竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

78-5=73km…長いよ!ー美ヶ原トレイルラン2017レポート2

美ヶ原トレイルラン2017のレポート第2段です。
長いよ!というのは私の記事のことではなく、スタート前にレースに対して抱いた印象です。

前日の説明会も終わり、Aさんとは別々の宿に戻って準備をしたり相部屋の人とおしゃべりしたりしながら、床につきました。
20:30くらいには消灯したのですが、私は悪夢を見たり急に体が熱くなったりして、あまりよく眠れませんでした。
しっかり眠れたのは4時間くらいでしょうか。
2:00に起床して朝食をとり、テーピングや食料などの準備を完了して宿を出たのは3:50頃、スタート10分前でした。

主催者からのメールで、コース変更になったことは把握していました。
さらに、距離の短縮もあるらしいことも小耳にはさみました。
雨はまだ弱いものの、どうせやまないのなら、どうせ短縮するのなら、思いきって短くしてくれてもかまわない、私自身はそんな気持ちでした。
UTMF2016で、169kmが44kmに短縮されたという経験が私にはあります。
悪天候の中で参加者の安全を確保するためならば、受け入れる用意はできています。
125kmオフに比べれば、どんな短縮でも上等だ!どんとこい!、な心持ちでいました。
発表された短縮距離は5km…。
え、縮めるの短くない…?
美ヶ原トレイルラン80kmカテゴリーの実際の距離は78km、5km引いて73km…。
長いよ!
すっかり短縮レースモードだった私は、45kmカテゴリーと同じくらいの距離かなと思い込んでいましたが、73kmかよ。
長いよ!
思わず発した声の通りに文字にすれば、ナゲエヨ!
覚悟が裏目に出たナゲエヨ!、長いよ!です。
前日に友人Aさんが言っていたこと、変更・短縮って聞かされたあとにもとの距離と言われても長く感じるよね、そのときの情景がよみがえります。

実際のコースマップは以下のようになりました。
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赤い線が変更後の80kmのコースです。
私の好きな南の耳周辺は、コース変更に伴いカットされました。
南の耳どころか、霧ヶ峰と美ヶ原エリアがごっそりカットになりました。
コースは長門牧場に向かう林道メイン、中央分水嶺に沿うようなコースとなりました。
45kmカテゴリーのコースに、長門牧場から和田宿までの往復28kmをプラスした73kmと考えれば大体正解だと思います。
「美ヶ原トレイルラン」から霧ヶ峰はおろか「美ヶ原」までをも引いてしまう大胆な発想でしたが、私はこの判断は最善の選択のように考えています。
霧ヶ峰や美ヶ原は2,000m近い高原の草原地帯で、樹木がなく、風雨を遮ることができません。
長時間の雨が予想されるレースで、選手やスタッフの安全を確保することができる地帯ではありません。
そこに行かない判断は非常に適切だと思います。
また、今回の80kmカテゴリーはウルトラディスタンスのスカイランニング日本選手権でもありました。
そして来年の世界選手権の選考レースでもあるため、短くしすぎることはできなかったのだと思います。

そう考えると、私のナゲエヨは、ただもっと短くしてよ、という願望に基づくものでしかないのですが、膝のケガがなければまた違った思いを抱いたのかもしれません。
ケガの回復が思わしくないままレースを迎えて、気持ちが弱っていたのです。
それでも、73kmのレースならば、私はその道を進むだけなのです。
ナゲエヨ~♪
と思いつつも、Aさんに一声かけてからスタートしました。
ヘッドライトの光の中に吸い込まれてゆきます。
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この記事もやっぱりナゲエな。