線下りは曇りで遠望が効かなかったので、近場の植物ばかり見ていました。
気になったのが、ハイマツの花?
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上品な赤紫色が気に入りました。
にゅうまでの樹林帯もまた、別の意味で視界が効かず、シラビソの若葉ばかり見ていました。
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まるで広げた扇のようです。
シラビソといいハイマツといい、針葉樹は大体地味ですが、花や新緑といった生命力が発揮される局面では、やはり強い存在感を覚えます。
普段地味なだけに、その生命力の表現も地味と言えば地味ですが、地味に鮮やかな色彩を放ちます。
地味、地味、言い過ぎですが、もちろん誉めてます。
地面に根差して生きているものが地味であることは、ある意味当たり前のことでもありますし。

中山峠からにゅうに向かう樹林帯は単調ではありますが、何かのサービスであるかのように、途中何ヵ所かに展望台が作られています。
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硫黄岳爆裂火口と天狗岳を望めますが、まだ西天狗が雲の中に取り残されています。
とはいえ、だいぶ雲の位置が高くなった印象を受けます。
私たちと山との間を遮る雲はありません。
完全に雲の下へ出て、山を仰ぎ見ています。
あとは西天狗が雲の下へ入るだけです。
少し期待しながら、にゅうのピークへと急ぎます。