竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

ポイントはいくつもーUTMF2018に向けて2

やっぱり第2段が始まってしまいました。

饒舌というか、なんなんでしょう。

思いは言葉に、し過ぎです。

でも、言葉にしたいものはしたいのです。

UTMFがないことで、2017年は例年と少し異なる年になるのかもしれませんが、トレイルランニングのレースはいっぱいあって、どれに出ようか悩むのは毎年変わりません。

そして、UTMFはなくても、そのためのITRAポイントに気を使うことは、またいつもと同じなのかもしれません。

 

今年は本当にうっかりハセツネ30Kのエントリーを忘れてしまったため、ハセツネへの出場はほぼ絶望的です。

バイトを雇うとか回線ジャックとか、ありとあらゆる手を尽くさない限り、クリック合戦を勝ち抜く自信はありません。

そういえば、信越五岳のクリック合戦に勝ったものの、入力競争に負けてエントリーできなかったことがあったのを思い出しました。

クリック合戦に入力競争、ゼロ関門が一番のサバイバルですね。

私は日本山岳耐久レースという呼び名の方が私は好きなのですが、4年続けて出たレースはハセツネだけです。

思い入れが、というよりは馴染みが深いレースで、毎年の実力テストのような感覚が強くなっています。

2016年は直前に激烈に体調を崩してしまったため、記録を目指すのは諦め、日の出山で日の出を見るのを目標にしていました。

寒いなか、山頂で1時間ほど仮眠をとって日の出待ちをしましたが、その時の写真がRUN+TRAILに載っていました。

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これは私が撮った写真ですが、ほぼ同じ瞬間だったようです。

単純に嬉しくて、体調不良も捨てたもんじゃないなと、おかしな方向にポジティブシンキングしてしまいました。

日本山岳耐久レース、という表現が好きなのは、その大仰な字面と語感にたまらなく闘志をかきたてられるからです。

今、さらっと変態なことを書きましたが、この手の変態はトレイルランナーにはたくさんいる(と思う)ので大丈夫だと思っていますが、はたして。

今年は友人の応援に徹するか、もしくはボランティアか、ゆるゆる考えます。

 

4月30日開催の奥三河パワートレイルは、制限時間が厳しく、完走率の低さで名高いレースです。

今回友人が申し込んだこともあり、初エントリーしました。

初めてのレースにはやはりワクワクするもので、しかも奥三河の山に行くのも初めて、この点は楽しみでしかありません。

また、これまで出てきたレースでは、リタイアによるDNFはあるものの、まだタイムアウトによるDNFはまだ経験していません。

制限時間の厳しさを全身で感じてきたいと思います。

そうとはいえ、テイルエンダー、最終ランナー、どんな形でもいいので完走したいものです。

加えて、プロデューサーの石川弘樹さんのこけない美学の実践も、怠りなくいきたいと思います。

 

フィールズが信州で主催する菅平、美ヶ原、戸隠の3レースに、今年は全て参加するのも考えています。

2015年に美ヶ原と戸隠、2016年には菅平と美ヶ原という組合わせで走りましたが、今年は3レース全てに出場し完走して、トリプルマスターになりたいと思います。

トリプルマスターには、私の故郷である千葉の大会1レースに招待してくれる特典があります。

6月の菅平はスリーピークス八ヶ岳と重なる日程なので迷うところですが、また出てもいいかもなと思います。

菅平も私にとってはノスタルジーの土地で、良さがわかっているとつい行きたくなってしまうものです。

四阿山への登山と、大学時代のラグビーサークルの合宿、ノスタルジーはときに汗臭いのです。

去年はスリーピークスのクリック合戦に負けて、そのキャンセル待ちを返上しての菅平エントリーでしたが、今年はどうしようか、迷いどころです。

大会では、肉離れ明けのレースだったため、スピードを抑えに抑えましたが、今年出るならば、下りでかっ飛ばしたいなと思います。

菅平は基本的に視界が広々としているので、かっ飛ばしたら気持ちいいんだろうな、想像するだけで楽しくなります。

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かっ飛ばすためにも、てるてる坊主が必須です。

7月の美ヶ原には2年続けて出ていますが、どちらも雨がらみのレースで、景色を堪能できていません。

梅雨時という季節柄、致し方ないのですが、出続ければもっともっと美しい景色に出会えるかもなと思います。

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曇天でも美しくはあるのですが。

ここ美ヶ原もまた、私にとってはノスタルジーの土地です。

写真の霧ヶ峰、車山高原には、小学生の頃に両親と遊びに来たことがあります。

思い出すまで忘れているのに、思い出したら忘れてたことを忘れてしまう。

ノスタルジーとは不思議なものです。

昨年のレース前説明会で、100kmレースの新設も計画しているとの話もあったので、エントリー開始が楽しみです。

とはいえ、出るなら80kmが適当かとも思います。

暑い時期なので、暑さが苦手なトレイルランナーである私は、おいそれと長い距離に手を出す気になれません。

その時の自分と相談です。

9月の戸隠は開催時期が2週間ほど前倒しにされており、ある意味出やすくなったと言えそうです。

信越五岳に影響しにくい日程になりましたが、暑さが残っていそうなのが気がかりです。

2015年大会では人生最高にアクロバティックな転倒を決めてしまったので、出るならばここでもノーこけでフィニッシュできるよう気張りたいと思っています。

 

11月に開催されるFTR100Kには、初回から2回続けて参加しています。

選手の目線から見れば、本当によい大会だと思います。

奥宮俊佑さんのFunTrails主催ですが、非の打ち所を探すのがちょっと難しい大会です。

抽象的にいうと、ちょうどいい、過不足がなく心地よい大会です。

具体的には、コースに走りごたえがあり、エイドも充実してます。

特にA5東峠では、北島良子さんの威勢のよい声援と美味しいサンドイッチで、元気一杯になれます。

A9の取り付き道路の演出にも、心にくいものがあります。

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真夜中や明け方に到着してこの灯りを見ると、緊張が緩み自然と心癒されます。

難点を無理矢理あげるなら、大半のランナーが夜に到達するA7鎌北湖が、高名な心霊スポットであることでしょうか。

エイドを出てから湖を回るコースが真っ暗で、めちゃくちゃ恐いのです。

私は2年続けて1人で走るはめになり、ビビりながら走っていました。

そういうのが苦手な方は、ぜひ徒党を組むことをオススメします。

景色については、2回続けて明るい時間帯が雨模様なのでよくわかりませんが、晴れればよい景色が見えるはずです。

特に秩父から名栗に向かう序盤は、山深い方向に視界が開けていて、奥秩父方面に向けて山また山の景色が楽しめます。

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雲海もまた美しいのですが。

晴れた景色もぜひ見てみたいので、3度目の正直を狙いたいと思います。

雲海といえばスタート翌日の朝方は、秩父盆地が雲海にすっぽりと覆われていました。

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これは絶景でした。

今年はどんな景色に出会えるやら。

 

ここまで見てきたレースのうち、奥三河パワートレイルのITRAポイントが4、美ヶ原も4、FTR100Kが5、になると予想されます。

この3レースの合計で13となり、3レース以内で12ポイントが必要なUTMF参加資格を満たすことができます。

めでたしめでたし、だけど、では終わりません。

 

恐らくほとんどのトレイルランナーは、ITRAポイント獲得のためにトレイルランニングをしているわけではない、と私は思います。

自分自身のレースの選び方が、どうしてもITRAポイントを基準にしているわけではないからです。

UTMFに出場したい私にはITRAポイントが必要です。

それだからといって、個々のレースに対してただのポイント稼ぎとしか思わないということはありません。

どんな大会に出たいか、どこの山を走りたいか、レース選びの基準は大体その辺りに集約されて、その他日程や予算、休みが取れるか等の細かい条件付けがなされていくと思います。

ITRAポイントはそうした細かい条件の一部分であって、レースに出場する目的の全てではないのです。

何が言いたいのかというと、レースはITRAポイント獲得のためにあるのではなく、ITRAポイントはおまけでしかないということ。

そして恐らく、レースの魅力とは、それを支える人達とそこを走らせてくれる山とが作るものなのだと思います。

ビッグでメジャーなレースのレギュレーションに左右されるものでは決してないのだと、愛好家として声を大にして言ってしまいたいと思います。

私自身は、そのビッグでメジャーなレースのレギュレーションに合わせることにも楽しみを感じていますが、それはトレイルランニングの楽しみの1つの現れ方でしかないのです。

それが全てではありません。

そのこだわりがトレイルランニングを楽しむことを妨げるなら、ITRAポイントなんて捨て置けばいいのだと思います。

レース選びのポイントは一元化されたものではありません。

いくつかあって、いくつもあります。

それを忘れたくないと思います。

 

急に熱くなってしまいましたが、今年も私は、 私のトレイルランニングを楽しみたいと思います。

そして今年も、誰もが自由にトレイルランニングを楽しめるように祈っております。

そのためには精進。