竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感です。藤沢周平が好きです。

こけ初め2017ー高尾山天狗トレイル2017

高尾山天狗トレイル2017に参加し、無事にとはいきませんでしたが、なんとか18kmを完走しました。
序盤、まだ5,6kmの地点で派手に転倒して左ひざを痛め、その後スピードに乗ることが出来なくなりました。
フィニッシュまでたどり着くことはできましたが、辛いレースになりました。

スタート前の過ごし方は最高でした。
日影沢キャンプ場は極寒の地なので、受付を済ませてからもしばらくは着替えずに作業し、厚着で過ごす時間を長くするようにしました。
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ただ、勘違いしていたのは、日影沢とはいえ、午前中はそれなりに日が当たるということでした。
着替え終えて参加した開会式では、天狗も出てきました。
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お祓いをしてもらってスタートの準備に入ります。
この天狗はただのコスプレではなく、近くの神主さんが扮装している霊験あらたかな天狗です。
なので、お祓いは本物ですよ。
開会式後にトイレを済ませ、着替え後に着込んでいた防寒装備をザックに詰め込み、10分前にスタートラインに並びました。
私は11:00スタートの第1ウェーブでしたが、今回は全体的に参加者が少なかったため、列がすかすかでした。
やはり天狗はゆるい。
私にとって、非常に好ましい雰囲気でした。
スタート後は日影沢林道を登り詰め、小仏城山を目指します。
日影沢林道は砂利とコンクリートの林道ですが、北斜面なのでほぼ日が差さない極寒の林道です。
極寒のため、山清水が道に流れているところは凍結していました。
特に最初の1km地点の前後は、断続的に凍結地帯が連なり、危険な様相です。
ここで頭に入れておいて、下りに役立てようという目論見でした。
登りは3kmほどで終わり、小仏城山から陣馬高尾縦走路に入ります。
入る前にパチリ。
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5回も出場してると、ここの眺望には相当慣れ親しんだものになりました。

縦走路は最強寒波にもかかわらず、多くのハイカーが往き来していました。
やはり晴天の力は大きいですね。
南関東の冬は、この点では恵まれているように思います。
小仏峠を美女谷・底沢方面に下っていきます。
この下りは落ち葉混じりのトレイルで、すれ違うハイカーも少なく、傾斜も程よく、天狗トレイルの中で一番快適に走れるセクションです。
快調に飛ばしてゆきますが、着地時に右足と左足の両方に軽い痛みが出始めました。
それが気になってしまったのと、また、下りきったあとの展開をどうするか、考え出してしまったところで、落ち葉に隠れた木の根につまづきました。
自分で言うのもなんですが、見事なヘッドスライディングでした。
滑り込んだ先にベースがあればよかったのですが、左膝が接地した場所に石があったようで、したたかに打ち付けてしまいました。
当然悶絶しましたが、山道で転がっているのも邪魔なので、ロールアウェイします。
野球にたとえてもラグビーにたとえても、恥ずかしさをごまかす以上の意味はありません。
本当に恥ずかしかったです。
とにかく、谷側に足をブラリとさせて道に腰かけ、痛みが引くのを待ってましたが、何人かのランナーが心配して声をかけてくださり、恐縮してしまいました。
とりあえず立ち上がってみたものの、痛みが引く気配がありません。
こけて数分で引くわけもないのですが、重い打撲だが進めると自己診断して、ジョグ程度のスピードで下りました。
痛みと折り合いがつけられるスピードを見つけて、とにかく底沢に下りることだけを考えました。
転倒の原因は考え事の他にもうひとつ、自分のスピードに酔ってしまったこと、と言えます。
久々のかっ飛び疾走感に酔ってしまいました。
要は調子に乗ってしまったのです。
このままかっ飛ばせば過去最高記録でフィニッシュ出来るかも、という色気もありました。
好事魔多しの教えそのものでした。
やはり下りは、目の前の一歩一歩に集中していないと危険ということがわかりました。

底沢に下りて、給水所のスタッフにリタイアを告げるかどうか迷いましたが、会場に戻るのが面倒な場所だなと考えて、とりあえず進むことにしました。
次に判断するのは、景信山から小仏峠に下りたところです。
底沢からは、陣馬山の稜線に向けて一気に登り返します。
膝周辺のケガでは下りよりも登りの方が楽ということもあります。
今回もまさにそれで、私はこれに登りセラピーと勝手に命名しています。
もちろん癒されるわけではなく、痛みが軽いだけなのですが、気だけは楽になります。
ちなみに下りセラピーもあるのですが、それはまた別の機会に。
底沢峠への山道は樹林帯が美しく、進んでいて気持ちのよい道です。
つづら折りの急登がけっこうありますが、動きを止めずに進むことが出来る程度の、程よい急登です。
登り切ると陣馬高尾の主稜線に戻ります。

陣馬高尾縦走路はフラットで走りやすいでお馴染みですが、今の私は走ると左膝に痛みも走ります。
フラットなトレイルを歩くしかないのですが、歩いててもけっこう痛いのです。
私の登り方だと脚の動きが小さいので、衝撃も少なく、さして痛みはなかったのですが、平地と下りは甘くなかったです。
私の体重は恐らく72kgほど、身長も筋肉量もそれなりにあるものの、ランニング系のスポーツに向いた体格ではありません。
やはり膝への衝撃は大きいはずです。
でも、歩いても痛いんだから、痛みと折り合いがつけられるスピードで走ろうと開き直りました。
フラットなセクションと登りをジョグの速さで刻んで、下りは膝をかばってゆっくり進むことにしました。
この日の縦走路はやはり最強寒波の影響で極寒だったようです。
いつもはぬかるみのところが、凍土のようにカチコチになっていたり、13時過ぎても霜柱が残っていたり、とにかく乾いた寒さに包まれていました。
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ろくに走れなかったけど、ランナーとしては足元が悪くないので走りやすいです。

やがて縦走路を外れ、景信山をトラバースする道に入ります。
崩落箇所もあるその道の突き当たりに、景信山から小仏バス停方面に下りる山道があります。
この下りは、私がトレランの楽しさを初めて知ったルートで、いつも楽しく駈けていた道です。
さすがに今回は痛みとの付き合いに手一杯で、楽しむ余裕なぞありませんでした。
こけちゃって痛いんです、なんて、道を譲ってくれたハイカーに泣き言を聞いてもらうなど、情けない感じで下っていきます。
ほうほうのていで小仏登山口に到着しました。
リタイアをどうするか少し考えました。
もう残りは5,6kmになっていたと思います。
そのうち下りは3kmちょっと。
ま、いざとなれば歩けばいいや、あっさりリタイアを断念しました。
小仏峠に向かって登り返します。
途中の水場で気合いを入れて、とにかく進みます。
せっかくの登りセラピーです。
しかも、下りは走れないんだから今でなければいつ走るの?と、スパルタ竹仙坊がここぞとばかりにしゃしゃり出てきます。
本音ではゆるく行きたいのですが、下りのために脚を残しても仕方ないので、やれるだけ頑張ることにしました。
つづら折りを登り切ると2回目の小仏峠です。
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狸に挨拶。
小仏城山への裏道をゆるく登ると、日影沢林道にたどり着きます。

下りは走れないんだから、という前提だったものの、ロードの間はそれなりにスピードに乗ることが出来ました。
恐らく、着地のリズムが一定なので膝が対応しやすいのだ、と思いましたが真相はどうなんでしょう。
砂利セクションは少し痛みが増します。
不整地の厳しさです。
さて、日影沢林道も上部は午後の日差しを浴びていましたが、林道のゲートを過ぎると、一気に日影となり気温が下がります。
折しも時刻は13:50ごろ、フィニッシュまであと1kmほどの地点、午前中に確認した凍結はどうなっていたかというと…。
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いまだ全面結氷です。
しつこいようですが、極寒の地・日影沢、面目躍如です。
スピードを出せなくなっているので、凍ってないところを冷静に通ることが出来ましたが、記録や順位を狙っていたら突っ込んでしまったかもしれません。
結氷地帯を過ぎるとフィニッシュはすぐ近く、結局2時間56分台での完走でした。
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フィニッシュ後の振る舞いパスタも毎度お馴染みです。
ミートソースに食欲をそそられました。

ケガして完走、記録は過去最低でしたが、思い返せば不思議と楽しく思えてきます。
この大会に思い入れがあることは確かですが、それを割り引いてもよい大会だと思います。
コースはジェットコースターのように、長めの登り下りを繰り返します。
陣馬高尾縦走路のフラットなセクションは、一部でしかありません。
18kmという短い距離で、山を駈ける醍醐味を存分に味わうことが出来ます。
また、イベントとしての楽しさも満喫できます。
今回はゲーム大会でしたが、抽選会も毎回用意されていて楽しいです。
会場の屋台も、毎回同じ方だとは思いますが、いつもヘルシーで美味しい食事を提供してくれています。
今年の豚バラ白菜しめじ雑炊、美味しゅうございました。
楽しみのひとつです。
参加者が増えすぎるとまた大変だと思いますが、おすすめの大会です。

ただ、打撲した膝はまだ曲がりが悪く、長く歩くと鈍く痛みます。
酔うとろくなことがありません。
この場合は、スピードに酔うと、ですけど。
肝に銘じます。