竹仙坊日月抄

トレイルランニング中心の山行記やレース記、その他雑感が主です。藤沢周平が好きです。

ふと富士不登山ー避暑2018夏

一月ほど前の話になりますが、8月1日から2泊3日で富士山に行ってきました。
とは言っても、まだ骨折が完治していないため、富士登山をしたわけではありません。
8月の最後の終末も猛暑日が続きましたが、8月1日からの3日間も、東京地方に猛暑日の予報が出ていました。
こりゃたまらんと、前日申請で衝動的に夏休みを取ってしまいました。
とにかく涼しい所に避難したい、ということで、目をつけたのは富士山五合目でした。

標高2300mの富士スバルライン五合目には、新宿から高速バス一本で行くことができ、宿泊施設もあります。
天気予報では最高気温25℃、最低気温17℃、同じ時期の東京より10℃も低いのです。
めちゃくちゃ快適ではないですか!
猛暑日続きの今ここに行かない選択肢はない!
そうと来れば、なるべくリゾート気分で行って参りたいと思い、富士急雲上閣のカプセルを2泊分確保しました。
この時期の富士山は登山者ばかりのはずですが、私は骨折の影響で登山を控えているため、山頂を目指すようなことはできません。
それでも涼みに行くだけというのもなかなか乙なものではないかと思うことにしました。
この日程は、富士登山競争と富士登山駅伝というトレイルランナーにとってのビッグイベントのちょうど間の時期でした。
そんなハードなレースに挟まれながらも、同じ富士山でただごろごろと涼むだけ。
名付けて富士不登山納涼。
なんてぜいたくに怠惰なんでしょう。

8月1日、15時頃に富士スバルライン五合目に到着しました。
もくろみ通りの涼しさで、最高気温でも25℃前後、太陽が陰るとうっすら肌寒いくらいでした。
東京は35℃を超えていたので、避難して大正解でした。
下界の熱で凝り固まった体が、富士山の冷気で緩んでゆきます。
五合目にはあらゆる国からの観光客が一杯。
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みんな楽しそうです。
自転車ライダーにはおなじみだそうですが、チャリたぬのお出迎えを受けます。
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スバルラインを山麓からヒルクライムしているロードバイカーをバスの中から何人も見かけました。
なんでタヌキなのかはわからないのですが、かわいいのでよしとします。
五合目からの富士山鑑賞は、ビジターセンターの屋上からが遮るものが少なくて見やすいです。
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夕飯も富士山。
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みはらしの赤富士ハヤシ。
ここの食堂は富士山を真正面に見ることができます。
初日はこうして終わりました。

明けて二日目は少し散歩に出掛けることにしました。
遠出ができないので、六合目辺りまで歩いたら引き返してくる計画です。
六合目に向かう道。
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まるで高速道路のように整備されています。
せっかくなのでメインのルートを外れて、富士登山競走五合目コースのゴールでもある佐藤小屋によってみることにしました。
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ここはテント場もあるそうなので、機会があればテント泊もしてみたいと思います。
佐藤小屋から六合目に向かう山道は樹林帯です。
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森林限界に向かって歩きます。
この道で外国人登山者二組に声をかけられました。
メインルートから外れて何がしたいのかと思って聞いてみると、どちらも道中の星観荘や佐藤小屋で、金剛杖に焼き印をもらいたいとのことでした。
確かによい記念になりますね。
やがて森林限界を越えるとかつての五合五勺、現在の六合目に到着です。
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礫だらけの場所でガスに包まれると、塞の河原感がいや増します。
六合目は行き帰りの登山者で賑わっていました。
シーズンの吉田口登山道の混雑は想像していた通りのものでした。
外国人登山者は3~4割といったところだと思います。
せっかくの富士登山、彼らには存分に楽しんでもらいたいと思いました。
こちらは散歩とは言うものの、「登山」と言ってもおかしくはないくらいに装備は整えていました。
六合目までしか行ってませんが、富士不登山とは言い切れないような気もしています。
ただ、富士登山競走や富士登山駅伝はもちろん、山頂を目指す登山者達のことを思うと、私はやはり富士登山をしたとは言えないのです。
いつかは本当の富士登山をしてみたいと思います。
そんな気持ちの帰り道、山頂を仰ぐと、
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目に青空、草は緑。
不登山ではありますが、気持ちのよい散歩でした。

五合目に戻ってからは昼食をとったり昼寝をしたり、ひとしきりのんびりしてからみはらしで唐揚げと富士山をつまみに一杯。
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ボッチ不登山の打ち上げを楽しみました。
飲み終わってからはビジターセンターの屋上へ。
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どーんと御大がそびえ立ちます。
二日目が暮れてゆきます。

そして最終日、チェックアウトしたらすぐにビジターセンターの屋上へと向かいます。
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青空にそびえ立つ富士山。
3日間で一番の富士山でした。
また、この富士スバルライン五合目は小御岳火山という側火山に作られています。
ここには小御嶽神社という神社があります。
そこからは神々しく雲がかかる御大。
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これもまた美しく感じました。
こうして少しふらついた後、チャリたぬに見送られて帰路に着きます。
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帰りついた東京は35℃を超える猛暑日でした。
その前日は37℃を超えたとのこと。
本当によいタイミングで体を休めることができました。
富士山の冷気をチャージしてきた効果は一週間くらい続きました。
猛暑に疲れたら富士不登山納涼、おすすめです。

海が待っているー若狭路トレイルラン2018予報

若狭路トレイルラン2018は、例年通り、9月最後の日曜日である9月30日に開催されます。
昨年2017年に初めて出場しましたが、これが楽しい大会でした。
この記事の最後の方(◇以下)に2017年大会の記事のリンクをまとめてあります。
何かの参考になればよいなと思います。

今年は信州戸隠トレイルランニングレース2018と日程がかぶってしまいましたが、昨年は戸隠が9月10日頃の開催だったため、両方のレースに出ることができました。
今年の私は骨折の影響でトレランを控えているためどちらにも出場しませんが、どちらに出たいかを選べと言われたら、相当な難問だと思います。
ただ、そういう難問への答えを出さなくてよい状況にあるのは、ある意味楽ではあります。

両者を比べると、山か海かの違いというのが一番の違いである気がします。
信州戸隠は山中の門前町から山々を駈ける、純粋に山を巡るレースです。
翻って若狭路は、海から山に入ってまた海に戻る、海と山のレースです。
海沿いの街で育った私は、山には憧れを、海には懐かしさを感じます。
とはいえ、若狭路トレイルランの会場である食見海岸は青く澄んだ海で、私が懐かしさを感じる北部東京湾の味噌汁のような海とはまったく別物でした。
こんなきれいな海で育ったら違う人生があったのではないか。
育つ土地が違えば人生が違うのは当たり前なのですが、そんな感傷のような感想を抱いてしまうくらい、きれいな青色をした海でした。
人それぞれ何を思うかは違うと思いますが、私にとって若狭路は、海が印象的なレースでした。
こんな海や、
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こんな海、
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こんな海が待ってますよ。
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2017年大会予報
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/22/205040

2017年大会速報
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/24/132539

2017年大会レポート1
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/27/125424

2017年大会レポート2
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/27/201437

2017年大会余録1
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/10/01/184225

2017年大会余録2
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/10/06/225431

変われども変われどもー信州戸隠トレイルラン2018予報

信州戸隠トレイルランレースには過去2回、2015年と2017年にロングの部に参加しました。
今年は9月30日(日)開催予定ですが、4月に骨折した左腕が回復しておらず、参加を見合わせます。
この記事の最後の方(◇以下)に2017年大会の記事のリンクをまとめてあります。
後述のように、2017年までとはコースが大幅に変わっているのでレースの参考になるかはわかりませんが、滞在の参考になればよいなと思います。

2017年大会は終始よく晴れていましたが、2015年大会は雨混じりの曇天から始まり、午後から晴れたような記憶があります。
雨混じりの2015年は、今回と同じく9月第4週の開催でした。
9月は天候が安定せず台風も来やすいので、天気が変わりやすく、参加者としてもまた対応を迫られます。

変わりやすいと言えば、このレースのロングの部のコースもまた変わりやすく、私が最初に出た2015年は45km、2度目の2017年は50km、そして出場はしないものの2018年は60kmとなりました。

2018年大会コース
http://www.togakushi-trail.com/course/

2017年大会コース
http://www.togakushi-trail.com/2017/coursemap/

2015年大会コース
http://www.togakushi-trail.com/2015/coursemap/

しかも今年のコースは、昨年までのルートを逆回りで走る区間もあり、これまでとは大分様相が異なるレースとなりそうです。
例えば飯縄山南登山道は2017年までは下りのルートでしたが、今年は登りで使用するようです。
飯縄山南登山道では2015年の大会で大転倒した記憶がありますが*、今回は登りなので転倒の心配は少ないでしょう。

http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/01/22/213441
登りの場合は飯縄山への登山者を追い抜きながらのレースになるため、登山者への気遣いが試される局面が多々あるかと思います。
出場しない私がいうのもなんですが、トレイルランナーの矜持というか、マナーの良さを知ってもらう良い機会だと思います。
陰ながら応援したいと思います。

他にも、戸隠牧場のラウンドは距離が大幅に延ばされ、今までは行かなかった古池というところまで登って大回りをするようです。
単純に距離が延びただけでなく、山岳セクションも全体的にハードになった印象を受けます。
こうやってマップを眺めた印象では、けっこうキツいコースかも知れません。
ただ、キツいとかハードとかいった言葉にワクワクとか喜びとかを感じてしまう種族のトレイルランナーである私としては、より楽しいコースに変わったんだろうなとも思います。
本当に楽しいかどうか自分の足で確かめられればよいのですが、骨折が完治しないなかトレイルランニングを再開することはできません。
今年の参加者の方々が、今まで私が見たことのない風景を見に行けるのは、純粋に羨ましく思います。
いつか治ったら、変わったコースを走ってみたいと思います。

ただ、変わった変わったとはいえ、変わらないところももちろんあるようです。
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最初の瑪瑙山への登りから振り返って見た戸隠山高妻山です。
ここは2015年も2017年も序盤で通りました。
瑪瑙山には今回も、スタート直後にガツンと登ります。
戸隠神社宝光社から小鳥ヶ池に向かう途中の町中ににある急坂。
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言われた通り、見ての通りの坂ですが、今年もコースになっているようです。
この張り紙はまたあるのでしょうか。
とても気になります。
小鳥ヶ池はこんなところです。
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第2エイドの鏡池も素敵な場所ですが、この小鳥ヶ池を見ると心が落ち着きます。
小鳥ヶ池から鏡池の間の森もまた素敵な森です。f:id:CHIKUSENDO:20180730234605j:plain
天候によりますが、柔らかい木漏れ日に癒されるかもしれません。
レース後半の戸隠牧場にも癒しの光景が。
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この子馬も今年は大きくなっているのでしょうか。
戸隠牧場から瑪瑙山に登り返して、最後の戸隠スキー場を下りきると、フィニッシュの直前に戸隠山高妻山が出迎えてくれます。
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今年はスタートとフィニッシュが同じなので、文字通り帰って来る感じです。
私の出場した2015年も2017年も、私のフィニッシュ時刻にはよく晴れていました。
今年も晴れたらいいですね。

◇2017年大会の記事

2017年大会予報
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/09/111416

2017年大会速報
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/10/183230

2017年大会レポート1
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/11/235525

2017年大会レポート2
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/12/183126

2017年大会レポート3
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/14/203355

2017年大会レポート4
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/17/221550

2017年大会余録1
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/20/235148

2017年大会余録2
http://chikusendobo.hatenadiary.jp/entry/2017/09/22/164100